エリン・メイヤーのレビュー一覧
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「○○人は△△だ」という考え方は主語が大きすぎるし、個人の特性を無視して偏見に繋がる良くない考え方だ。
と思っていましたが、この本での私の一番の気付きは「物の見方・考え方それ自体に、自分が属する文化圏のフィルターが反映されている」という点です。
サブタイトルに「自分の」と含まれているのも、異文化理解において大切なことだと筆者が考えているからでしょう。
自分も相手も色付きのサングラスをかけていることを自覚し、互いの文化と個性を尊重しながらコミュニケーションをとることで、良好な関係とアウトプットを生み出せる。
いつかグローバルなチームを率いる立場になったら、また必ず読み直そうと思える良本です。
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白百合女子大学英語英文学科 上野由佳先生お薦めの一冊です。
~上野先生より~
異文化理解というと、相手の文化を私たちがどれぐらい理解できるか、との点だけに意識を向けていませんか?でも実際にはそれと同じぐらい、あるいはそれ以上に、自分の意見を異なる文化の人に理解してもらうことも必要です。では、そのためにはどうすればいいのでしょう。まずは文化によるコミュニケーションスタイルの違いを把握することが第一歩となります。これをわかりやすく解説したのがこの『異文化理解力』です。文化の差を「カルチャー・マップ」を使って可視化し、文化の見取り図を解説しています。読み進めると、「なるほど!やっぱりそうか」「え、本当?」とさまざまな発見が得られます。一例を挙げると、「空気を読む」は日本固有の文化の様に思えます。でも、程度の差はありますが、「空気を読む」文化を有する国は他にもあることが同書を読むとわかります。(*原書では「空気を読む」は”listening to the air”となっています。)日本以外ではどんな国が空気を読む文化を有しているのか、あるいは、空気を読んでしまうと、全くコミュニケーションが取れない国はどこなのか、一目でわかる様になっています。
留学を希望する人、将来グローバルに働きたい人、そして日本を客観視したい人にとっても非常に面白い本です。ぜひ一読をお勧めします。 -
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これはすごい本です。主にビジネスにおける各国の文化の違いを8要素のパラメータを使って明確に示してくれています。海外に行くにあたって英語を勉強するのも大事ですが、この文化の違いを理解することは同じくらい重要だと思えます。それぞれの文化の特徴が生まれた歴史的背景にまで言及しているのがまた面白いです。説得のタイプの原理優先か応用優先か、の説明にイギリス経験論と大陸合理論の比較が出てくるところなんて最高です。
個人的にインド人と仕事をしているのですが、ハイコンテクスト、階層主義、柔軟な時間、関係ベースの信頼、などなど、実際に経験する身として心底納得できる説明でした。そういった外国人の文化の違いに対して、自分の文化と比較して批判したり不満をもってしまいがちです。本書の最も素晴らしい点は、そんな彼らの特徴を可視化して相対化してくれることで、優劣で語ることなく冷静に対処するマインドを持てるようになることです。
とは言っても、本書では慎重に優劣について言及しない配慮がなされていますが、その時々の状況によって文化の優劣が出てきても当然だと思えます。そこに一歩踏み込んでくれていたら良かったと思いつつ、それを語るとどうしても異文化の否定につながるので、難しいところですね。さらに、時代による文化の変化についてもあまり語られていません。ビジネスのローバル化によって、この国ごとの偏りが減り、より合理的な方向に収束していく未来もあり得るかも知れません。
改めて思うのが、外から見た時の日本人の厄介さです。ハイコンテクストであることを筆頭にあらゆる特徴が極端な方向に振れています。特に、関係ベースの信頼なのに、職場では打ち解けず、お酒の席の無礼講がないと関係を構築できないところ。私のようなあまり飲めない人には本当に厄介です。そんな日本人は、日本人だけで集められた時に最高のパフォーマンスを発揮するのではないかという仮説が頭に浮かびました。そうなると、移民政策や英語教育などが国力を低下させる、という可能性もあるなと。 -
Posted by ブクログ
