KPMG FASのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【ROIC経営】
1.購読動機
企業価値向上の神髄に迫る決定版。
このタイトルに惹かれての購読。
2.結論
株価=企業価値(1株当たりの価額*発行株式総数)は需給で決まる。
需要がある企業の株価は高くなり、低ければ売られ、企業価値は低くなる。
プライム市場の株式売買は外国機関投資家が5割以上である。
言い方を変えれば、彼らの投資スタンスを知る・学ぶことが必要であるということ。
3.外国機関投資家が日本企業に対する評価
【量的課題】
・機関投資家への説明機会、対話が少ないということ。
決算発表資料、発表会中心。他なし。
【質的課題】
・ROA中心。ROIC経営への意識が希薄。
・経営に適正な現預金額、自己資本額とその説明根拠。
・フリーキャッシュフロー増加に向けた施策と説明。
4.新興企業・IT上場企業の状況と課題
製造業と相違して、投資資金を要しない事業であること。
結果、預金ならびに自己資本が増加しやすいこと。
機関投資家からの還元請求に対して、どのような説明、対話をしていくか?
5.書籍からの学び
ROICとは何か?ROAとの違いが何か?から採用企業オムロンの実践方法まで学習できること。
財務系、経営戦略系部門では学びが多い一冊となる。
【基本】
自社の株主資本コストを計算すること。
投資家に対して株主資本コストを説明できること。
投資家が期待する利回りを知ること。
そのGAPを埋める意見交換をすること。
<算出式>
リスクフリーレイト+B値+エクイティリスクプレミアム
=国債利回り+ボラティリティ(変動制)+期待利回り
①ROICとは?
税引後利益÷投下資本(有利子負債+資本)
投下した資本に対する利益率。
②外国機関投資家がROAよりも「ROIC」を重要視する背景
ROAの分母は資産全体。
ROICの分母は資本コスト(有利子負債+資本)。
ゆえに資本効率を換算、判断しやすいから。
③オムロンのROIC経営
会計、経営戦略系部門ではない製造現場でもROICに理解を示して運営に当たっていること。
【逆ツリーROIC経営】
現場型ROICから経営へつなぐ。
分子;お客様への提供価値↑
――――――――――――――――
分母;必要な経営資源↑+滞留している経営資源↓
【PL】
1)売上総利益率
一人当たり生産台数
注力業界売上高
新製品売上高
2)売上原価
変動比率
売上高販売人件費比率
売上高R&D比率
【BS】
運転資金回転率
固定資産回転率
④外国機関投資家からの日本企業に対する評価
自己資本、手元現金に対して、「余裕がある」と考えている。
フリーキャッシュフロー=営業CF-投資CFの最大化が足りないと考えている。
ROAとROICが乖離している場合。資産に無駄があり、効率化できる機会があるということ。
⑤外国機関投資家が求めていること。
1)戦略レベルでの対話
2)自己資本についての適正水準
3)BSにおける現預金。適正水準。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・ROE/ROA/ROICといった資本生産性の計算方法の説明も含まれているが、
機関投資家が企業価値をどのように捉えていて、企業は自社の企業価値向上の
取り組みに関する説明力をどのように高めていけば良いかをテーマに
あずさ監査法人が説明している。
・資本生産性のロジック説明に関する本は、これまでも発売されていたが、
機関投資家の考える企業価値や資本生産性が論点になる背景などを
解説した本は、今まで読んだことがなかったので、
その意味で非常に参考になる書籍だった。
・理論の本では、本社側の目線だけで説明されているケースが多いと思うが、
この本は事業部門の目線とのギャップについて記載している点も
企業内部の経理部門(経企)の事情を意識して発刊されていると
思われ参考になった。
・事業部門経理の経験から言えば、ROICは営業利益÷投下資本で計算するが
連結事業部単位の調達サイドの投下資本の計算はなんとかできるが、
運用サイドの投下資本の計算は、社内システムの理由もあり、
連結ベースでは作成できなかった。
また事業部単位でROICを作成するのがやっとで、製品群単位では
工数の費用対効果を考えるととても手をつけることができる状態ではなかった。
本文にも記載があるが、ROICは経理だけで取り組むことができるものではなく、
会社全体で考えるテーマであるため、役職の方にも読んでほしい本だと思う。
・この本を読んで機関投資家の目線を理解するために資本コストや
株式市場の勉強をしなければと思った。 -
Posted by ブクログ
ー 社会課題のメガトレンドを把握するためには、マクロ環境を分析する際のフレームワークであるPEST分析 (Politics: 政治、Economics: 経済、Society:社会、Technology:技術)が有効である。
なお, PEST分析は各項目間の因果関係や時間軸が明確に考慮されないままに分析されるケースが多いため、PEST分析のフレームワークを改良したSTEP分析の活用が有効である。これは、社会課題を起点としてメガトレンドがどう変遷するかを把握するために、PESTをSTEPの順番に置き換えたものである。
