カーリン・アルヴテーゲンのレビュー一覧

  • 罪

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    あらすじ
    ペーターは39歳独身。小さな会社を経営していたが、働き過ぎてパニック症になったり、社員に横領されたりして追い詰められている。ある時人違いでお使いを頼まれ、会社社長に切断された指を届ける。その男性には嫌がらせが続いていた。借金分を報酬として受けとる代わりにペーターは謎の女を探すことにする。しかし、嫌がらせはひどくなり、二人は警察に相談するが、担当の女刑事はあまり協力的ではない。自力で見つけた女は自殺した。これで事件は解決したかと思ったがペーターは再び女を見かけ、居場所を探し当てる。しかし女の目当てはピーターだった。実はピーターは養子で、元の家族の姉が逆恨みし、病気が末期だったこともあっ

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    2019年01月16日
  • 恥辱

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    スウェーデンの作家カーリン・アルヴテーゲンの4作目。
    過去を抱えた二人の女性の出会いがもたらすものは‥

    モニカは38歳の有能な医師。
    仕事で成功しているが、少女の頃のことで、いまだに深刻な罪悪感に苦しんでいた。
    恋人も出来たのだが、心のうちを明かすことが出来ない。
    ある事故に遭遇したモニカは責任を感じ、贖罪のために、ある行動に出ることに。

    一方、ひきこもっているマイブリットは50代の女性。
    過食で肥満体となり、ヘルパーの手を借りなくては身の回りのことも出来ない障碍者となっている。
    ヘルパーにきつく当たる皮肉屋で、過去のことは忘れるようにして暮らしていたが、これまでと違うタイプの若いヘルパー

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    2015年12月18日
  • 影

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    著名であるとか栄光とか名誉とか、そういうものは必ずしも幸せには繋がらない、ということか。みんながアルコールの問題を抱え、それぞれに足掻くような悩みを抱え堕ちていくところはなんとも・・・!それでもやっぱり女は強いよなあ(生贄とされてしまった娘はともかく)、と思わずにもいられない。

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    2010年10月29日
  • 裏切り

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    裏切り、裏切られる男と女の物語。心理描写がもう凄い凄い。リアルというか的を射ているというか、ここまで克明に描写している作品をいまだかつて見た事がない。
    6歳の子供が一人いる夫婦の間で、突然夫から「きみといっしょにいてももう楽しくない」と言われたら妻はどうするか。驚き、哀しみ、屈辱、怒り、疑惑、後悔、プライドは傷つきそれでも平静を装おうとし、なんとか反撃して優位に立とうとする…
    そういう心の機微を妻の視点から夫の視点から、これでもかこれでもかと見せてくれます。
    自分の心に波立つ感情をなんとなく認識はしても、どうにもうまく言葉にならなくて悶々としたことは何度もあった。そういう混沌とした心の動きをき

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    2009年10月29日
  • 裏切り

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    ハッキリ言って、
    「こりゃ凄い作家が現れたもんだ!」と思いました。

    もちろん、お化けも怪物も、なにも出てきません。
    あるのは、誰もが心当たりあるだろう
    日常の…家庭の風景…でも、とにかく怖い…
    ハラハラするのともドキドキするのともちょっと違う…
    ここまで人の心理に分け入っていく…
    裏返せば、自分の心理に入り込んでくる…
    こんな作品は久しぶりです。

    作者はこれを書き上げるにあたって、
    2ヵ月間休養を取らなければならなかったという…
    作者自身が、執筆中にそれほどまでに
    登場人物たちとの精神的関係を深めてしまった…
    だから距離を置く必要が生まれてしまった…
    きっとそうい

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    2009年10月07日
  • 喪失

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    ネタバレ

    読み終わってしみじみ。

    いろんなことを諦めて、ただ小さな家が欲しいと細々と親からの送金を貯めてホームレス生活を続ける女性、シビラ。

    ホテルでいいカモを見つけ、ディナーと部屋代を出してもらってゆっくりお風呂につかっていると、警察が部屋に。慌てて逃げ出すと男性が殺害されたという。証拠が出てきてその後に続く連続殺人犯として指名手配されてしまい…

