澁谷知美のレビュー一覧

  • 日本の包茎 ――男の体の200年史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    着実な仕事ぶり。

    但し読む前の期待が大きすぎたかもしれない。戦前戦後のテキストが丹念に分析されているが、総括として「『土着』の恥ずかしさ」とまとめられてしまうのが物足りなかった。徴兵時のM検が及ぼした影響をはじめもっと突っ込んでほしいと感じる論点もあった。

    また高須の「創造」について序盤で早々に否定しながら、後段で彼(ら)の煽りに対する批判が縷々展開されていく。高須にとっては踏んだり蹴ったりだろうが、いち読者としては一度は凡庸な推論として否定された様に思ったところに結局戻ってくるようで、肩透かしを食った気分になった。

    …などと文句から先に書いてしまったが、女性の声を恣意的に引用し、矢面に

    0
    2021年10月21日
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史

    Posted by ブクログ

    原始的な、なんとなくな土着の恥ずかしさ
    戦時中の男性間における包茎を通した支配的構造
    敗戦による男性の精神的な劣等感
    美容整形の始まり
    性器への拡大
    医師と出版社によるマーケティング
    男性による女性視点での言説の流布によるマッチポンプ
    男性間の関係性の再構築

    著者の怒りと優しさを感じました。

    0
    2021年05月03日
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    序章   なぜ仮性包茎の歴史なのか
    第1章  恥と包茎~1940年代半ばまで
    第2章  包茎手術の商品化~戦後の混乱期から1960年代まで
    第3章  青年と包茎~1970年代から90年代まで
    第4章  中高年と包茎~1980年代から現代まで
    終章   包茎手術のたそがれ

    <内容>
    女性社会学者の研究書。戦前は新聞や雑誌の広告、戦後は若者向け雑誌の広告やタイアップ記事などを丁寧に読み込んで、「包茎手術」を悪とし、やらなくてもよい「仮性包茎」の手術で儲けた美容整形医のことや、その中で恐怖にあおられた(モテない・バカにされる・病気になる)背景などをしっかりと分析している。
    女性の豊胸手術

    0
    2021年03月17日
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史

    Posted by ブクログ

    日本人男性における包茎コンプレックスの歴史的経緯について論じた本。戦前から広く浸透していた包茎コンプレックスが、80年代以降の美容整形医によるコンプレックス商法とそれに加担したメディアによってより強固なものとされていった。という流れに新規性は感じられないが、皆がだいたいそういうもんだろうと思っていたことを、きちんと逐一資料にあたり検証し明らかにした功績は大きい。
    個人的には明治から戦前にかけての近代化から軍国主義へと向かう中での包茎に対する認識の変遷についてもう少し深堀りして欲しかったところだが、多分、それは木本至が「オナニーと日本人」の中で論じていたことに繋がるような、また別の話になりそうで

    0
    2021年02月24日
  • 日本の童貞

    Posted by ブクログ

    雑誌を中心としたメディアが童貞について、様々な言説を生みだしてきたことが分かった。
    別に僕にとって、そのような言説はかなりどうでもいいものだった。

    0
    2019年08月03日
  • 日本の包茎 ――男の体の200年史

    Posted by ブクログ

    包茎治療の歴史は200年前の江戸時代後期から現代(2025)に至るまでの歴史がある。だが、当初は包茎治療は極一部であり、ここ1950年代以降の近代化が進み、美容医療、メディア等のマーケティングで男性に「包茎は恥」という印象と概念を植え付けさせ、本来は「治療不要な包茎」を、美容医療の包茎ビジネスとして成功させている。
    さて、現代(2025)において劣等感や包茎を恥または悪だと抱く男性は20代以上の全て世代に当てはまる。包茎は日本人男性のほとんどであり本来は恥でも病気でも治療も必要もない。身体を洗うのと同じで性器も清潔にすればいいだけの話なのだ。男性間で見られるのも性器の形や大きさも合わせて比較さ

