山本史郎のレビュー一覧
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翻訳本が苦手である。あの独特な文体が。
それもあって『赤毛のアン』『秘密の花園』など敬遠していたけれど、これを読むと、なかなかどうしておもしろそうじゃないか。比較文学とかも興味あるしなぁ。とりあえず、ディケンズを読もうと思う。
翻訳者と言うのもいいなと思った時代もあったけれど、いかに原書を理解していなければならないのかが想像できてからは恐ろしくてとてもそんなこと言えなくなった。日本語の文章だって碌に読解できないのに、何のコノケーションも常識も持ち合わせてない外国文学を理解できますか?とてもとてもそんな自信はない。ダールなんか訳せたら楽しいだろうけど、今のところ一読者として楽しみます(とか -
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武士道という士農工商の士だけが持つ思想をあたかも日本人全体が持っているように書いている。さすがに、日本人共通の観念とすると無理がある。1899年刊行とすると黄禍論の頃か。野蛮な黄色人種ではなく知性ある文明人としての日本人を紹介したかったからこのような文章になったのだろうか。賛美に恥ずかしくていたたまれない気分になる。四民平等になり、1877年の西南戦争で武士は農民に敗れた。それも集団行動も駆け足も行進もできなかった農民兵にだ。農民が日本の大多数なら農民が持つ思想こそ、日本の思想として紹介すればいいのに。でも当時の外国人受けを狙った本としてはこれでよかったのかもしれない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ異化翻訳と同化翻訳の違いや、「意味は言語に先行する」ということもあるというのを学びました。
ただ、そんなに面白い内容とは思えず、「当然そうですよね」というふうな確認作業をするような本でした。
翻訳「論」というよりは、文化的な知識や英語の知識は必要だとしても、もうほぼ感性の世界に近いような気がしました。
・面白かった点
英米の小説では三人称(「神の視点」)で書かれることが多い。それ故に、翻訳の際は認証の変化がなされることが多い(「同化翻訳」)。p73,ルース・レンデルの例が秀逸で、英米の小説らしく「神の視点」で書かれた翻訳には全く良さを感じず中学生が訳したのかと思えるほどだが、日本小説らしく一 -
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嵐が丘やカラマーゾフの兄弟、白鯨など、言わずと知れた名作を要約してくれている本。
名作といえどもこの類は、国も違えば時代背景も違う。ボリュームも何百ページに渡る訳です。期待だけで読み進めるにはちょっとハードルが高い。でも教養のためにもストーリーくらいは知っておきたい……
そんな私にピッタリの本でした。ストーリーは8ページ程にまとめられ、時代背景や著者の生き様についても解説してくれています。長いものを短くまとめる作業はセンスが求められますが、本書の著者で翻訳家の本田氏の要約はとても読みやすかったです。
次に読みたい本を決めあぐねている人にオススメ。しかし、本書を情報誌的にでなく読書として楽しむ