あらすじ
謎の女に追いつめられる男が行き着いた恐怖。
経理係の横領で2000万円もの負債を抱えたペーターは、ある日奇妙な事件に巻き込まれる。見知らぬ女から強引にある会社社長に届け物を頼まれるのだが、中身は足の親指。借金返済を約束されて探偵役を引き受けたペーターだが、いつしか女が仕掛けた巧妙な罠にはまっていた……。 緊迫の追跡劇を描きながら、心の痛みを抱える主人公の内奥を克明に書き込む厚みのある物語。『喪失』で話題を呼んだ北欧ミステリー界の女王、鮮烈のデビュー作!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
あらすじ
ペーターは39歳独身。小さな会社を経営していたが、働き過ぎてパニック症になったり、社員に横領されたりして追い詰められている。ある時人違いでお使いを頼まれ、会社社長に切断された指を届ける。その男性には嫌がらせが続いていた。借金分を報酬として受けとる代わりにペーターは謎の女を探すことにする。しかし、嫌がらせはひどくなり、二人は警察に相談するが、担当の女刑事はあまり協力的ではない。自力で見つけた女は自殺した。これで事件は解決したかと思ったがペーターは再び女を見かけ、居場所を探し当てる。しかし女の目当てはピーターだった。実はピーターは養子で、元の家族の姉が逆恨みし、病気が末期だったこともあって追い詰めてきたのだった。
1998年発表で少し古い。何でもかんでも一般人が自力で解決しようとするとことか。ラストの実は本当の家族がいましたー。というのも、ちょっと前の感じがした。それでもカーリン作品は色褪せない。39歳にもなって繊細過ぎる主人公の、上手く人と関係を築けないとこや、養姉の優しさ、実の姉の狂気っぷり、社長との友情なんか、読んでてしみじみ楽しんだ。