ダニエル・シルヴァのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレガブリエル・アローンシリーズ最新作。今回はサウジアラビとヨーロッパが舞台。サウジの皇太子の娘が誘拐され、犯人の要求を受け入れたにも関わらず斬殺される。皇太子とガブリエルの目の前で。少女は中東での対立からのテロでもなく、宗教的な理由でもなく、単なる醜い欲望の犠牲者となった。金に関する欲望は人間をここまで狡猾に残酷にさせるのかと改めて思う。きっかけにトルコで暗殺されたジャーナリストの実話がある。宗教や主義主張の違いでも人は簡単に人が殺せる。ここに金に関する欲望が加われば尚更なのだろう。今現在、世界中のあちこちこでこのような事件が繰り返されるかと思うと虚しい読後感が残る。
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Posted by ブクログ
ネタバレ<ガブリエル・アロン>シリーズの四作目。やはりこういったストリーの本は日本人にはかけないなぁと改めて思う。
伝説の二重スパイ(モグラ)キム・フィルビーには、愛人の生ませた実の娘がいて、キムを愛人から奪い、自らの果しえなかった野望のために、スパイとして育て、英国情報部MI6に雇わせ、娘は父の遺志を継ぎ、組織のNo2にまで上り詰める。父を慕う娘は慕い、自分を捨てた母親を憎み、生涯会う事はない。一方で、母を捨てた娘を思い、異国で待ち続けるが娘が会いにくることはない。自らの野望のために、娘を洗脳した父。これも一種の愛なのだろうか。読後に残る登場人物達が「勝者もなく、敗者もいない」感じるむなしさが、愛で -
購入済み
設定はなかなかに面白い
諜報員であり美術修復師という設定はなかなかに面白いと感じた。ストーリーとは別に美術修復というもののトリビアが興味深い。登場人物たちの持って回ったようなユーモアをたたえた話しぶりがいかにも翻訳物っぽくてそれなりに面白い。