高市早苗氏がテレビか何かに出て、政策通である事を褒められていた。その時、飲み会に参加せずに勉強するのだと言っていた事を思い出す。勤勉さが素晴らしく、本書でもそれが伝わってくる。更に、男性議員は色恋的な話で盛り上がるから、女性が飲み会にいると邪魔だろうと何やらハニトラを匂わすコメント。良い意味でも、したたかだ。だがそのしたたかさが、防衛戦略を対外扇情的なポピュリズムに向かなければ良いと思っていたが、いずれにせよ、何を言おうが結果は今の政権である。色々書いたが、私は、残念だと思ったクチだ。
中国による海底ケーブルや衛星攻撃能力の事なども知りたいと思うが、本書はむしろ経済の事。AIの消費する電力についてや原子力の必要性について。既存のAIで一定の処理を実施する場合、ハイエンドモデルのGPUが複数台必要になり、消費電力は1000W前後。日常的に利用する製品・サービスにもAIが搭載され広まっていく中、「AIの省電力化」が重要な「成長投資」になるという。
電力については、2030年に向けた対策として、「SMR」(小型モジュール原子炉)を活用し、工業団地やデータセンター立地地域などに「地下立地」することが、現実的だという考え。IHI、日揮グローバル、日立GEなど日本企業も、米国における複数の実証プロジェクトの主要プレイヤーとして参画しており、既に日本以外では商業利用の例もある。
この「SMR」を火力発電の代替ということで試算すると、仮に米国初の型式認証を取得したNuScale社の「SMR」(最大12モジュール/92・4万kW)で代替する場合には、74プラントで、全国各地に立地する工業団地などで活用する姿を考えると、無理はない数字だという。
楽しい国も美しい国もピンとこないが、成長する国を目指すという考えは支持したい。尤も、国民はそうした言葉遊びより、安い米、安い電気代。海外に好き勝手されて自分たちは奴隷のように働かされる状態を回避できる国、が一番だが。