さかもと未明のレビュー一覧
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よくぞここまで赤裸々に語ってくれたものだ。壮絶の一言に尽きるドキュメントである。
発達障害という病気の全体像を知れるような本ではないが、その実状がどのようなものかをまざまざと見せつける、非常に意義深い一冊だった。表現が悪いが、テストケースとして見ることが出来るだろう。
その凄惨な人生にはただただ胸を痛めた。関わったすべての人を良く言う作者の心境には、本当に胸が痛む。そこにある自罰が透けて見えるのだ。
自身、見に覚えがあるというか、身につまされるところが少なくなくて、勉強になるところが少なくなかった。
そうした個人的な感想を除いても、良い一冊だった。新書らしい薄さはなく、濃密である。 -
Posted by ブクログ
あのコメンテーターのさかもと未明か~くらいのレベルで読み始めた本だったが、我々アラフォー独女は必見だと思う。
彼女ほど仕事に成功したわけではないけど、稼ぐことが成功と思って来た私も今、燃え尽き症候群。
女は男並みに稼ぐことが幸せではないと今更ながら教えてもらった感じ。
未明さん同様、私も女の旬を見誤った一人。
もっと早くこの本に出会いたかった。
でも一段落したからこそ、この本の言ってることが理解できるのかも。
今、出会えたからよかったのかな?
・若い時は年配の人とばかり遊び、同年代の男子が誘うディズニーランドなんて子供っぽくてチープに見えたけど、今は逆に行きたい。
・おんな業を極めると -
ネタバレ 購入済み
発達障害者としてのさかもと未明
カードで買い物しまくっても、ぜんぜん全く羨ましくは感じない。
あぁ、この人はたまたまお金があったから借金ダルマにならなかっただけで、目先だけの贅沢な暮らしからは何も生まれないのだと感じるから。
それに私自身、軽度のADHDっぽくって、小島慶子さんにすごく親近感がある人間なんだけれども、小島さんやさかもとさんみたいに自力でお金を稼いで暮らしている発達障害の方を羨ましいなんて一片も思わない。ただただ、凄いなって思うだけ。発達の苦しみの中で自活の道を開けた人たちを尊敬する。
この本に対しては
発達障害者の実体験を描いたものとしては、少々古めで、知識的な面では今現在の認識などからは少し -
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第1章 まさか自分が
第2章 そう、あなたは発達障害です
第3章 壊れていく家族
第4章 お母さんも発達障害だったかもしれない
第5章 抑うつ状態との闘い
第6章 発達障害は治せる
第7章 思春期の危機
第8章 薬物療法の新たな可能性
第9章 私の居場所はどこにある
第10章 発達障害でも幸福になれる社会
終章 ほんとうの家族を探して
おわりに
長年自分を取り巻く人間関係や心身の問題に悩んできたさかもと未明さんは、40歳近くなって初めて自分が発達障害を抱えていたことを知る。さかもとさんは、ADHDとアスペルガー障害を併せ持っていた。
本書では発達障害当事者であるさかもとさんのエピソードが奇 -
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漫画家、ライターとして著名なさかもと氏が、雑誌の企画で精神科医と対談受けたこをきっかけに診断を受け、自身が発達障害、アスペルガーに該当することを知る。星野医師とのやりとりを通じ、それまでの生きづらさの原因を知った著者は大きな救いを得る。
対談相手の星野医師は「発達障害は脳の機能障害である」との観点から薬物療法を有効とする立場をとっておられます。本書での語りによると、65年生まれのさかもと氏の場合は母親に精神科への抵抗があり、満足なカウンセリングも受けさせてもらえなかったそうですが、現代においては早期の治療でかなり改善が見込まれるのだとか。
さかもと氏の回想と星野医師の見立てが交互に語ら -
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この人の家族はダメすぎて、仕事はまじめだけど酒乱の父、発達障害の母、弟も妹も、どこかおもしろくて笑ってしまう。
両親との関係がうまくいかずケンカばかりしてるんだけど、やっぱり本人も父親みたいに酒乱になったり、母親みたいに発達障害になっていて、遺伝というか、みんな同類なカンジがする。
それでも、未明という人は、一生懸命がんばって、漫画家になったり、論客になったり、歌手になったり、いろんなことにチャレンジして、おもしろい。
でも、やっぱりムリがきて、酒乱になったり、ウツになったり、膠原病になったりして、しんどそう。
父も母も、まじめだし、子供のために精神科医にもつれていってるのに、発達障害 -
Posted by ブクログ
レディコミ作家で、派手な格好をして、テレビでコメンテーターをしていたキツめの感じの女性、さかもと未明さんを覚えている。正直、以前はあまり好きではなかった。本書は、そんな彼女が実は発達障害を抱え、アルコール依存症の父親、そしておそらくはアスペルガーで欝気味の母親という両親、いわゆる「機能不全家族」で育ち、大変に生き難い人生を歩んできたその回想と、現在の主治医である星野仁彦氏による所見という構成になっている。
歯に衣着せぬキツイ言葉はテレビでは面白がられても、本人の実生活では自他共に傷つける刃にしかならなかっただろう。それら生きていくのに不利な特性が彼女の障害によるものだと、理解していた人は本人