北村裕花のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ビビッドな黄色いカバーが書店で一際目立っていた本。『百万回生きたねこ』で有名な佐野洋子さんが著者だ。いつも、佐野洋子さんと小川洋子さんを混同してしまうのだが、小川洋子さんは『妊娠カレンダー』や『博士の愛した数式』を書かれた方です(←当たり前)。
買おうか買うまいか手にしてから悩むが、最初の『才能ってものね』を読んでクスリ。絵は北村裕花さんという絵本作家の方が描いているのだが、この絵も佐野さんのことばにピッタリあっている。買うのを決めました。
どの話しもクスッとしながらも、鋭い視点に感心させられる。世の中、ビジネスモデルとかコンプライアンスとかグローバル化とか、何かこっちの方向にいかねば! -
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Posted by ブクログ
佐野さんにはあまり大切に思っていなかった友達がいたそうだ。見栄っ張りで嘘つきで、派手好きで、かっこばかりつけるバカな奴と思っていた。
その友達が入院してお見舞いに行った時、その友達の大切さに初めて気がついたという。
◯この人は、私の馬鹿なところ、だめなところ、嫌なところ、くだらないところを引き受けてくれていたのだ。
この人がいなかったら、私の嫌なところ、くだらないところは行き場を失って、私の中に溢れかえって生きてはいけなかったのだ。
立派な尊敬に値する友人だけを持っていたら、私はなんと貧しい土に生きている生き物だっただろう。 二人で過ごしたおびただしい無駄な時の流れ、その無駄を吸い上げて、 -
Posted by ブクログ
ネタバレNHKの番組に、「ヨーコさんの言葉」というものが2014年辺りにあったらしい。その書籍版。
北村裕花さんの絵がたくさん描かれていて、それに佐野洋子さんのエッジの効いた言葉が添えられている。
やはりこの方はただものではない。なんでもないような言葉が、心の奥深くまで染み込んで揺さぶってくる。少ない言葉でとめどなく襲ってくる。
佐野洋子さん、大好きだなぁと改めて思う。
特に好きだったところを少し…
◯愛は身近にいるものを
いつくしむところから生れて、
それは実に
不公平なえこひいきで、
美意識すら変えるものなのだ。
〈個人主義のベルリンの老人たちを見て〉
◯いかに長い歴史と -
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Posted by ブクログ
初めて佐野洋子さんを知った1冊
絵本を読んでもらった記憶がないので
「100万回生きたねこ」も知らんし
絵本の殿堂?とも言われる「ぐりとぐら」すら
大人になってから知った私…
活字びっしりの本が苦手な私なので
雰囲気のあるイラストとエッセイ風の文字で書かれたこの本はすごく読みやすく、あっという間に読めたけど、短い言葉のなかには胸がきゅっとなるものや
ぷぷぷっと笑えるものもあり素晴らしかった!
淡谷のり子さんになる!というお話は何度読んでも悲しく泣けてきて、私の世代ではものまね王座の時に厳しい採点するおばあちゃんとしか認識なかったから、あらためて淡谷のり子さんを知りたいと思った
今更なが -
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Posted by ブクログ
ネタバレ本文中で「夫婦」について書かれた件、タイトルにもなっている、その8「わけがわからん」が、心に染みた。
友人夫妻を「社交上の礼儀にある程度武装されている」という表現した文言も、
「自分の夫婦の関係を他者に理解させようとするとこれも実に困難である。」
「夫婦は中からは容易に壊れるが、外からつっついて壊そうとしても決して壊れない。
それは、愛ではなく情だからである。
愛は年月と共に消えるが、
情は、年月と共にしぶとくなる。」
「実にわけがわからん。
夫婦はわけがわからんのが
いいのである。」
すごく、わかりやすく、
すごく、ステキな文章でした。
そして、終盤にかかれた、
イングリッシュグ