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需要が慢性的に不足して生産力が余り、それが失業を生み続ける現在の日本経済。これまでの経済政策はどこが問題なのか。新しい危機にはいかに対応すべきなのか。新古典派経済学の欺瞞をあばき、ケインズ経済学の限界を打破する、画期的な新しい経済学のススメ。閉塞状況を乗り越え、楽しく安全で豊かな国へと変貌するための処方箋。
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Posted by ブクログ
目からウロコの本です。ある対談集で著者の名前を知り単著を読んでみたのですが、現在の経済に関する状況が次々と論破されていき、驚きの連続でした。
不況だ不況だというネガティブなこの日本社会はなんなんだと もやもやしている時に出会った本。 大企業のコスト削減による効率化の競争が結果として、自分たちの首をしめていることにつながっていることなど気にしておく必要がある。 需要が慢性的に不足し、生産力が余っている成熟社会では、 ・プロセスイノベーション...続きを読むよりもプロダクトイノベーション ・生産よりも消費(生産そのものを目的とせず、消費を目的とした生産) が重要。 人々の意識の中に慢性的に需要があった経済成長期の成功体験が残っているため、行き詰まっている。 しかし、僕の周りの人の中にはこの社会の未来を切り開こうとしている人たちがいる。僕もその未来を切り開く人間となりたい。
著者は菅直人氏が総理だったときに、経済政策のブレインとして起用された人物。 本書を一言でまとめるなら「増税による景気回復」論。 従来の経済学とは矛盾する、一見トンデモ論だが、経済社会を発展途上社会と成熟社会とに分けるとすんなりと理解できる。 目からウロコの考え方で非常に面白い。
成熟社会と発展途上社会では、不況に対する経済政策が同じではない!という論。生産力に余剰のある「成熟」社会での不況対策は、生産力余剰(失業者など)を使わせることが第一と主張する。 また、生産力余剰を使うにあたっては生活を豊かにする財やサービスに対する需要(=価値のあるものへの需要)を増やせば、税金を使...続きを読むったとしても全体として豊かさは増していく、と主張する。
現在の日本の経済状況の閉塞感は「発展途上社会」から「成熟社会」に移っていることを認識していないで、「発展途上社会」では有効な経済方策を「成熟社会」で実現しようとしているところにあるそうだ。
現代日本のような成熟社会では、人々は既に欲しい物をほとんど手に入れているので、お金をばら撒いても銀行の金庫に積み上がるだけ、との説明はシンプルでわかりやすい。我が身を振り返ってみても、確かにどうしても欲しいものなんてほとんど無い(その割にはお金がウチの金庫にだけ積み上がらないのは何故なんだぜ?)。 ...続きを読む 経済学を学んだことがないので、著者の言うことを完全には理解できないが、所々に出てくる「お金は増えも減りもしない」という原則が、熱力学の第一法則や質量保存の法則と同じで妙に納得できた。 しかしながら、その処方箋については「そんなにうまく行くかな?」と言うのが正直な感想である。現物支給=期限付きのバウチャーは良いアイデアに思えるし、いくつかの提言は国全体としては効果があるのかもしれない。ただ著者が言うほど産業間の労働移動=「玉突きのようなこと」は起こりそうも無いから、結局はある特定の層に所得が集中してお金が金庫に積み上がるだけではなかろうか? やっぱり良く分からない。
成熟社会である現在の日本では,ケインズ等の従来の経済学が成立しないことを数々の事例で解説している好著だ.生産力は既に十分あるので、それを活用して生活の質を向上させる必要がある,という主張はうなずけるものがある.要はお金の使い方を考えることに尽きるのだろう.
従来の経済学は短期不況かつお金自体への所有欲は無いものとして述べており、お金自体に執着を持っている現在のような長期不況については述べられていないするもの。 いくらか乱暴な論理展開や数字のマジックもあったが、ずっと疑問に思っていたことについて述べらていたので、衝撃的であった。ただ、創造的な仕事に主軸を...続きを読む置くべきといっているが、万人が万人そんなことに従事することはできないであろう。学者的な解である。
「成熟社会」ということが、言われている。著者は1980年代から90年代を境に発展途上社会から成熟社会に「大きな変貌」(はじめに i)を遂げたとし、成熟社会を「いますぐ欲しいような物はほとんどすべてそろっています」と整理し、「(需要不足が原因)不況を長期的な現象として捉える必要がある」する。 各...続きを読む章で「発展途上社会から成熟社会」、「財政破綻の常識を覆す」、「金融政策の意義と限界」、「成熟社会の危機にどう対応するか」、「国際化する経済」の順で、解決を生産の効率・安価・輸出増ではなく、需要を変えることに求めている。 国際競争力を高め、国外市場を確保し、外国資産(外貨)を保有する努力は円高を結果し、自分で自分の首を絞めるとも述べる。 環境とエネルギー分野で新規の投資と雇用の確保が可能で(195p)、国民は金を貯めるまえに「国内の消費者に夢や楽しみを与え快適な生活をもたらす商品やサービスを開発して、内需を刺激するしかありません」(193p)とする。 若者の就職困難、中年の離職を「自己責任」とするのではないとする点は理解する。 日本人の貯蓄志向をかえ、内需拡大をすすめているが、高齢者の老後生活不安は小さくない、はず。 「現役時代に働いて退職したすべての人に、一定水準の老後生活を保障すること」は、重要な指摘。 しかし、そこに至る図式と展望を、もう少し踏み込んでほしい。 確かに≪高齢者のこれから≫は新規雇用可能な領域ではあるが、高齢者に対するサービスも、従事するサービス提供者への処遇も、いささか≪低レベルではないか≫と、思う点が多いからである。
考え方のレンジ、時間の幅を広くすると見方が大きく変わる良い事例だ。具体的な提案に全て賛成できるわけではないが大きく参考にしたい。
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成熟社会の経済学
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小野善康
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