仕事で海外社員の方と交流が増えたため、手に取った本。筆者が日本人でないため、少し読んでいて違和感があるが、非常に異文化についてまとまっている内容となっている。海外関連の仕事をする人にとってはマストな書籍かもしれない。国によって文化が異なるので、様々な国籍の方が集まる職場では、マネジメントに正解はない。他国の文化を理解して、モチベーションをupさせる必要がある。特に仕事に対してのフィードバックの方法には注意をする必要があると感じた。国によってフォローの方法がまるっきり異なる。
本文の抜粋で、この本を一言でまとめるなら、以下の文になるだろう。
”グローバル環境において「気が利く」と言う事はつまり、相手と自分の文化の違いを理解して、「皆が心地よく良いパフォーマンスを出せる環境を作り出す」ことなのだ。” -
Posted by ブクログ
これまで20年以上グローバル企業で仕事をしてきて、英語で接する人たちとはみんなざっくばらんに、フラットにコミュニケーションすればいい、フィードバックも率直にすればいい、くらいに考えていた。日本人相手のメールでも「いつもお世話になっております」は使わず、「山田さん、」から始まる英語のメールをそのまま日本語にしたような書き方をしてきた。でもこの本を読んで、相手のコミュニケーションスタイルに合わせた方が信頼を得やすい、という話を読んで少し反省した。
この本で一番面白かったのは、「全ては相対的である」という考え方。アメリカ人は率直、日本人は遠回し、みたいな単純な話ではなく、自分の文化と比べて相手の文化はどちら側に位置するのか、という見方をする。我々日本人から見ればどちらも率直に見えるアメリカ人とイギリス人ですら、お互いを見ると全然違う。この視点はとても面白かった。文化だけじゃなくて、人間そのものも結局は相対的なんだよな。自分が普通だと思っている位置も、相手から見れば全然違う場所にある。
もう一つ忘れちゃいけないと思ったのは、この本で言っていることは「ああ、アジア人はそれよくやるよね」みたいなステレオタイプやマイクロアグレッションとは別物だということ。文化を絶対的に分類してるんじゃなくて、あくまで相対的に見ている。そこを混同すると、著者の言いたいこととは全然違う話になってしまうんだろうなと思った。
カルチャーマップという考え方も秀逸だった。コミュニケーションはローコンテキストかハイコンテキストか、評価は直接的か間接的か、説得は原理優先か応用優先か、リードは平等主義か階層主義か、決断は合意志向かトップダウンか、信頼はタスクベースか関係ベースか、見解の相違は対立型か対立回避型か、スケジューリングは直線的な時間か柔軟な時間か。それぞれについて自分の文化と相手の文化がどこに位置するのかを考えることで、接し方が見えてくるというのはとても良かった。
中でもタスクベースと関係ベースの信頼を桃とココナッツで例える話は印象的だったし、直線的な時間と柔軟な時間という文化の違いも面白くて、参考文献まで買ってしまった。
こういう本ってステレオタイプで終わりがちなんだけど、この本はかなりの量のデータや文化的背景も示していて説得力がある。同じ英語で、同じ会社で働いていても、それぞれ文化が違うということを知っているだけで、今後のコミュニケーションは変わると思う。劇的に何かが解決するわけじゃない。でも知っているだけで見え方はかなり変わる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ印象に残った点
・誤解によって行き詰ったり苛立ちを感じたときは、自分を下の立場におき、自分自身を笑い、相手の文化をポジティブな言葉で表現することが効果的74
・異なるハイコンテクストな文化同志のコミュニケーションが一番難しい77
・多文化MTG「ひとりが口頭でキーポイントをまとめる(交代制)→各人が口頭で自分のやるべきことをまとめる→ひとりが文書にしてまとめを送る(交代制)」79
・英蘭翻訳ガイド93
★応用優先と原理優先の思考法は、各社会の法律システムにも表れている。英国・米国は先例を元に判決するコモン・ロー、応用優先。ヨーロッパ諸国はシビル・ロー(大陸法)で原理優先。128
・スマホの画面で一度に表示しきれないようなメールは、読まれない危険性がある(応用優先の場合)131
★★米国人に「なぜ」これがいいのか長所を詳細に説明すると、次第にあきられてきた。そんなことより、「実際にそのシステムを導入しうまくいっている事例」を紹介した方が聞き入れられた。132
★多文化が混在する場合は、「理論的原理」と「実例」を行ったり来たりすること。134
・「アメリカ人が撮った写真と日本人が撮った写真」141
