【感想・ネタバレ】まさか発達障害だったなんて 「困った人」と呼ばれつづけてのレビュー

大人になって発達障害と宣告された著者と、宣告した専門医の共著。著者はマンガ家のさかもと未明。発達障害とは生まれつきの特性で、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれる。100人に数人の割合で生じるとも言われており、少なくない数字です。発達障害に限らず何らかの障害を持っている人が、その人にあった暮らし方や働き方をできる社会、その人が持っている性質や能力を活かせる社会が理想なのかもしれません。人とのコミュニケーション、個人と社会との関わりなどについてのヒントになります。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年07月09日

さかもと未明さんの生まれてから現在までの記録と、星野仁彦先生の発達障害の解説を交互に読める本。
さかもと未明さんがこんなに苦しんでいたなんて。それでもがんばる心はこの障害の特性なんだろうか。
発達障害、機能不全家族ともに当事者である星野先生の理解あるあたたかいかかわりに癒された。

・気持ちが素直で...続きを読む裏表がなく、腹黒い下心などを持たないため、褒められると「疲れを知らない子供のように」頑張れるのも特性の一つ
・大人の発達障害にある人は、いつまでも親子関係の分離ができないのが特徴

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Posted by ブクログ 2018年02月23日

さかもと未明氏についてはたまにテレビで観る程度でしか知らず、なんとなくチャラいイメージでしかなかったのでこのような著書を出している事が意外でした。

診断を受けられないまま、発達障害かそうでないかというグラデーションの疑念の中で生きている人は世の中に多くいると思うのですが、
そういった人達にとっての...続きを読む自分自身への具体的な対処法も書かれており、大いに救いになる良書だと思いました。

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Posted by ブクログ 2017年06月14日

悲しき深い自伝と星野Drによる毒親にも通じる解説。困った時何が何でも血縁探そうとしてしまうが、それはそれで家族内に軋轢を押し込む時がある実感が少し説明できそうな気がする。その方を「困った人」としてしか見れていない方には読んでほしい一冊。

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Posted by ブクログ 2014年11月20日

 よくぞここまで赤裸々に語ってくれたものだ。壮絶の一言に尽きるドキュメントである。
 発達障害という病気の全体像を知れるような本ではないが、その実状がどのようなものかをまざまざと見せつける、非常に意義深い一冊だった。表現が悪いが、テストケースとして見ることが出来るだろう。
 その凄惨な人生にはただた...続きを読むだ胸を痛めた。関わったすべての人を良く言う作者の心境には、本当に胸が痛む。そこにある自罰が透けて見えるのだ。

 自身、見に覚えがあるというか、身につまされるところが少なくなくて、勉強になるところが少なくなかった。
 そうした個人的な感想を除いても、良い一冊だった。新書らしい薄さはなく、濃密である。こうした論評はそぐわないだろうが、文句なしに星五つである。

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Posted by ブクログ 2019年05月28日

漫画家でありタレントでもあるさかもと未明の半生をつづった一冊。

機能不全家族に育ち、それ故子供の頃から疎外感を感じつつ、本人も発達障害の影響で様々な軋轢を感じて社会人になるもうまくいかず、成功しても様々な症候群に悩まされ……というまさに一筋縄ではいかない人生で、発達障害の恐ろしさを感じた。

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Posted by ブクログ 2019年04月21日

第1章 まさか自分が
第2章 そう、あなたは発達障害です
第3章 壊れていく家族
第4章 お母さんも発達障害だったかもしれない
第5章 抑うつ状態との闘い
第6章 発達障害は治せる
第7章 思春期の危機
第8章 薬物療法の新たな可能性
第9章 私の居場所はどこにある
第10章 発達障害でも幸福になれ...続きを読むる社会
終章 ほんとうの家族を探して
おわりに

長年自分を取り巻く人間関係や心身の問題に悩んできたさかもと未明さんは、40歳近くなって初めて自分が発達障害を抱えていたことを知る。さかもとさんは、ADHDとアスペルガー障害を併せ持っていた。

本書では発達障害当事者であるさかもとさんのエピソードが奇数章に、医者の星野仁彦先生による解説が偶数章に、交互に章立てされている。まず事例を読み、そして次の章の解説で理解を深められるようになっている。ちなみに、星野先生自身もADHDという発達障害を持って生まれ、機能不全家庭で育った「当事者」である。

