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大人になって発達障害と宣告された本人と、宣告した専門医。もっと早く医者に診せていたら……。本人による幼少期から今日までの独白、それを聞いて病名を下した医師の見立てを紙上で再現した本書は、数ある類書とは一線を画す。幼少期からのさまざまなエピソード、診断の経緯、なぜここまで発達障害は見過ごされてきたのか、そして今後の処方箋。当事者2人が、発達障害の真実を語った。人の話を聞かない、急に感情的になる、約束を守らない――「変わった子」といじめられて育ち、その原因に気づかないまま職場や家庭の「困った人」に。さかもと氏もそうだった。「甘え」だと家族に否認されてきた彼女は、最近、発達障害の専門医である星野氏と出会い、ADHDを合併したアスペルガーと診断された。悩み抜いた者にとって、それは驚きであり福音だった。発達障害は「治せる」。心の病をタブー視する社会の空気を変え、苦しむ人たちの救いとならんことを。
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大人になって発達障害と宣告された著者と、宣告した専門医の共著。著者はマンガ家のさかもと未明。発達障害とは生まれつきの特性で、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれる。100人に数人の割合で生じるとも言われており、少なくない数字です。発達障害に限らず何らかの障害を持っている人が、その人にあった暮らし方や働き方をできる社会、その人が持っている性質や能力を活かせる社会が理想なのかもしれません。人とのコミュニケーション、個人と社会との関わりなどについてのヒントになります。
Posted by ブクログ
よくぞここまで赤裸々に語ってくれたものだ。壮絶の一言に尽きるドキュメントである。
発達障害という病気の全体像を知れるような本ではないが、その実状がどのようなものかをまざまざと見せつける、非常に意義深い一冊だった。表現が悪いが、テストケースとして見ることが出来るだろう。
その凄惨な人生にはただただ胸を痛めた。関わったすべての人を良く言う作者の心境には、本当に胸が痛む。そこにある自罰が透けて見えるのだ。
自身、見に覚えがあるというか、身につまされるところが少なくなくて、勉強になるところが少なくなかった。
そうした個人的な感想を除いても、良い一冊だった。新書らしい薄さはなく、濃密である。こうした論評はそぐわないだろうが、文句なしに星五つである。
Posted by ブクログ
第1章 まさか自分が
第2章 そう、あなたは発達障害です
第3章 壊れていく家族
第4章 お母さんも発達障害だったかもしれない
第5章 抑うつ状態との闘い
第6章 発達障害は治せる
第7章 思春期の危機
第8章 薬物療法の新たな可能性
第9章 私の居場所はどこにある
第10章 発達障害でも幸福になれる社会
終章 ほんとうの家族を探して
おわりに
長年自分を取り巻く人間関係や心身の問題に悩んできたさかもと未明さんは、40歳近くなって初めて自分が発達障害を抱えていたことを知る。さかもとさんは、ADHDとアスペルガー障害を併せ持っていた。
本書では発達障害当事者であるさかもとさんのエピソードが奇数章に、医者の星野仁彦先生による解説が偶数章に、交互に章立てされている。まず事例を読み、そして次の章の解説で理解を深められるようになっている。ちなみに、星野先生自身もADHDという発達障害を持って生まれ、機能不全家庭で育った「当事者」である。
暴言や精神症状に関する生々しい表現が多いため、精神的に不安定な人が読むのはかなりしんどいかもしれない。良くも悪くも、様々な感情を掻き立てられる。
親子で発達障害を抱えてしまうと、普通の生活を送ることがいかに困難になるかがよくわかる。子供が発達障害で社会生活がうまくいかずに困っていても、親も発達障害を抱えているからその気持ちが理解できない。
それでも子供は「親はきっとわかってくれるだろう」と信じて疑わない。その一方で親は、子供の問題行動の原因がよくわからず、つい怒鳴ったりしてしまう。そんなすれ違いを幾度も繰り返して、やがて家族は崩壊していく。
