福井久美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人間関係を扱った翻訳本の場合、社会規範や商習慣が違うために日本人の役に立たないことが多いが、本書は比較的参考になると思う。内向的な人間がパーティ会場などで振る舞う方法や、会話を盛り上げる方法(冒頭の挨拶を一工夫する)などは、実際に試してみたいと感じた。
また、人によって愛情言語(感謝の言葉)が違うという話題は新鮮で面白かった。これは「相手のどのような行動で自分が感謝されていると感じるか」が大きく以下の5パターンに分類され、その愛情言語が違うと、パートナーとの関係がギクシャクするというもの。
1. 肯定的な言葉
2. 贈り物
3. 身体的なタッチ
4. サービス行為(雑用・奉仕など)
5. 一緒に時間を過ごすこと
愛情言語に限らず、著者は、性格や価値感が人それぞれで異なっており、それらを分類し、個別に適切な対応をとることを重視しているようだ。「どんなときでも絶対にこうすれば大丈夫」というような耳障りの良いことはあまり書かれていないが、誠実で実用的な本だと思う。
作者の自分語りはやや多めだが、まあ許容範囲。 -
Posted by ブクログ
ゴールドマン・サックスで副会長まで務めたハーバード・ビジネススクール教授
ロバート・スティーヴン・ カプラン
・あなたにとって「成功」とは何なのか?
1.自分の長所と短所を把握する
→ 重要な問題を克服したいときはアドバイスを仰ぎなさい
→ 課題を放置することは致命的な誤り
2.ボランティア活動でスキルを磨く
→ コミュニティで働くことにはさまざまな利点があるのに、過小評価されがち
→ 普段の活動領域から出て、別の環境で新しいことをし、他人の支援を通じて、自分自身のことや自分に何ができるかが見えてくる
3.自分の望みをメンタルモデルで探る
→ 仮にあなたがあと1年しか生きられないとしたら、何をして過ごしますか? その結論から、あなたが好きなことは何で、やりたいことは何だと思いますか?
→ 仮にあなたにありあまるほどお金があるとしたら、どんな仕事やキャリアを追い求めると思いますか?
→ 将来的に成功することがわかっていたら、今どんな仕事を探すと思いますか?
→ 子どもや孫に、仕事でどんなことを成し遂げたと話したいですか? あなたのキャリアについて、どう説明しますか?
→ 第三者として自分にアドバイスするとしたら、キャリア選択について何と言いますか?
4.不当な扱いを受けた過去を消化する
→ その不当な扱いが今の行動にどう影響を与えているかを考える
→ 時間をかけて不当な体験を消化しましょう
5.十分に時間をかけた後に評価する
→ 仕事を2~3年やろうとは決意しなかった。1年間で区切って、定期的に見直しを行った
→ 1年の間は全力を尽くして仕事に集中した。何日も、または何週間もみじめな思いをしたときも、年末にはゆっくりと自分の状況を分析しようと決めていました -
Posted by ブクログ
心理学とサッカーの研究で博士号を取得し、各国で「PKコンサルタント」としても活躍するゲイル・ヨルデット教授の知見を結集した一冊。
個人的には、PKはサッカーの中でもつまらない瞬間であり、PK戦は「ただの運ゲー」、もはやサッカーの一部ですらないと思ったことすらあるアンチPK主義者なのだが、この本を読んで見方が変わった。
審判のホイッスルから蹴るまでの間の長さ、GKのポジションの取り方、駆け引き、蹴る前の選手の視線、監督の選手の関わり方など、これまで見落としていた細部にPKの成功失敗のヒントが隠されていることが分かりとても興味深かった。
有名選手の実例も豊富で、特に遠藤保仁選手のPKにおける蹴る前の間(例の"コロコロPK"ではない点が面白い )や、記憶に新しいカタールW杯の森保ジャパンにも言及されている。
フリーキックやコーナーキックなどのセットプレーに比べると、PKの技術面やメンタル面においてまだ多くの伸び代が残されているよう。次に目の当たりにするPKが楽しみになってくる。 -
Posted by ブクログ
この先PKなんて蹴る機会なんてないよなぁと思いつつ。
あの日のロベルト・バッジョを思い出しながら。
背を向けて現場を見ようともしないイビチャ・オシムを思い浮かべて。
技術よりも心理に踏み込んだ面白い内容でした。まだまだ深掘りできることがよく分かった。
総じて、極限のプレッシャーに立ち向かう人間にどれだけチームメートや監督が関われるかが以外と大切らしい。裏付けるデータ取得の着眼点には感心した。
ワールドカップイヤー。
