冷泉彰彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上から目線の現代
「上からだな」。
そんなことを言われたことが何度かある。
私自身は誠実に対応していたつもりだったが、受け取った側にとってはそうではなかったようだ。
こらえつつも、そういうあんたの方が「上から」じゃないか、そう感じたものだ。
そんなやり取りの中、一体「私」と「あなた」の間には何が起きているのだろうか。
著者はその理由を、会話のテンプレートの消滅にあるとしている。
今まではとりあえずの無難な会話で、良くも悪くも「流す」事をしていた。
それが価値観の応酬になってしまい、真っ正面からぶつかり合うようになってしまったというわけだ。
なるほど、確かにそれはあるだろう。
どうやって会話を -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会学の中のコミュニケーション論という位置づけになるでしょうか。
僕たちの会話の中から生まれる、「上から目線」や「見下された」という感覚。
それらが感情的な紛糾を生むことを解き明かすような本です。
最終章では、では、どうやってその「上から目線」による
コミュニケーションのうまくいかなさを解消するかという処方箋が出されています。
「上から目線」と言われれば、尊大な態度でものを言う人を思い浮かべるのではないかと
思うのですが、もっとデリケートなところでも無意識的に上から目線を感じたりするようです。
たとえば、本書で書かれているところでは、平和主義を唱える人が、その正しさを信じるがゆえに
平和を強 -
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Posted by ブクログ
上から目線とは「現場、実態も分からないのに勝手なことを言う指導者」「分からない人に対して、偉そうにもの言う態度」に対する批判めいた言葉である。日本全体の空気が、この批判を恐れていると著者は言う。
政治の世界で、現与党の民主党を見てみると「小沢的 ビール箱演説の演出」 「鳩山的 ”国民の皆様方の・・・・・させて頂きます”口調」 確かに、視線を徹底的に下に下に落として批判を受けないようガードをしている。
しかし、そろそろその空気も終わるだろう。実行力の無いだけで、下から目線をしておけば間違いないだろう的な姿勢はスキャンダルこそ逃れるものの人気は上がらない。橋下市長に人気が集まるのように、実行力の -
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Posted by ブクログ
人と人との間に生まれる見えない「空気」。日本独特のこの「空気」というものがなぜ生まれるのか、これが現代の日本人のリレーシップやコミュニケーションにどう影響し、されているのかを解説した本。
特に最近よく「KY」などという言葉が使われるけれど、日本人ほど空気という見えないものを人との関係であったりコミュニケーションをとることにおいて重要視している人種はないだろう。この空気の傾向がどう変化し、歪んでしまっているのか、現代のコミュニケーションについての課題に、色々な局面から分析しているのがとても興味深い。
ただし、ところどころに入る会話のサンプルが、実際に起きたものではなく、想定できるものが使われ -
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