岩下博美のレビュー一覧
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大いなる目的の為に、利他的な行為が根底にある自己犠牲をする……「乗り越えた」者の末路。
世間には到底認められない自己の理想の追求の先にあるものとは。
「私が酒を飲むのはね……もっと苦しみたいからなんですよ。私は酒の中に哀れみや悲しみを求めているんです……!」
「非凡人とは新しい思想を社会に持ち込むため…結果旧社会の伝統や倫理…そして法を破壊します-しかも彼らは自分の良心に従ってそれをやったのです」
ここでいう良心、とは世界全体に向けたものかな。小数の犠牲は今後救われる多くの命に比べれば安いものだというような。
罪を背負って生きるのではなく、恥を背負って生きることの苦しみだな。恥は罪を犯す -
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(今はまだ読んでいる段階ですが)
面白すぎる
(読み終えました)
びっくりしました。こんなに面白い本があろうとは。
漫画という手法の無限の可能性にも触れることができた気がします。
RGPのようにのめり込む要素があって、すぐに読み切ることが出来ました。心の中の苦悩や葛藤が、一気に外に漏れだすような感覚。これもデトックスのひとつですね。
この本を読んで、本作に挑戦する意欲が湧いて来ました。この本を常に横に携えてね。漫画→本作→漫画→…のように延々と繰り返せるんじゃないかって。そう思えるほど、素敵な作品に出会いました。
私にとっては、映画で言うクリストファーノーランの作品のようにずっと -
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究極の恋愛小説を漫画化しました。
世界中の女性を虜にしてきた19世紀イギリス文学の金字塔です。
激しい風の吹く「嵐が丘」は、荒野の屋敷です。
その主人に拾われた孤児ヒースクリフは、
屋敷の娘キャサリンといつしか魅かれあうようになります。
しかし、キャサリンと名家の子息との結婚話を知ったヒースクリフは、
絶望に打ちひしがれて消息を絶ってしまいます。
I cannot live without my life,I cannot die without my soul.
「嵐が丘」の舞台となった「トップ・ウィセンズ」は、
イングランド北部のハワースにあります。
それは、果てしな -
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プラグマティズムというワードを最近になって初めて知ったので、とりあえず漫画からという事で購入してみた。
今回のホシの評価についてまず断っておきたい。
本書に対するホシ4つというのは、あくまでも漫画として、物語としての評価であって、プラグマティズムの入門書としての評価ではない。
というのも、純粋に漫画として読んでも十分に楽しめる内容だと思ったので、プラグマティズムどうこうということは抜きにして評価したいと思ったからだ。
プラグマティズムについては、また別の本を読んだ方がよさそうな気もするが、そもそもプラグマティズムという概念をよく知らない人間の感想なので、アテにしない方がいいと思う。ぜひ、ほ -
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憎しみの行き着く果て
古典名作。
実はこの本、『ジェーン・エア』とともに活字のものは挫折している。
いつかは読みたいと思っていたが、とりあえずマンガで慣らし.....
マンガだからかもしれないが、ヒースクリフが憎悪の塊になっているのが、なぜなのかわかりにくい。
愛する者と引き裂かれた、その兄から虐げられていたから.....
そう、理由はそれなのだけれど、そこまで恨みがましく、次代にたいしても復讐することなのか?
人の憎しみの度合いという物はそれぞれだし、それだけキャサリン(アーンショー)を愛していた、とも捉えることはできる。
ただ、その根底には「孤児だから」という著者の偏見が含まれているので