バリー・ライガのレビュー一覧
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「えっ、ここで終わるの?」と思った前作から半年。
「お待ちしてましたよ、さぁ、続き!」とばかりに頁を捲るも意外に覚えてなかったので少し前作の終わりを読んでから読んだ。
前作2作のビリーはジャズの頭の中で語ったり、過去のセリフだったり面接室のプレートを1枚隔てた所で時間制限で話すという「直に」がなかった。しかし今回ジャズばかりでなくコニーも「直に」ビリーと話す。
ビリーとの会話はまるでホラー(爆)捲る頁は止まらないけど終始ドキドキしていた。読んでる時にもし背中を叩かれようものなら声を挙げてたと思う。
ジャズの周りには人がいる。友人・恋人だけでなく見てくれてる人がいる。
ジャズの姿を見ていると人の -
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ものまね師事件が解決して数カ月、ジャズのもとをニューヨーク市警の刑事が訪れた。
この小説は設定が変わっている。主人公ジャズの父親は、21世紀最悪の連続殺人犯であるビリー。彼に施されたのは殺人者としての英才教育であり、ビリーはジャズを溺愛していた。そして、何より自分を超える殺人者、シリアルキラーになってくれることを望んだ。そんな家庭環境のもと、成長したジャズ。シリアルキラーの片鱗を見せていてもおかしくないのに、ジャズは正しく成長する。この設定の時点で、かなり特質だと思います。
ジャズは正しく成長するといっても、本来人間が備えている恐怖への怯えをしっかりと覚えているという点が、葛藤や苦悩を -
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主人公ジャスパー(ジャズ)・デントの父であり、稀代の凶悪連続殺人犯であるビリー・デントの脱獄で幕を閉じた前作から二ヶ月後。
「殺人者を狩る」存在になろうと決意したジャズのもとを、ニューヨーク市警の刑事が訪れ、同市で暗躍する連続殺人鬼「ハット・ドッグ・キラー」の捜査への協力を求めます。
馴染み深い田舎町ロボズ・ノッドから遠く離れた大都会で、ジャズは捜査に加わるのですが…
残虐さと狡猾さを増す連続殺人鬼との対決に加え、ビリーがこの事件にも関係しているようなエピソードが随所に挿入され、緊迫感を煽ります。
また、ロボズ・ノッドに残ったガールフレンドのコニーや親友ハウイーも別の謎を解き明かそうと、時 -
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全米を震撼させた連続殺人犯の息子が主人公。
彼はジャズという名前の田舎町の高校に通う高校生。血友病を患う親友とガールフレンドと楽しく暮らす普通の高校生だが、父親が四年前連続殺人の罪で逮捕されたことが、普通と少し違う点だ。
しかも父親は二十年間で百人以上を殺したという。さすがアメリカ様、桁が違うとしか言いようがない。
そしてその父親は自分の息子に殺人方法の教育を施し、実際に殺しを手伝わせたと思わせる節もある。この辺りはジャズが子供で記憶が曖昧、というふうにぼかしてはあるが、ジャズ自身は自分も「やったこと」があると信じている。
物語はその田舎町の公園で一人の女性の死体が発見されたことから始 -
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カテゴリは〝ヤングアダルト小説〟という私自身は食指が動かない分野に属しているが、散々使い古された題材「サイコキラーもの」に挑んだ本作は、停滞したミステリ界に幾ばくかの新風を吹き込んで話題となったようだ。
主人公ジャズ・デントは17歳の高校生で、実の父親ビリーは123人を殺害した「21世紀最悪の連続殺人犯」という設定。少年は己に流れる汚れた血を憎みつつ恐れている。いつか狂気に陥り、大量殺人者である父親と同じ轍を踏むのではないか。行方不明となった母親は父親が殺したと信じ、包丁を見る度に自分自身もそれに加担していたのではないかという悪夢に襲われる。実質124人を殺し終身刑となった男と、その息子の関 -
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シリアルキラーの父親が脱獄してから二ヶ月。
ニューヨークでは通称『ハット・ドッグ・キラー』による連続殺人事件が起きていた。そして新たに発見された被害者の遺体には「ゲームへようこそ、ジャスパー」というメッセージが刻まれていた。市警に請われニューヨークへ向かうジャズ。
一方故郷でも『コニー』の元へ差出人不明のメールが送られていた。「アー・ユー・ゲーム?」
三部作の第二弾。
ようやく平穏(?)な日常に戻ったジャズ。が、新たなシリアルキラーと対決します。捜査をしていくうちに、父親の『ビリー』や前作の『ものまね師』も事件へのかかわりを見せ、犯人を追い詰めたと思ったところでピンチに。さらには故郷の二人も