ロバート・L・スティーヴンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジキル博士は内なる善と悪に
それぞれの肉体を与え
自分は善の肉体で生きようとし
悲劇始まっていく。
はじめのほうで
弟アベルを殺害したカインについて
触れられていることから
アダムとイヴの時代
イヴが善悪の木から実を食べてしまってから
罪が入り込んでしまったことが思い起こされる。
それならばジキル博士が
どんな薬を作ったとしても
神のように善のみでは人は生きられない
それができるのは神のみなのかもしれないと。
人の心には善と悪両極だけには分けられない
いくつもの心が共存している。
それを自分自身だと受け止めることから
本当の人生は始まるのではないかと
強く感じました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ1886年に書かれたのかと関心してしまうほど、新しい構成のように思える。
今では登場人物が、最後に回想することは珍しくはないが、当時は新しかったのかもしれない。
翻訳が読みやすいのか、とてもさらさら読めて、今までの海外小説の中でもダントツで好みだった。
ヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドが同一人物であると言うことを知ってはいたが、同じ人間の中に渦巻く二重性、葛藤や苦悩が語られていたり、使用人たちが恐怖する場面も面白かった。
もし結末を知らなかったら、より面白いミステリー?小説かもしれない。
200年も前にこのような作品が書かれたことを本当に素晴らしく思う。
英語版でも読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ハイドは、他者への攻撃や暴力を厭わず、己の欲望の赴くままに生きる悪人として描かれている。
読み始めた当初は「こんな最低な人間もいるんだな」くらいの認識で読み進めていたが、物語が進むにつれて、「自分自身の中にいるハイド」に気付かされた。
普段の生活では、なるべく品行方正な人間として真っ当に生きようとしているが、時折、人には言えないような腹黒い考えや感情が湧き上がってくることがある。そして、そのような考えを抱いた自分自身に驚くこともあった。
そんな自分を嫌いになりそうなこともあるが、どんな人間の心の中にも、「ハイド」がいるのだと思うと、幾分か自分に対する負の感情が和らぐ気がした。
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Posted by ブクログ
ある素朴な田舎の海辺の町に、「ベンボウ提督亭」と言う1軒のさびれた船宿があった。
この宿屋は本編の語り手であるジム=ホーキンズ少年と、その両親が一家で経営している。
物語は、頬に刀傷のある日焼けした老船乗りが、大きな私物箱を抱えてこのベンボウ提督亭にやって来る所から始まる。
「船長と呼べ!」みすぼらしい身なりにぞんざいな口の利き方、普段は無口だが酒が入ると周りの客に絡み出し、自分が部屋に戻るまでは誰1人席を立つ事を許さないと言う横暴ぶり。
長い間この宿屋に逗留し続け、最初に貰った宿代もとっくに無くなっていたのだが、父はすっかり怯えてしまって追加を貰えずにいた。
心労で体が日に日に弱って行く父の代わりに、宿屋の仕事は母とジムの2人がするように。
そんな強気な船長だが、実は「一本脚の船乗り」と言う男を常に警戒しており、ジムに小遣いを払ってでも見張りを頼む程の怯えぶりだった。
ある日「黒犬」と言う男が船長を訪ねて来た事から、事態は一変する…何と彼らに居場所を知られてしまった船長は、ショック死してしまうのだ!
ジムと母は満足に宿代を取り立てられず先日亡くなってしまった父の代わりに、例の私物箱から代金を頂戴しようと中を調べた時、偶然見つけたのが宝島の地図だったのだ!
ジムは父の主治医で信頼を置いていたリヴジー先生に相談し、地元の郷士であるトレローニ氏と共に船員を集め、母に見送られながら一路宝島を目指して旅立つのであった!
現地で命の危険が待ち受けているとも知らず、ジム達は地図を頼りに無人島へと向かう。
果たしてジムは、宝を見つけて無事に母の許へ帰りつく事は出来るのか!
さて、突然あらすじの内容から始まりましたが。
あのですね…もう、とにかく…この物語は前置きが長い!(笑)全然、地図出て来ないし!全然、宝島出て来ないし!全然、海に出ないし!
暫くは、ベンボウ提督亭で巻き起こる船長とジム達家族の対立、黒犬達との手に汗握る死闘、船長の突然死、そして地図を見つけてから旅に出るまでの経緯等々…が、事細かに記されております。
ですが!海に出るまでのそのストーリーも存分に楽しめる展開となっており、読者を飽きさせません!
実は黒犬達もその地図の存在を知っていたようで、ベンボウ提督亭はその地図を巡ってとんでもない争いの場と化してしまいます!
船長の私物箱は何処の誰が狙っているかも分からず、ジム母子がまさに開けようとする瞬間も何処かの階で物音がする等、ハラハラドキドキの展開が読者を待ち受けております!
