小野善康のレビュー一覧

  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    方程式をもとになぜ日本が長期のデフレ状況になっているかを説明している。
    キーワードは資産選好。生産能力が十分にあり、最低限の生活をするのであれば他の国に比べても相対的に低コストで賄えるようになった日本。まさに成熟経済であるが、今日のマクロ経済学(ケインズ経済学)は供給に対して需要が見込まれる前提で理...続きを読む
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    この本の中で紹介されている経済学は、従来の経済学とは違い、資産選好という概念を中心にしています。
    これは、預金や債券や株式や投資信託などの金融資産を保有すること自体に快感を感じることです。
    この資産選好が強過ぎると、今の日本のように経済がうまく回らなくなるということだそうです。
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    旧来の「成長経済」を説明する経済理論ではなく、現在の先進国における「成熟経済」を説明する経済理論が必要である、という話。

    人々が所得を「現在の消費」と「将来の消費=貯蓄」に振り分けるというのが伝統的な経済理論であるが、成熟経済における貯蓄には
    「資産が増えるからカネをたくさん持っているという満足感...続きを読む
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    成長経済と成熟経済の違いがよく分かった。成長経済を前提とした昔の経済理論は現代の日本には適用できないという点は納得できる。
    4章までは分かりやすかったが、5章の国際競争の話は納得がいかない。今の円安は説明できないのではないか。
    6章の政策提言はやや中途半端に感じる。正解がないのだろうが、
    ・再分配政...続きを読む
  • 金融緩和の罠
    河野龍太郎さんのインタビューを新聞で読んで、この方の本を読んでみたいと思い、この本に辿り着く。

    この本は、萱野稔人(津田塾大教授)が、安倍政権で推し進める金融緩和に反対意見を主張する3名、藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)・河野龍太郎(BNPパリバ経済調査本部長)・小野喜康(阪大教授)とそれぞれ対談...続きを読む
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    目からウロコの本です。ある対談集で著者の名前を知り単著を読んでみたのですが、現在の経済に関する状況が次々と論破されていき、驚きの連続でした。
  • 金融緩和の罠
    あとがきにあるように,(結果的に)あまりにもタイムリーな本。デフレの主たる理由が生産年齢人口の減少であることを二人のインタビューイーが指摘している。おそらくこれが「デフレ」の真実なのだろう。小野氏は,「お金そのもの」が持つある種の魔力を考慮せずには,経済政策は成り立たないと指摘する。その指摘は自分の...続きを読む
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    不況だ不況だというネガティブなこの日本社会はなんなんだと
    もやもやしている時に出会った本。
    大企業のコスト削減による効率化の競争が結果として、自分たちの首をしめていることにつながっていることなど気にしておく必要がある。
    需要が慢性的に不足し、生産力が余っている成熟社会では、
    ・プロセスイノベーション...続きを読む
  • 不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ
    わりと難易度は高かったが、面白かった!
    社会保障論の最後の課題図書。ケインズの理論を修正しながら、新たな不況動学を作る試み。

    キーワードは流動性選好、時間選好率。
    消費関数と乗数効果を否定。

    非常に深い議論だった。
    しっかり武器化するには、あと数回は読まねばなるまい…
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    著者は菅直人氏が総理だったときに、経済政策のブレインとして起用された人物。

    本書を一言でまとめるなら「増税による景気回復」論。
    従来の経済学とは矛盾する、一見トンデモ論だが、経済社会を発展途上社会と成熟社会とに分けるとすんなりと理解できる。

    目からウロコの考え方で非常に面白い。
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    直観的に感じていることをズバリしてきてくれた一冊。しかも、著者は身近な組織にいる方と知って驚き。
    今までのありきたりな経済財政政策じゃ、いまの日本にはなにも響かないってことを、わかりやすく指摘されている。
    ここまで成長を遂げた日本の生活レベルにおいて、これ以上何を求めるのか?需要のないところに無理や...続きを読む
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    成熟社会と発展途上社会では、不況に対する経済政策が同じではない!という論。生産力に余剰のある「成熟」社会での不況対策は、生産力余剰(失業者など)を使わせることが第一と主張する。
    また、生産力余剰を使うにあたっては生活を豊かにする財やサービスに対する需要(=価値のあるものへの需要)を増やせば、税金を使...続きを読む
  • 不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ
    歴史に残る世界恐慌の時代にケインズが発表した『雇用・利子および貨幣の一般理論』当時の経済学では説明出来なかった不況のメカニズムを世に示した
    ただ不況のメカニズム「不況動学」は不況を経過し好況のサイクルに進むと人間は都合よく忘れ批判の的にすらなる

    先進国には投資機会がなく「豊富のなかの貧困」が起こる...続きを読む
  • 不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ
    菅総理に影響を与えていた小野善康 阪大教授の2007年の著作。貨幣への執着が起こす景気後退(守銭奴的流動性選好?)。需要不足による不況の解説。寺田寅彦の『津浪と人間』が引用され世代交代がもたらす問題を指摘しているのが印象的。
    ケインズ概論としても読める(^-^)
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    先進国の成熟経済における、デフレの理由と解決策を提言した本。経済学の知識が無くても分かるように書かれている点は良かったが、難しい話だったため理解するのが大変だった。
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    なぜ日銀が金融緩和を続けるのか、なぜ給付金などのバラマキが消費を押し上げる上で効果が無いのかなどが論理的に理解できる。しかも、シンプルな方程式を用いて説明されているところが興味深い。

    セオリー上はそうなのだが、現実にはそうなっていない。そこは、不合理な側面も考慮した行動経済学の出番なのだろう。
  • 資本主義の方程式 経済停滞と格差拡大の謎を解く
    資産選好社会が生産活動を抑制し、そのために格差が拡大している。
    生産能力が小さければ、消費選好のために経済は活性化する。
    海外旅行でも、パック旅行でないものは手間がかかる。だんだん苦痛になりいかなくなる。カネは増えても苦痛にならない。具体的に使う当てがなくても、カネを持っていたいという気持ちが資産選...続きを読む
  • 不況のメカニズム ケインズ『一般理論』から新たな「不況動学」へ
    新古典派とケインズの主張の比較をし、ケインズの矛盾点があればそれを指摘し、解決案をしている。なぜ不況になるかを論証している。完全雇用環境でなければ、消費不足が不況に引き起こすという。なぜ消費不足になるかといえば、経済の先行きへの不信である。その克服には世代交代が必要だという。公共投資、税金による失業...続きを読む
  • 成熟社会の経済学 ――長期不況をどう克服するか
    現在の日本の経済状況の閉塞感は「発展途上社会」から「成熟社会」に移っていることを認識していないで、「発展途上社会」では有効な経済方策を「成熟社会」で実現しようとしているところにあるそうだ。
  • 金融緩和の罠
    哲学者の萱野稔人氏が金融緩和策に批判的な三人の専門家(藻谷浩介氏、河野龍太郎氏、小野善康氏)と対話形式でのインタビュー内容を文字に起こしたものである。
    3人の中でも小野氏の内容が興味深かった。
    小野氏の論理展開の大前提は、「お金が究極の欲望の対象になる」ということ。成熟社会では、モノがあふれていて、...続きを読む