社会課題(Society)が発生すると、この社会課題を解決しようとする技術トレンド (Technology)が登場する。次にその技術トレンドが成り立つか否かの経済性トレンド(Economics)、つまり費用対効果の傾向が見えてくる。そして社会的に意義が高いと認められる技術であれば、振興政策(Politics)トレンドが現れる。爆発的に経済性が認められて行き過ぎれば、規制(Politics)という形で制限をかけるトレンドが生じてくる。 ー
すごく分かりやすく詳しく整理されている。
実践的で非常に参考になった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ株主・債権者の期待リターン以上の収益を達成して初めて企業価値向上に寄与すること、この点が丁寧に説明為されている。株主・債権者の期待リターンに対する当社のPerformanceを定点観測するKPIとしてROIC並びにROIC Spread(Roic-Wacc)が有効であること、但しROICだけをKPI観測に使用してしまうと縮小均衡する可能性あるため他のKPI指標との併用が望ましいことや中期経営計画等の中長期スパンで観測する必要があることが説明されている。
自社の状況を振り返ると、ROICが営業部のKPIに組み込まれたものの、未だ部門の上層部含めて、PL Managementの考え方が支配的である。しかも単年度毎の測定が為されてしまう為、企業価値が毀損され得るDecisionが正当化されてしまうことがある。例えば、事業年度の後半にPATに余裕が見受けられた際、来期のPL向上を狙い、リース資産の買取権行使並びに同資産の売却用資産への振替による評価損が、事業通期におけるFCFの検証無くして営業部内で正当化される。企業価値向上に反するDecisionは確りNoと言うべきだし、会社全体(特に営業部)へ企業価値を踏まえたKPIの重要性を浸透させることも財務系のコーポレート部門に課された重大な責務であると認識させられる。
機関投資家との対話が会社のベータを下げ資本コスト低下による企業価値向上に起因するとの考え方は新鮮。機関投資家との対話を通じて株主資本コストを適正に保つことで、買収リスクの低減や企業価値相応の増資を図ることが出来る。IR機能の重要性を認識させられる。
案件Support時には、PL・CFの規模感だけに囚われず、ROIC等の効率性指標を意識し企業価値に資するProjectなのかとの意識を持つこと。デジタル化が進んでおり一部からは衰退が懸念されるCFO部門の期待役割は、株主・債権者との対話が重要になっている状況踏まえるとむしろ拡大しているものと推察。 -
Posted by ブクログ
勤務先の米国本社もNYSE上場という事で、ご多分にもれず流行りのROICで資本効率化に取り組んでいるわけですが、怪しげな知識を再確認する意味で読破。企業価値や株主価値を向上させるのに何故PLやFCFなどのフロー管理だけではいけないのか、BSマネジメントや資本効率化の肝である資本コストとの関係、全社的にROIC経営を進めるにあたって事業部門とコーポレート部門との連携と役割分担、リキャップCBによる調達での自社株買いの問題点などよいお勉強になりました。ROAやROEとの関係、また調達サイドのROICと運用サイドのROICとのギャップ、そしてそれぞれをバランスよく管理しないといけない点、短期的なパフォーマンスでROICを意識過ぎると縮小均衡に陥る懸念がある点、企業のライフサイクルによってROICの重要性が変わってくる点なども示唆深かったです。これを契機にもう少し身近の資本効率に目を向けたいと思います。
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Posted by ブクログ
ROICそのものは知っていたが、経営にどう活用するかを理解していなかったので読む
資本コスト(≒期待収益率)を意識しない経営により、株価が低迷してる。それを打開するには、ROICを意識した効率的な経営をする必要があり、短期的には非定常資産の低減や在庫削減、中長期的には事業ポートフォリオ・個別投資の最適化などのアクションを定着させることが重要である。
投資家と対話しながら効率的な経営を進めていく話だが、個人の身近な仕事でも同じことかと思う。上司と適切なホウレンソウをしながら、無駄な仕事を減らして価値の高い仕事をできる人は評価(≒株価)があがる。頭が痛い話だが意識してみる -
Posted by ブクログ
KPMGとあずさによる前著『ROIC経営』に続く実践書。前著ではROICの意義や役割、ファイナンス的な算出方法といったそのものの解説であったが、今回は経営戦略・経営管理への利活用について。企業価値向上にむけた事業ポートフォリオ管理への適用方法について様々なオプション、プロコン、事例を持って解説。監査法人が著しているゆえにお硬さはあるが、経営のサイエンス部分として非常に腑に落ちるロジカルなROIC本となっている。特にESGといった非財務情報の計数的扱い方についてはさすが監査法人といった内容になっていて勉強になる。ROICについて学びたい方は『ROIC経営』の2冊を読むとほぼ網羅できそうである。