    淡々と進む物語の裏で、彼女がいわゆる毒親に育てられたことも明かされる。追い詰められた彼女を救ったナイトは15歳!ずっとシビラの目線だけで進むので読みやすい。

    最後、生き別れの息子のことを知りたいと思ったシビラは情報屋からその情報の書かれた封筒をもらう

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    2024年08月12日
  • 裏切り

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    スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『裏切り(原題:Svek、英題:Betrayal)』を読みました。

    「ヨアキム・サンデル」、「エメリー・シェップ」に続きスウェーデンのミステリ作家の作品です… 北欧ミステリ作品は、面白くて読み始めたら止まらないですね、、、

    「カーリン・アルヴテーゲン」作品は、3月に読んだ『喪失』以来なので約半年振りですね。

    -----story-------------
    壊れかけた夫婦が憎悪に染まるサイコノベル

    「きみといても楽しくない」。
    なぜ夫の心は自分から離れてしまったのか。
    「エーヴァ」は「ヘンリック」の気持ちをとりもどそうと必死

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    2022年11月15日
  • 喪失

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    スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『喪失(原題:Saknad、英題:Missing)』を読みました。

    「カミラ・レックバリ」、「ヴィヴェカ・ステン」、「ラーシュ・ケプレル」に続きスウェーデンのミステリ作家の作品です… 北欧ミステリ作品は、読み始めたら止まらない中毒性の魅力がありますね。

    -----story-------------
    息もつかせぬサスペンス!
    北欧犯罪小説大賞受賞作!!

    ストックホルムの32歳の女性ホームレスが、ある日突然、連続猟奇殺人犯として警察に追われることになる。
    食べ物と寝場所を求め格闘しながら、極限状態に身も心もすり減らし、たった一

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    2022年10月22日
  • 裏切り

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    夫が浮気をした。最近会話もない。妻も夜中に家を飛び出し成り行きで浮気をした。不倫小説かなんだありふれたテーマかと読み始めたら、あちこちで小さい山が鳴動して落石に会うくらい驚いた最後だった。


    恋して衝動的に結婚した夫婦は甘える間に甘えておかないと、青春ホルモン(?)と子孫繁栄本能が消えかかると、そこからは思いやりの暮らしになる。それに気がつかない妻のエーヴァ、急に冷たくなったのはなぜかと悩む。自立しすぎた妻は夫の欠点に目をつぶって生活をリードしてきたのだ。

    夫は息子の保育園で不倫相手を見つけていた。相手は離婚経験のある、手を差し伸べたくなるようなリンダで、彼は同棲する準備をして、口実を作

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    2021年03月08日
  • 裏切り

    購入済み

    ぐいぐい引き込まれました

    ぐいぐい引き込まれ一気に読んでしまいました。誰に感情移入するかで読後の感想も変わってくるかも。映画を観ているような面白さでした。

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    2020年01月17日
  • 裏切り

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    30代のキャリアウーマンの女性が主人公。
    著者も真面目な女性なのか、夫に裏切られた妻の心理が丁寧に書かれていて引き込まれる。
    途中話しがくどいというか、無駄?に長く感じられたのが残念。

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    2020年01月15日
  • 罪

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    読みやすかったです。
    謎解きをすすめていくなかで、主人公が自身を持ち、友情を築き・・という過程がよかったです。
    訳文も言い回しが簡潔ながらも幼稚なわけでもなく読み進めやすいものでした。

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    2017年06月03日
  • バタフライ・エフェクト

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     小さなことがまわりまわって思わないところで影響がでる、っていうバタフライエフェクト。
     家をでた母親と、娘、そして全く別の既婚男性の三人、それぞれの<バタフライエフェクト>の話。
     
     メインは母親で、彼女のトラウマが結局彼女の今を作っていて…。
     でもなぁ。彼女もまだ子供だったんだよ。妹よりも自分自身を守って当たり前だったのだと、って<行動を起こさなかった>ことだから、だれにも相談できないよね。
     で、おいおいな男と結婚してしまうのだが。
     そして、人生の終わりにすべてをリセットしようとする。
     その行動力が、もっと早くにでていたらねって思う。
     
     なんつーか、人を縛る

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    2016年12月04日
  • 恥辱

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    秘密にしておきたい過去を持つふたりの女。
    優秀で母親の愛情を一身に受けた兄を持つ完璧主義の女医モニカと、ヘルパーの手を借りなければ生きていくことのできない異常な肥満体の女マイブリット。
    ふたりの人生が交錯したときに何が起きるのか。