本編の見所は、当然宝島に着いてから…と言う事にはなるのですが、もう其処に至るまでが盛り沢山過ぎて、ようやく町を出発する頃には既にお腹いっぱいと言う(笑)。
勿論、宝島でも二転も三転もする展開が待ち受けており、ジムがどんな冒険を繰り広げるのかを皆様も共にお楽しみ頂ければと思います。
途中ジムは行方不明になり、何と語り手がリヴジー先生に変わってしまうと言う事態も!
さあ、ジムの運命や如何に!!!!! -
Posted by ブクログ
ネタバレこの作品が世に出たときは、きっと内容の怪奇さと、人の心理の二面性をこんなに鮮明に書き出した、生々しい善と悪の心の葛藤の物語を、共感と驚きをもって多くの読者は絶賛し読まれたに違いない。
※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。
二重人格というだけでおおよそのことは想像できるし、今では二重人格どころか多重人格、解離性同一性障害等という一層複雑な病名まで知られてきている。
そんな物語なので、つい最近までストーリーも分かったような気分で改めて読もうとは思わなかった。
それが「2020新潮文庫100」でリストを見ているうちに、現代の多くは不遇な子供時代の心の傷や不幸な環境がつくりだしたという話が多い解離性の心の病気とは違って、これは意図してふたつの人格を作りだした話だ。
主人公が何時、どうやって、親友や雇人にも見分けられないほど異なった外貌を持つようになったのか。
深入りしなければ気にならないようなことだが、これは原作を読んでみないと、面白みは分からないのではないかと思った。
まず
ハイドを作り出したジキル博士とは
二重人格を作り出した方法
ジキルとハイドの風貌の相違
お互いに対する認識
ジキル博士がハイドという人格になったことに周りはどう反応したか
そんな子供じみた興味でじっくり読んでみた。
結論。
スティーブンソンさんの作り出したおどろおどろしい雰囲気の文章も素晴らしい。医学的には多分創作だと判りすぎる部分は大雑把に適度に緻密で読み過ごせる。
殺人を犯して平然としているハイドを、恐れと後悔から、元に戻そうとする、分離できない体にする薬づくりに没頭するジキルの懊悩。
恵まれた環境のジキルには優れた友人もいた。その友人たちは、反面隠し続けた二つの姿が明らかにされるかも知れない知性を備えた危険な友人たちだった。
中でもジキルに遺言を託されたアタスン弁護士、その遺言書がまたナニコレで興味深く面白い。
最後のジキルの告白の手紙で全貌を知るラニヨン博士。
ここでジキルの手紙を読んだラニヨン博士の手記は圧巻、博士は死ぬほどの恐怖に捕らえられる。
ついに分離が薬の作用でなく、絶え間なく起き始める。
その時周りも、薄々ジキルの人格が分離しているのではないかと気が付き始める。
ジキルは子供の頃から密かに隠していた野蛮な本能が形になったことで、快楽だけではなく、次第に制御しきれないハイドの悪が力をつけて心を蝕んでいく。
自分で招いたこととはいえ、親友に向けた告白文は哀れだ。
堂々とした風采のジキル博士が薬を飲めば小柄で目をそむけたくなるような悪の雰囲気を纏った男になる。
ハイドは肌の青白い、小人のような男だった。はっきりとした病名のあるものではないにしろ、なんらかの奇形を思わせる。不愉快な笑み、臆病さと厚かましさがないまぜになった異様な振る舞い、どこか壊れたようなしゃがれた囁き声。それらすべてがハイドを不快に見せている。
ジキル博士といえば
長身で、均整の取れた体つきをした、人当たりのいい五十代の男。それがジキル博士で、少しばかりの狡猾さはうかがえるものの、肝要と優しさがそれをはるかに凌いでいる。
その体格の違いが生活するには様々な不自由がある、そのところなど読む面白さが十分で、読んでよかった、面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ善良な慈善家ジキルは幼少期から悪への渇望も抱えていた。その悪をハイドとして薬で別人格にすることが出来たが、ジキル側が善になる訳ではなく悪と善を兼ね備えていた。最初は薬を飲んでハイドになる、つまり元はジキルだったが繰り返すうちに逆に、元がハイドで薬を飲んでジキルになるようになってしまった。人の悪と善の両犠牲、善が悪に対して良心の呵責を感じ、悪が善を煩わしく思う。
それを分かりやすくジキルとハイドに分離したのがこの本。善良な老人を殺さずハイドのまま生きていけたら良かったのかなとも思ったが、多分純粋悪なハイドはあの老人を殺さなくともどこかのタイミングで刑法違反を起こしてたから関係ないな。
最後のジキルの独白がとてもよかった