暴言や精神症状に関する生々しい表現が多いため、精神的に不安定な人が読むのはかなりしんどいかもしれない。良くも悪くも、様々な感情を掻き立てられる。

親子で発達障害を抱えてしまうと、普通の生活を送ることがいかに困難になるかがよくわかる。子供が発達障害で社会生活がうまくいかずに困っていても、親も発達障害を抱えているからその気持ちが理解できない。
それでも子供は「親はきっとわかってくれるだろう」と信じて疑わない。その一方で親は、子供の問題行動の原因がよくわからず、つい怒鳴ったりしてしまう。そんなすれ違いを幾度も繰り返して、やがて家族は崩壊していく。

さかもとさんの母親は「普通から外れてはならない」という恥じらいから、専門家にうまく助けを求めることができなかった。だから自分や子供が発達障害であることに気付かない。夫が酒を飲んで暴れているけれど、仕事はちゃんとしているから、依存症でないと考えてしまう。
きちんと精神科を受診し、専門的な治療を受ければ良くなっていたはずだ。にもかかわらず、「『精神科』に通うことを恥と思う感覚が、家族のさまざまな問題を取り返しのつかない状態にまで悪化させてしまった」(p272-273)のだ。

終章にて、さかもとさんは以下のように述べている。
「たまたま発達障害のデパートとも呼べる人生と家族だったから、それをみんなに伝えて、社会がよくなるための本をかけたらいい。お父さんとお母さんは嫌がるだろうけど、そういうことをだれかがしないと、同じような問題で悩む家族は減っていかない。」(p273-274)
本書によって、1つでも多くの家族が救われることを祈る。

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Posted by ブクログ 2017年10月07日

さかもと未明さんのエピソードとそれに関して星野仁彦先生の医学的な見解が交互に出てきて興味深く読みました。
発達障害の本7冊目で、この時期にちょうど良かったです。
最後の『取り戻せない時間、後戻りできない記憶』が未明さんが1番伝えたかった部分なんだとよく分かりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年09月06日

回想が辛かったなあ…。でも筆者が今救われているみたいなので良かった。病気に合った医師に出会えるというのは幸せである。

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Posted by ブクログ 2015年06月08日

一気読み。
誰も悪くないのに、
想像を苦しさ、寂しさから
逃れられなかった彼女。
壊れて当然だよね。
これからうんと
幸せになれるといいね。

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Posted by ブクログ 2015年02月27日

思春期の家族の理解の無さに胸が塞ぐ。親に認められたいとの執着。壮絶な家庭環境だったのに。そして劇的な人生と虚無。

だけど、発達障害がわかり、今の作者の心持ち…本当に良かった。変われるんだ。冷静に過去を振り返るまでに。今を感謝出来るまでに。これからに夢を繋ぐまでに。

病気を理解した所から始まったの...続きを読むかな。

程度は色々なのだろうけど、発達障害が、ユニークな子として皆に認知されれば、遺伝を認める親も増えそう。

でも、これは作者の視点からだけのヒストリーなので、親や兄弟から見た作者はどうなのか、聞いてみたい。

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Posted by ブクログ 2015年02月08日

漫画家、ライターとして著名なさかもと氏が、雑誌の企画で精神科医と対談受けたこをきっかけに診断を受け、自身が発達障害、アスペルガーに該当することを知る。星野医師とのやりとりを通じ、それまでの生きづらさの原因を知った著者は大きな救いを得る。

対談相手の星野医師は「発達障害は脳の機能障害である」との観...続きを読む点から薬物療法を有効とする立場をとっておられます。本書での語りによると、65年生まれのさかもと氏の場合は母親に精神科への抵抗があり、満足なカウンセリングも受けさせてもらえなかったそうですが、現代においては早期の治療でかなり改善が見込まれるのだとか。

さかもと氏の回想と星野医師の見立てが交互に語られるスタイル。機能不全家庭育ったさかもと氏、変わった子として周囲に敬遠された子ども時代の内面の動きが実に興味深いところです。星野医師が「脳の報酬系が弱かった」と見るところ。