    この作品に出てくるふたりの女性は、過去の出来事によって心に傷を持っている。過去に対して極端とも言える向き合いかたをしたために、自ら生きにくくしてしまう。
    こういう傾向はわたしにもあるため、主人公の特にモニカの気持ちが少しわかる。

    もっと気持ちを楽に、自分を責めて自分に罰を与えてばかりでなく自分を赦すことをした方がいい。頭ではわかっても、それをすることが出来ない。

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    2016年11月01日
  • 恥辱

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    ネタバレ

    カーリン・アルヴテーゲンは、1965年スウェーデン生まれ。
    二作目の『喪失』で、北欧推理小説賞を受賞。サイコサスペンスの女王ともいえる存在の作家らしいです。

    邦訳は四冊あり、本書は邦訳で一番新しい書物です。

    私は本書以前の三冊、『罪』『喪失』『裏切り』は読んでおらず、はじめてのカーリン・アルヴテーゲンです。

    主人公といえるのは、ふたりの女性。

    ひとりは、38歳の女医。仕事で成功し何不自由ない生活を送っているように思えるが、兄の死がいつまでも心から離れずトラウマになっている。
    もうひとりは、異常に太りすぎ部屋から出ることもできない犬と暮らす50代の女性。彼女を手助けしようとしてくれる人た

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    2012年03月17日
  • 喪失

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    シビラは、道端にいるわけではないが、ホームレス同様の暮らし。
    18歳で家を飛び出して以来、ずっと身元を隠し、ストックホルムの無料で入れる所や似たり寄ったりの知り合いの住処を点々としていた。
    時には古着のブランド物を着て、ホテルのバーで裕福な男を引っかけ、財布を落としたと騒いだりして夕食をおごらせていた。
    街全体に影響力を持つ会社を経営しているフォーセンストルム家の社長令嬢だったのだが。
    高慢で横暴な母親と無関心な父親に、ひどい生活を強いられていたのだ。

    ある時、食事をおごらせただけで別れた男性が同じホテルの別室で惨殺される。
    翌朝、警察の声にとっさに逃げたシビラは、犯人にされてしまう。
    しか

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    2012年11月05日
  • 恥辱

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    スウェーデンの作家「カーリン・アルヴテーゲン」の長篇ミステリ作品『恥辱(原題:Skam、英題:Shame)』を読みました。

    『罪』に続き、「カーリン・アルヴテーゲン」作品です… 北欧ミステリ作品が続いています。

    -----story-------------
    過去に囚われている二人の女性の贖罪の物語。

    私ではなく、彼こそ生き残るにふさわしい人間だったのだ――。
    母親の自慢でもあった、何もかも完璧な兄の死をトラウマとしている女医、38歳。
    自分でからだを動かすことすらままならない異常な肥満で部屋に閉じこもった50代女性。
    過去に囚われ、誰も信じることができず、究極の孤独を抱えた二人が人生の

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    2023年01月05日
  • 喪失

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    18歳でホームレスになった女性に、連続殺人犯の容疑がかけられる。自力で犯人を追い始めるが、前半は恵まれない家族との関係や存在を隠して生きる虚無的な生活が描かれる。後半、テンポ良く事件の謎が解き明かされる。読後感は良い。

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    2022年09月16日
  • 裏切り

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    俳優の不倫報道でTVが沸騰している時にたまたまこの本を読む。つい重ねてしまった。
    ヘンリックは最初から好きな人ができたといえばよかったのに。人格を否定されるのと、浮気を知らされるのとどちらが辛いだろう。
    妄想ストーカーの割り込みさえなかったら、エーヴァが暴走しなかったら、いずれ元サヤもあり得たかも。人生はもしもだらけ。

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    2020年01月27日
  • 喪失

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    アルヴテーゲン2作目、推理小説というかドラマ小説?地名が多く出てくるので日本語で読むとちょっとくどく感じます。夏の別荘への思い入れとかはなるほどスウェ人らしい描写。ホームレスという背景も社会問題をうまく取り上げてるな~。スタッズミッションで薬もらえるのは知らなかった。Från Stockholmare till Stockholmareというのにはそういう補助も含まれてるんですね。

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    2013年11月13日