・米国では各人の役割・目標・インセンティブを各人と個別に話す。日本人にはそれは有効でなく、「ほかの人がなにをしているのか、どう影響し合っているのか」を説明することが重要。(特定的vs包括的)144、部門全体の目標を共有し、各人に目標設定し話し合って合意する。177
・儒教的な階層性では、目下の服従義務のみならず、目上の人の目下の人の保護管理義務も理解する必要ある。166
・上司抜きでブレストしてもらう。176
・非公式な場でチームと接触すると意思決定プロセスが理解できる(合意志向)。
・日本人は日中はタスクベース、しかし夜に行われる関係構築がビジネスにおける成功に重要な意味も持つ。232 -
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ネタバレピュアソフトウェアの売却した資金と、失敗から生まれた。
プロセスより社員を重視する、効率よりイノベーション、制約のないカルチャー。
郵送DVD→ストリーミング→独自コンテンツの配信→社内スタジオ制作体制→グローバル企業へ。
規則を与えると自らの判断力を失う。コントロールを撤廃することで、フリーダム&レスポンシビリティ(F&R)のカルチャーが生まれる。
点と点を結びつける=ジョブス、ヴァージン創業者リチャードブランソンなど。
能力密度を高める=優秀な人材だけにすると更に優秀になる。1/3のレイオフで生まれた。才能豊かで協調性のある仲間と働く喜び。能力密度を高めることが最優先。
違う意見を言わないことは背信行為。
自由と責任、が標語。
ルールはつくらない。会社のものを持ち帰っても理由が立つならいけないこととはいえない。
自分と同じように会社のおカネを節約するのではなく、ネットフリックスの利益を最優先に行動する。
入口はコンテキストで縛る=支出を上司に説明できるなら許可はいらない。出口で目を光らせる=10%を監査する。与えられた自由を悪用するなら解雇。
インチキをするものがいた場合、ルールを追加するのは意味がない。多少のインチキがあっても全体的には利益になる。
悪用して解雇された例は、全員に知らされる。透明性を保つ。
自由は無責任ではない。最初にコンテキストが与えられ、抜き打ち検査があるから。
解雇されるのがもったいないほどの報酬がある。
市場価値の130%
現金主義 -
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ネタバレ本書は、Netflixのカルチャーを“奇抜な事例”としてではなく、高業績を生み出す組織設計の論理として提示している点に価値があります。特に、自由と裁量を「結果の伴う高い基準」とセットで運用している構造は、経営者にとって示唆が大きい部分です。
本書が強調する自由と責任・優秀さの密度・正直なフィードバック文化・ルールよりコンテクストといった要素は、単なるカルチャー論ではなく 高速意思決定と組織の適応性を高めるための経営戦略として整理されています。これにより、カルチャーが“情緒”ではなく“仕組み”であることを再認識できます。
一方で、Netflixが成功している背景には、優秀人材の高密度採用・高い報酬設計・解雇を躊躇しないカルチャーなど、一般企業では即模倣が難しい前提条件も多く、そのまま実装するにはリスクがある点は留意すべきです。
とはいえ、本書は「自由を機能させる組織の条件」を理解するうえで極めて有効であり、カルチャーを経営の武器として扱いたい経営者にとって参照価値が高いと思います。 -
Posted by ブクログ
国ごとに性格の傾向を分類するのには抵抗があったけど、まず個々人の性格がある前提を冒頭に書いてくれていて、抵抗なく読み進められた。
この本のおかげで、ある出来事を異文化という視点で考える新たな自分に出会えたので、以下備忘。
-備忘-(日本での出来事)
先日インド人(A)とミャンマー人(S)と遊びに行く機会があった。(僕は途中集合予定)
Sが10時待ち合わせと提案したため、Aは10時前に待ち合わせ場所に到着。
しかし直前にSから昼集合、場所変更連絡があり。
Aは時間を潰しつつ次の待ち合わせ場所に移動。
僕は予定があったため12時にAと合流。
その後Sは何度か時間変更を重ね、最終的に私たちは16時に合流を果たした。
Aは、冷静を保っていたものの、Sの時間のルーズさに憤慨していた。
Aは日本に適応して時間通りを意識しているという。
でもこのケースでは、AはSの文化を理解することが必要だった。かと言って僕がAの文化を意識して、少し時間にルーズでいたら、すれ違いが生じただろう(途中参加でよかった〜)
とにかくこの件を通して、頭での異文化理解だけでなく、言葉を使って認識を合わせることの重要性を感じた。