さかもとさんの母親は「普通から外れてはならない」という恥じらいから、専門家にうまく助けを求めることができなかった。だから自分や子供が発達障害であることに気付かない。夫が酒を飲んで暴れているけれど、仕事はちゃんとしているから、依存症でないと考えてしまう。
きちんと精神科を受診し、専門的な治療を受ければ良くなっていたはずだ。にもかかわらず、「『精神科』に通うことを恥と思う感覚が、家族のさまざまな問題を取り返しのつかない状態にまで悪化させてしまった」(p272-273)のだ。
終章にて、さかもとさんは以下のように述べている。
「たまたま発達障害のデパートとも呼べる人生と家族だったから、それをみんなに伝えて、社会がよくなるための本をかけたらいい。お父さんとお母さんは嫌がるだろうけど、そういうことをだれかがしないと、同じような問題で悩む家族は減っていかない。」(p273-274)
本書によって、1つでも多くの家族が救われることを祈る。
Posted by ブクログ
漫画家、ライターとして著名なさかもと氏が、雑誌の企画で精神科医と対談受けたこをきっかけに診断を受け、自身が発達障害、アスペルガーに該当することを知る。星野医師とのやりとりを通じ、それまでの生きづらさの原因を知った著者は大きな救いを得る。
対談相手の星野医師は「発達障害は脳の機能障害である」との観点から薬物療法を有効とする立場をとっておられます。本書での語りによると、65年生まれのさかもと氏の場合は母親に精神科への抵抗があり、満足なカウンセリングも受けさせてもらえなかったそうですが、現代においては早期の治療でかなり改善が見込まれるのだとか。
さかもと氏の回想と星野医師の見立てが交互に語られるスタイル。機能不全家庭育ったさかもと氏、変わった子として周囲に敬遠された子ども時代の内面の動きが実に興味深いところです。星野医師が「脳の報酬系が弱かった」と見るところ。
◯そもそも、どうして「ゲーム」のような遊びをしなくてはならないのかがわからない。何か報酬があるわけでもないのに、なぜみんなが夢中になれるのか。みんなにとっては「遊び」自体が「楽しい」ことなのだと、私には理解できなかったのだ。私には「遊び」は時間の無為な浪費に思えた。母親の言葉で理解できたのは「体をつくるため」「みんなと仲良くするルールを学ぶため」というものだけ。
でも、私はスポーツ選手になりたいわけではないし、体がとくに丈夫である必要性を感じなかった。母親が言う「丈夫ならできるいろんなこと」、つまり旅行だとか、運動だとか、そういったことに興味がなかったし、友達をたくさんつくることが必要だとも思わなかった。
Posted by ブクログ
この人の家族はダメすぎて、仕事はまじめだけど酒乱の父、発達障害の母、弟も妹も、どこかおもしろくて笑ってしまう。
両親との関係がうまくいかずケンカばかりしてるんだけど、やっぱり本人も父親みたいに酒乱になったり、母親みたいに発達障害になっていて、遺伝というか、みんな同類なカンジがする。
それでも、未明という人は、一生懸命がんばって、漫画家になったり、論客になったり、歌手になったり、いろんなことにチャレンジして、おもしろい。
でも、やっぱりムリがきて、酒乱になったり、ウツになったり、膠原病になったりして、しんどそう。
父も母も、まじめだし、子供のために精神科医にもつれていってるのに、発達障害であることが発見されなかったというのは驚く。
星野は治療薬コンサータ(成分名メチルフェニデート)を大プッシュしてる。
コンサータは中枢神経系を活性化する。
副作用としては、不眠、食欲不振。チック症状、神経過敏、頭痛、ごくれまに痙攣。
双極性障害を誘発する可能性がある、とのこと。これは恐い。
精神科医は「アメリカでは」とか「欧米の臨床医の間では」とかが多いね。
「DSM-Ⅴによれば」とか。
この本読むまで、さかもと未明って知らなかったけど、こういう人がいて、病気なんだけどがんばってる姿をみると、励まされるよ。
気分が上向いてきた。
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