◯そもそも、どうして「ゲーム」のような遊びをしなくてはならないのかがわからない。何か報酬があるわけでもないのに、なぜみんなが夢中になれるのか。みんなにとっては「遊び」自体が「楽しい」ことなのだと、私には理解できなかったのだ。私には「遊び」は時間の無為な浪費に思えた。母親の言葉で理解できたのは「体をつくるため」「みんなと仲良くするルールを学ぶため」というものだけ。

でも、私はスポーツ選手になりたいわけではないし、体がとくに丈夫である必要性を感じなかった。母親が言う「丈夫ならできるいろんなこと」、つまり旅行だとか、運動だとか、そういったことに興味がなかったし、友達をたくさんつくることが必要だとも思わなかった。

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Posted by ブクログ 2015年01月14日

この人の家族はダメすぎて、仕事はまじめだけど酒乱の父、発達障害の母、弟も妹も、どこかおもしろくて笑ってしまう。

両親との関係がうまくいかずケンカばかりしてるんだけど、やっぱり本人も父親みたいに酒乱になったり、母親みたいに発達障害になっていて、遺伝というか、みんな同類なカンジがする。

それでも、未...続きを読む明という人は、一生懸命がんばって、漫画家になったり、論客になったり、歌手になったり、いろんなことにチャレンジして、おもしろい。

でも、やっぱりムリがきて、酒乱になったり、ウツになったり、膠原病になったりして、しんどそう。

父も母も、まじめだし、子供のために精神科医にもつれていってるのに、発達障害であることが発見されなかったというのは驚く。

星野は治療薬コンサータ(成分名メチルフェニデート)を大プッシュしてる。
コンサータは中枢神経系を活性化する。
副作用としては、不眠、食欲不振。チック症状、神経過敏、頭痛、ごくれまに痙攣。
双極性障害を誘発する可能性がある、とのこと。これは恐い。

精神科医は「アメリカでは」とか「欧米の臨床医の間では」とかが多いね。
「DSM-Ⅴによれば」とか。

この本読むまで、さかもと未明って知らなかったけど、こういう人がいて、病気なんだけどがんばってる姿をみると、励まされるよ。
気分が上向いてきた。

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Posted by ブクログ 2015年01月06日

レディコミ作家で、派手な格好をして、テレビでコメンテーターをしていたキツめの感じの女性、さかもと未明さんを覚えている。正直、以前はあまり好きではなかった。本書は、そんな彼女が実は発達障害を抱え、アルコール依存症の父親、そしておそらくはアスペルガーで欝気味の母親という両親、いわゆる「機能不全家族」で育...続きを読むち、大変に生き難い人生を歩んできたその回想と、現在の主治医である星野仁彦氏による所見という構成になっている。

歯に衣着せぬキツイ言葉はテレビでは面白がられても、本人の実生活では自他共に傷つける刃にしかならなかっただろう。それら生きていくのに不利な特性が彼女の障害によるものだと、理解していた人は本人も含めてほとんどいない(しかも最も無理解だったのが実の両親だ)。適切な治療と環境、社会に適応するための訓練、それをすれば彼女はもっと早く自分の人生を生きる事ができたのに、と、胸が痛くなる。本当に、本当に、大変だったと思う。

さかもと未明さんの生育環境は自分とも重なるところがあり、テレビで見るよりは身近な人に感じた。彼女は自分と同じような生き難さを抱えている人の為に、自分の家族のような負のスパイラルを少しでも減らしたいとの思いでこの本を書いたという。その気持ちを私もつないでいけたらと思う。

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Posted by ブクログ 2014年10月06日

薬で治療するのは、依存症と表裏一体なので、納得できないところもあったが、私の抱える生き難さが、発達障害によるものではないかと思った。
さかもとさんの体験談がことごとくあてはまり、辛かった。

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Posted by ブクログ 2022年03月09日

著名人の発達障害として生きる人生を読む事が出来た。自分を認めて家族と和解することで人生が切り開けるのだと痛感した。
私は離職の多さで発達障害を疑っていたが著者の症状と照らし合わせてみてもさかもとさんのような特別な集中力や行動力、記憶力などの特徴は特にみられなかった。やはり神経症なのかなあ。

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