ロバート・L・スティーヴンソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初はジキルとハイドを別人物だと思って読み進めていましたが、アタスンやラニヨンら(ジキルの旧友)のやりとりを通して少しずつ同一人物であるということが明らかになっていく、ミステリー小説として楽しめました。この作品が書かれた1800年代、産業革命以後のイギリス社会での人々の生活やキリスト教への信仰、社会的地位への関心が垣間見れたところも古典ならではで読んでよかったと思います。生まれ持った体は精神を作り上げた力の霊気や輝きにすぎないという表現からは肉体ではなく精神こそが自己の本質であると考えるジキル(作者スティーブンソン)の考え方が読み取れました。また、人々に賞賛され、幸福に生きられる「善」の自分でいたいという気持ちと、そうでなく人々に忌み嫌われ軽蔑されるがそれに罪悪感さえ抱くことのない「悪」の自分でいたいという欲望が一人の人間のなかで対立し、その苦痛と不安の狭間に居続けなければならないということも描かれていましたが、私にも共感できるなぁと思いました。最終章の「ヘンリー・ジキルが語る事件の全容」で物語の答え合わせがされて、点と点が繋がりスッキリします。
薬を飲めば他方の自分に変身できるというところはさながらプリキュアのようなファンタジー要素もあって面白かったです。