【感想・ネタバレ】日本の童貞のレビュー

あらすじ

かつて「童貞」が、男子の美徳とされた時代があった!?気鋭の社会学者が、近代における童貞へのイメージ遍歴をラディカルに読みとき、現代ニッポンの性を浮かびあがらせる。

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Posted by ブクログ

雑誌を中心としたメディアが童貞について、様々な言説を生みだしてきたことが分かった。
別に僕にとって、そのような言説はかなりどうでもいいものだった。

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2019年08月03日

Posted by ブクログ

「童貞」という言葉にコンプレックスを抱く男性は多い。本著では、童貞というレッテルは社会構造に問題があると指摘している。性教育をする上でも、「童貞とは一体なんなのか」という疑問に思った男女問わず当事者も含めて性規範の一つの角度で理解が深まる良書である。
さて、男性が童貞を意識するのは、早くて小学校高学年から始まり、中学校、高校、大学または社会に出ても「童貞」ということだけでイジられて、レッテルを貼られる。私個人はそれは悪だと認識している。童貞を卒業したいという男性の言葉を聞く度に私は「大人になりたい」という成長の手段として用いているように感じている。だが、実際には童貞を卒業しても放蕩、放埒、享楽に耽り、その過程で子どもが生まれても大人になることはない。もし精神的に大人になったと言えるのであれば、それはきっと女性側の人格由来する影響だろう。
社会に出ても童貞か否かは値踏みをされる。かと言って、風俗で童貞を卒業してもそれはそれで「初めては風俗だった」と半ばトラウマになっている人も多い。童貞か否かで人は計れない。歴史を見ても生涯童貞であっても偉業を成した人物も多い。男性は童貞であるということは、自分の恋愛を育み、知らない自分と出会い、様々な体験を通して男女共に成長した先に童貞から開放されることだろう。だが、童貞を卒業してもしなくても人生には影響はない。答えは人によるだ。性で虐める人は意外に多い。無意識でやっているのだ。それは本著でいう戦後から続く童貞に対する価値観が現代(2025)においても続いている。童貞か否かでその人の人間性を全て知ることは不可能だ。悪影響が出るなら方便を使うのも良いだろう。男女共に性のレッテルいじりは長期間続き抉られるものがある。
童貞についての向き合い方も大切だし、避妊や女性への生理についての理解も深めるのをおすすめする。男女共に性の理解を深め理解し共に歩むことができる存在と出会うことができるのであれば、それは互いにとっての良い異性であり、善き理解者であるといえよう。

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

<目次>
はじめに  童貞とは誰か?
第1章   「新妻にささげる贈り物」としての童貞
第2章   童貞のススメ~男の性の問題化と医療化
第3章   貞操の男女平等の暗面~「花柳病男子拒婚同盟」への反応
第4章   女の童貞、男の童貞~「童貞」という言葉の変遷
第5章   「恥ずかしいもの」としての童貞~戦後の雑誌言説
第6章   シロウト童貞というカテゴリー~「恋愛自由市場」の一側面
第7章   「やらはた」の誕生~童貞喪失年齢の規範化
第8章   マザコン・包茎・インポ~童貞の病理化
第9章   「童貞は見てわかる」~童貞の可視化
第10章   童貞の復権?

<内容>
男性のセクシャリティ社会史を専門とする女性。もともとは2003年に文春新書になったものの文庫化。さらに種本は氏の博士論文。丹念な史料の読み取りにより、「童貞」の観念や見立ての変遷を追っている。女性の「処女」とは少し違うのだ。そしてその評価も20世紀の中でも変わってきていることがわかる。労作だ。

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2022年04月20日

Posted by ブクログ

「日本における"童貞"と見做される人たちの特徴」についてではなく、「日本社会が"童貞"をどのように捉えてきたか」についての一冊。

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2022年02月19日

Posted by ブクログ

童貞言説を丹念にまとめた一冊。最後が「童貞と首を絞めるのは男性自身」という「男子ってバカよね」的なオチを迎えたのは少し残念だったが、読んだ甲斐はあった。

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2018年04月07日

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