横光利一のレビュー一覧

  • 旅愁(上)

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    まだ簡単に海外にいける時代じゃなかったときの留学生の話。自由に海外にいける今、昔の大学生くらいの熱意を持っていたいよね!スイスのシーンがすてき!

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    2009年10月04日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。
    タイトルやピンクの背表紙から、明るいお話を想像していましたが全く逆。結核を患い死期が近づきつつある妻と、それを支える夫の、閉塞感の漂う暮らしを描いた作品でした。

    病で気が滅入り、夫に当たってしまう妻。それを受け止めるしかない夫。そんな事、言わなくていいのに⋯と思ってしまいますが、体が辛く更に治る見込みも無ければ、お互い心が荒むもの仕方ない事です。最後の明るさは、妻の体が楽になったという事なのでしょうか。

    初めて読む作家さん、初めて見るイラストレーターさんの作品でした。苦しい内容ですが、表情のない男女のイラストがよく合っていました。

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    2025年09月07日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    横光利一の代表作。このシリーズの中では、絵がおとなしめ。本文にかなり寄り添った感じ。これくらいなら乙女でなくても大丈夫。ということは乙女の本棚としてはどうなのか、ということになるのだろうか。乙女はもちろん乙女でなくても楽しめる、と考えれば、成功しているのかな。

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    2025年06月21日
  • 寝園

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     本書を読もうと思ったきっかけは、北村薫さんの「空飛ぶ馬」で、文学部の女子大生が本書を取り上げていたことから、大学生が読む作品って、いったいどんな感じなのだろうと興味を持った、ただそれだけなので、文学としてどうこうといった崇高な内容は全く書けないことを、先に記しておきます。

     それから横光利一については、ごめんなさい、全く存じ上げなかったのでネットで調べてみると、川端康成と共に新感覚派として、大正末期から昭和初期の文学に新たな局面を切り開き、活躍された作家とのことで、本書の解説はチンプンカンプンだったものの、なるほど、「雪国」を読んだような感覚で捉えればいいのだという気持ちで、改めて向き合っ

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    2025年05月05日
  • 花園の思想

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    花園の幻想的な記述

    代表作の一つ「春は馬車に乗って」と同じように、肺結核を患った妻の死を扱った作品である。当時としては唯一の療法であったサナトリウムの花園の幻想的な記述と、麓の漁村の猥雑な力強い風景との対比が面白い。しかし、夫婦の心理状況の記述は「春は馬車に乗って」よりは1段劣ると思える。

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    2024年10月01日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    はい、20オネエです

    『乙女の本棚シリーズ』も、もはやベテランの域です
    乙女の本棚プロと言ってもどこからも異論は出ないと思われます

    そんなプロからこれから『乙女の本棚シリーズ』を読もうとしている皆さんに貴重なアドバイスをしましょう

    先に解説みたいなん読んじゃダメです絶対
    そっちに引っ張られちゃいますからね

    自分が感じたことを堂々と誇りましょう

    偉い学者先生の解釈とぜんぜん違ったっていいじゃない
    そんなん蹴飛ばしちゃえばいいじゃない
    笑われたって馬鹿にされたって自分が感じたことを自分が信じてあげなきゃ

    で、今回わいが感じたのは「馬鹿馬鹿しさ」でした
    死に向かう妻と看病に疲れる夫の言葉

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    2024年02月13日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    病の妻をもつ彼は妻に縛られていた。
    彼には仕事があったが妻には彼しかなかった。
    妻の病が進行するにつれ家庭は暗くなっていった。
    冬の終わりに知人からスウィートピーの花束が馬車で届けられた。
    夫婦は春の訪れを喜ぶ。
    陰鬱な展開が続いたが最後に一条の温かな光が差したような物語だった。

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    2023年04月11日
  • 旅愁(下)

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    恐るべし横光利一さん

    読み始めた時は、単なる高等遊民の戯れ言かと早や、作品の選択を間違えたか?と後悔しかかってから、あっという間に引き込まれラストは、えっ?もう終わり?とまだまだ物足りない読後感でした。女性の心理描写が巧みですね。宗教と結婚。 簡単ではないですね。私はずっと漱石さんの虞美人草の続編みたいな感覚に囚われていました。ハッピーエンドはないのかな。静かに読み返します。

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    2022年12月16日
  • 春は馬車に乗って(乙女の本棚)

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    イラストが綺麗。
    文章がキレイだからなのか。
    美しい死の話。
    肺の病気で寝ている妻を看病する夫とのやりとり。
    妻は辛そうで、わがままを言うが、それを必死で受け止めようとする夫の献身。
    病状が悪化してゆき、夫も辛い。
    ダメになりそう。
    冬を越せて良かった。
    素敵な花咲く春まで生きていられて
    良かった。花束を抱いて目を閉じたところが美しかった。

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    2021年07月01日
  • 犯罪

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    やっぱり似ている

    この人はどうも似ている。つげ義春に。最初に読んだ『機械』にしてからがそうだった。狭苦しい工場の中での、貧乏くさい抗争。それは実際に工場で働いている私にも共感できる程度に、よく描写されていた。そして価値観の不毛を感じさせる作風。つげ義春の同類と言うに十分ではないか。
    そう思っていたら、今度は鳥である。そのうち石を売ったりなどするようなら、同一人物とみなしても差し支えなかろう(あるか)。

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    2015年01月02日