橋爪紳也のレビュー一覧
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往来堂書店「D坂文庫2014冬」から。南海ホークスを通じて見たプロ野球文化史論の一級品。
南海ホークスの球団史ではなく、主題はサブタイトルの「野球ファンとパ・リーグの文化史」の方にある。軽い気持ちで読み始めたが、これは紛れもなく学術書だ。
阪神タイガースをしのぐ人気を誇っていた南海ホークスが凋落していった理由を、社会学的に分析しているのだが、その手法はお見事というほかない。当時、子供ながらにセ・リーグは新聞社の球団が多く、パ・リーグは関西の鉄道会社の球団が多いなとは思っていたが、それにはしっかりとした理由があり、そして、その理由がその後の凋落を引き起こした一因ともなっていたのだ。
そして、球団 -
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Posted by ブクログ
大大阪時代にどハマりした学生時代、よく橋爪先生の本にお世話になっていた。
本の内容までは覚えていないが、東京の人口を凌ぐマンモス都市だった往時の大阪をストーリー性のある文章で解説。読んだうちの一冊には、当時流行したご当地歌謡曲のCDが付属で入っていたのを覚えている。
本書は2018年に刊行された『1970年大阪万博の時代を歩く』を改題・加筆・修正したもので、刊行年は2020年2月。
話題というより物議を醸している2025年の大阪・関西万博だが、55年前の方はどうして何事もなく成功できたのか。今回の万博は希望を持っても大丈夫なのか。
うん十年ぶりに先生とタイムスリップして確かめてきた。
巻頭 -
Posted by ブクログ
これを読むと本当に今の建物はつまらないなと思う。機能やコスト面では確かに今のほうが優れているのかもしれない。しかしどれも同じような外観と材料で代わり映えがしない。奇妙な外観であれば良いというわけではないがあまりにも均質的で、ロードサイド店舗の作り出す均質的で奇妙な景観を思いこさせる。しかし、ここで紹介されている建築物は、前衛的で挑戦的なデザインや地元の名士や特産品などから連想したデザインと一つとして同じものはない。また、新たなランドマークを目指しつつ景色に溶け込むことを意識していたり、風土に合わせてデザインを変更するなどの配慮もある。材質も木や漆喰などテーマに合わせたものが使われていたりする
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Posted by ブクログ
大阪万博の今昔物語。
1945年の敗戦から、復興と経済成長を遂げ、世界の未来を占う技術進歩とその課題をテーマに1970年に万博が開催された。
焼け野原、闇市だった都市が、一日に最大80万人、累計6400万人が訪れた華やかな万博会場。
各国がアピールする場として、米ソの宇宙開発競争が見られる。また日本は技術力をアピール。そして若い芸術家・建築家等が躍進・成長の場となっている。
横尾忠則の繊維館は、真っ赤な球状に足場を残すカタチに設計変更する。それを当時の繊維館の会長に直談判し、その才能と熱意を承認した谷口会長の快活さ。復興を強くアピールするパビリオンとなる。
岡本太郎は、べらぼうなもの -
Posted by ブクログ
今思えば父も「野球難民」やったんやと。ひたすら巨人戦の中継ばかり見ていた父が。巨人ファンではない、巨人が負けるところを見たいのだと。阪神ファンの幼い私には理解不能だった。
後に母から父は南海ホークスファンだったと聞かされた。ならば巨人の中継じゃなくて、ダイエーホークスを応援すればええやないかと思っていた。ダイエーホークスにはそないに興味があるようには見えなかった。もちろんソフトバンクも。
この本を読んでようやく解けた。身近な人が感じてであろう喪失感に。野球は好きだがひいきの球団はもう無いという。もはや父は巨人戦だって見ていないのだ。
自分には物心ついたときには阪神しかなかったが、南海がまだ在 -
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