・ROE/ROA/ROICといった資本生産性の計算方法の説明も含まれているが、
機関投資家が企業価値をどのように捉えていて、企業は自社の企業価値向上の
取り組みに関する説明力をどのように高めていけば良いかをテーマに
あずさ監査法人が説明している。
・資本生産性のロジック説明に関する本は、これま
...続きを読むでも発売されていたが、
機関投資家の考える企業価値や資本生産性が論点になる背景などを
解説した本は、今まで読んだことがなかったので、
その意味で非常に参考になる書籍だった。
・理論の本では、本社側の目線だけで説明されているケースが多いと思うが、
この本は事業部門の目線とのギャップについて記載している点も
企業内部の経理部門(経企)の事情を意識して発刊されていると
思われ参考になった。
・事業部門経理の経験から言えば、ROICは営業利益÷投下資本で計算するが
連結事業部単位の調達サイドの投下資本の計算はなんとかできるが、
運用サイドの投下資本の計算は、社内システムの理由もあり、
連結ベースでは作成できなかった。
また事業部単位でROICを作成するのがやっとで、製品群単位では
工数の費用対効果を考えるととても手をつけることができる状態ではなかった。
本文にも記載があるが、ROICは経理だけで取り組むことができるものではなく、
会社全体で考えるテーマであるため、役職の方にも読んでほしい本だと思う。
・この本を読んで機関投資家の目線を理解するために資本コストや
株式市場の勉強をしなければと思った。