中村明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
突然ですが・・・
洋食屋でお米を食べたくなったとき、店員になんと頼みますか?
「ライス、お願いします!」
ですよね。
では、和の定食屋でさばの味噌煮定食でも食べているときに、お米をおかわりを頼む場合はなんというでしょうか?
「ライス、お願いします!」
・・・・・・。
はい、違和感ありですね。
えぇ、
「ご飯、お願いします!」
と言った方がしっくりきますね。
「ライス」も「ご飯」も意味は同じです。
しかし、なぜ感じ方が違うのでしょうか?
その答えこそ、本書のテーマである「語感」です。
「語感」とは、その言葉に帯びる感触や印象、雰囲気のようなものです。
ライスとご飯 -
Posted by ブクログ
2010年に発行された『語感の辞典』の著書中村明氏が書かれた本ということで興味があり購入。本書はこの辞典が発刊される16年も前に書かれたもので、辞典とは違い、覚え書き風に記されている。『語感の辞典』は私も(愛用とまではいかないが)時々利用している。辞典と併用して読むのも面白い。「一生懸命」と「一所懸命」、「ふるさと」と「故郷」など、知りたかった語感の違いに触れることができる。
それにしても、「ごはんにしますか、ライスにしますか」という店員のエピソードは、私も(著者同様)”きょとん”としてしまった。これは語感というより、その社会での”位相語”として理解されるべきだと思うが…。
普段何気なく使って -
Posted by ブクログ
共約不可能性、翻訳の不確定性、指示の不可測性という概念があります。ものすごく噛み砕いて説明すると、翻訳や指示は必ずしも一対一にはならない、というものです。例えば、「リンゴ」と言っても、人によっては真っ赤なリンゴを想像したり、ウサギ型の可愛いリンゴを想像したり、樹になっているリンゴを想像したり……と、送信者(話し手)と受信者(聞き手)との間には完全には一致しない「ズレ」がある、ということです。
爆笑問題カーボーイのリスナー投稿で、便意を催すことを「お知らせが来る」「天使を下界に放つ」等と表現した投稿者がいましたが、これも間接表現の一つと見ることができます。
この「ズレ」、著者は言葉に