森保さん、ご自身にも言及されている本書は確認済みかな。
わかる。PKになる前に決着をつければ良いのだが。
参考にするならまだ間に合います。 -
Posted by ブクログ
人前で一人で楽器を演奏する時の緊張を克服するヒントがないかと本書を手に取りました。
・色々考えすぎるとチョーキングする。→始まったら目の前の「動作」に集中する
・祈る時は「失敗しませんように」と否定表現するより「成功しますように」
・ルーティンは自分の心地いいゾーンに入るまで何度も練習する
・PKのホイッスルは「助走を始めろ」という合図ではなく「ルーティンを始めろ」という合図
・プレッシャーがかかる場面では、思い切り深呼吸すると副交感神経が活性化されてリラックスできる
・目標達成するのに必要なプロセスを障害も含めて具体的にイメージすると精神的に楽になる
このあたりのアプローチが応用できそうです。
特にPKにおけるキッカーのプレッシャーを打破する方法として、「チームメイトたちのサポート」が挙げられていました。「メンバーに支えられている」という心理的安全性を担保することは、ビジネスにおけるチームのあり方にも通じるものだと思いました。
そもそも私はワールドカップも観ないくらいサッカーにあまり関心がなく、ルールや試合の運行、PKのルールについても知識がなかったため、本書の内容を理解するのが難しい部分がありました。GKによるスポーツマンシップを逸脱していると思わせるような心理的ゆさぶり行為が一般的な戦術として横行していたり、以前はPKのメンタル対策や対策法があまり重要視されていなかったのは驚きでした。 -
Posted by ブクログ
書名は「なぜ超一流選手がPKを外すのか」となっていますが、本書は”PKの成功率を向上させるには、どのようなメンタルのマネジメントが必要か”という点にフォーカスした内容になっています。
1章
PKがいかにプレッシャーのかかる状況であるか、W杯やEUROなどの主要大会決勝トーナメントなど具体的な試合を挙げています。かなり数多くのケースが例として紹介されていますが、私が最も印象的だったのは1994年W杯アメリカ大会決勝で、PKを外したロベルト・バッジオのケースでした。
2章
PKキッカーが自分が主導権を握るために取り組む工夫について、キック前のルーティンなどの例を挙げて解説しています。この章では日本の遠藤選手が世界一流のPKキッカーの一例として紹介されています。有名な”コロコロPK”ではなく、キック前の間合いを長く確保していることについて、遠藤選手本人の証言なども紹介されています。
3章
PKキッカーの集中力をそぐ努力を重ねるゴールキーパーの実例が紹介されています。わざと遅くゴール前に歩いたり、ボールをなかなか手渡さない、キッカーにしゃべりかけるetc…等々の数多くの心理戦の実例が挙げられています。
4章
ゴールキーパーだけではなく、キッカーの相手チームの選手がキッカーに話しかけたり、威嚇したりするなどの手段でキッカーのメンタルを乱そうとする一方、それを防ぐためにキッカーのチームメイトがキッカーを囲んで文字通り”守る”役割を担うなど、チームとしてPKキッカーをいかに”守る”のか、その実例などを紹介しています。
5,6章
PKを蹴る順番を監督がいかに決定するのか、その需要性を実例をもとに解説しています。2022カタールW杯で実施されたPK戦において、選手の立候補で決めた監督(日本、フランス)と、予めPKを蹴る選手とその順番を決めていた監督(アルゼンチン、モロッコ、クロアチア)とでは、明らかに後者の勝率が高いというデータを示し、”PKを蹴る”という重責を負うことを表明する事へのプレッシャーを選手に負わせない重要性を述べています。
デシャン、アンチェロッティ、クライフやなど一流の選手でさえ”PKはくじ引きみたいなもので、練習しても無駄だ”との証言がある一方、”PK戦はチームとして取り組むべきであり、成功率を向上させるやり方がある”とする著者の考えが数多くの実例をもとに解説されていて、非常に興味深く読むことができました。
私はサッカーは競技としては未経験なので、PK戦の経験はありません。著者によると、センターサークルから一人で歩いてPKスポットに向かう時、凄まじい孤独感を感じるとか。また失敗してセンターサークルへ戻る時の心境は経験した人にしか分からないそうです。そういうプレッシャーをチームとして一緒に共有する手法として著者の数々の提案について、もし次のW杯の中継でPK戦を視聴する機会があったら、是非キッカーだけではなくベンチのスタッフや、チームメイトの動きまで映像で観てみたいと思いました。