    0
    2025年09月13日
  • 日本の童貞

    Posted by ブクログ

    「童貞」という言葉にコンプレックスを抱く男性は多い。本著では、童貞というレッテルは社会構造に問題があると指摘している。性教育をする上でも、「童貞とは一体なんなのか」という疑問に思った男女問わず当事者も含めて性規範の一つの角度で理解が深まる良書である。
    さて、男性が童貞を意識するのは、早くて小学校高学年から始まり、中学校、高校、大学または社会に出ても「童貞」ということだけでイジられて、レッテルを貼られる。私個人はそれは悪だと認識している。童貞を卒業したいという男性の言葉を聞く度に私は「大人になりたい」という成長の手段として用いているように感じている。だが、実際には童貞を卒業しても放蕩、放埒、享楽

    0
    2025年09月07日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

    Posted by ブクログ

    面白い研究。
    「自分は相手のことを完全には分かっていない」と意識し続けることで、弱い存在を意のままに扱わない、相手を支配できるけど支配しない。相手とのパワーの非対称性を支配.従属の関係に転嫁させないようなあり方、ケアリング・マスキュリニティの獲得。

    「相手にとって1番良い事は何か、私が最もよく分かっている」と言う自覚は相手への支配に他ならない。なぜなら「相手の全てをわかっている」と言うのは、相手の人格を掌握すると言うことであり、相手の何もかもを手中に収めることだから。自分が考える「相手にとっての最善」を疑わず、相手の生活を好きにコントロールしてしまう。そういうことを強い側は弱い側にしばしばや

    0
    2023年05月18日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

    Posted by ブクログ

    ・同じ著者の本をよく読んでいるせいか、また聞いた、みたいな事例や話が良く出てきてしまっている。
    ・ただ、それでも良いとも思っている。自分は物覚えが良くないと思っているので、体に覚え込ませるつもりで読もうと思っている。
    ・身に覚えのある話や考えが多くあり、うわ〜…と声が出てしまう事もしばしばだ。
    ・同時に新しい世界の成り立ちのとば口に居る様でちょっとワクワクしている感じもある。(楽観的?不謹慎?)

    0
    2023年04月30日
  • どうして男はそうなんだろうか会議 ──いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと

    Posted by ブクログ

    男社会の日本をめぐるやるせなさや理不尽を語る会議。
    テーマは性や恋愛や社会など多岐に渡る。

    議論の中には賛同できることや反対したい事が様々あったが、基本的には自分たちの主張を正当化しすぎていて、せっかくの対談なのに賛同しかなかったので、これではお互いが歩み寄れる議論にはならないのではと思った。

    特にマイノリティの男性や男性意識を保護する方向でのみ議論していたのは危険だと思う。
    もっと当人がしんどくならないけど、世渡りができる考え方を供与すべきでないかなど。

    問題的としては面白かったが、評価は2から3のあいだくらい。

    0
    2022年10月10日
  • 日本の童貞

    Posted by ブクログ

    <目次>
    はじめに  童貞とは誰か?
    第1章   「新妻にささげる贈り物」としての童貞
    第2章   童貞のススメ~男の性の問題化と医療化
    第3章   貞操の男女平等の暗面~「花柳病男子拒婚同盟」への反応
    第4章   女の童貞、男の童貞~「童貞」という言葉の変遷
    第5章   「恥ずかしいもの」としての童貞~戦後の雑誌言説
    第6章   シロウト童貞というカテゴリー~「恋愛自由市場」の一側面
    第7章   「やらはた」の誕生~童貞喪失年齢の規範化
    第8章   マザコン・包茎・インポ~童貞の病理化
    第9章   「童貞は見てわかる」~童貞の可視化
    第10章   童貞の復権?

    <内容>
    男性のセクシャリテ

    0
    2022年04月20日
  • 日本の童貞

    Posted by ブクログ

    「日本における"童貞"と見做される人たちの特徴」についてではなく、「日本社会が"童貞"をどのように捉えてきたか」についての一冊。

    0
    2022年02月19日
  • 日本の童貞

    Posted by ブクログ

    童貞言説を丹念にまとめた一冊。最後が「童貞と首を絞めるのは男性自身」という「男子ってバカよね」的なオチを迎えたのは少し残念だったが、読んだ甲斐はあった。

    0
    2018年04月07日