松波晴人のレビュー一覧
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大阪ガス行動観察研究所所長である松波氏の著書です。
「行動観察」とは、現場で人の行動を観察し、そこから科学に基づいた解決策を提案し、実現するものだそうです。
近年、ビジネスの世界にも導入され成果をだしているそうです。
この本のタイトルは、「行動観察」入門ということになっていますが、行動観察の説明は序盤のみで、後は著者が取り組んだ実際の事例の紹介が主となっています。
まだまだ歴史の浅い分野なので、体系的に整理できておらず、現在進行形な部分も多いため事例の紹介が多くなるもの仕方がないと思います。
その分、テーマが幅広く、読み物として面白くなっています。
また、理論的ではないですが、観察内容 -
Posted by ブクログ
サイエンスでは信頼性と妥当性の両立が求められるがビジネスでは妥当性とスピードが求められる。十分なnによる仮説の検証ではなく,現象や実態を十分に観察し妥当な仮説を生成し,それを現場のソリューションに結びつける。
心理学の知見はどれも完全ではないが,自説に関連付いている知見を積極的に援用するところが興味深い。心理学って役に立つと思わせる。研究者は知見で説明できないことは知見の妥当性を下げると認識しがちだが,実践者は知見で説明できることがあればその知見は妥当だと認識する傾向があるのかもしれない。同じ現象でもどう捉えるか,どう見せるか,どう意味づけるかをこの本でも繰り返し述べられる。 -
Posted by ブクログ
論理的な内容の記載もあるのだが、メインとしては実戦の中での奮闘記、事例集、エッセイというニュアンスが多め。
その中でも、なぜ観察が必要か?良質な仮説を得るため。
売れる営業と売れない営業の違いは何か?言語化できる基本行動と応用が必要な個別最適化、その前提となる営業としての心構え、顧客思考が必要という抽象化のプロセスが参考になった。
仮説を裏付けるために多くのサンプルを検証するという一方で、仮説を導く出すために少ないサンプルをじっくりと観察するという考え方は面白かった。また、仮説を導く出すために判断を保留するという態度は、普段の生活においても必要な姿勢だなと感じた。 -
Posted by ブクログ
行動を観るだけでなく、観た結果、察するところまでもっていくことで、
モノゴトのあるべき姿や性質を見極めて、課題を抽出する。
入門書ということで、あくまで紹介ベースの内容しか記載されていない。
これを読んだからといってできるようになったり、
行動観察のためのフレームワークが身についたりするわけではない。
まずは知ることが第一歩ということで。
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○ 「家事は達成感がないですね、私の中では」
「褒められようなんて思ってないです。主婦になったら家事は宿命ですよね」
家事に達成感がないという言葉には重みがあった。
家事は毎日続く仕事である。しかも終わり -
Posted by ブクログ
行動観察の入門書。
最強の者でも、最も知的なものではなく、最適な者が生き残るというダーヴィンの思考と
100点をミスなくこなすニュートンの思考。
今の時代は100点満点を目出すのではなく、最適を目指し生き残っていく。正解は無いのだからリスクを恐れずにチャレンジしていこう
といった、行動観察のきっかけ作りになる本でした。
「サービスの基本は人間を知ること」
結局、データで素晴らしい成果を証明していたとしても、
体験としてイマイチな実態なのだったら、品質は良いとは言えない。
人の特性を知れば知るほど、無意識の行動・感情的な判断で動いていることがわかる。
だから「場の情報」を大切にする -
Posted by ブクログ
ネタバレ・モノではなく経験を求めている
・成長企業は業績不振を内因を探る(コントロール可能な範囲で何が起きているのか、改善できない模索する)
・自分の行動は自分の口で説明できない(5%しか言葉にできない)
・アンケートでは「社会正義バイアス」がかかっているので信用できない。
・行動観察に重要なのは「ファクト事実」「インサイト洞察」「リフレーム枠組みの再構築」「ナレッジ幅広い知見」
・場の情報、という考え方
情報は現場に行かないとわからない。
ナレッジのため方
人間工学エスノグラフィー(フィールドワーク)、環境心理学、社会心理学、進化心理学