くろのくろのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「宝石商リチャード」のシリーズで知られる辻村七子氏のSF 短編集。著者紹介を見るまで知らなかったのだけれど、もともとSF畑の人らしく、「マグナ・キヴィタス」の設定を使うのもこれが初めてではないようだ。その設定や、登場人物が緩く共通する連作短編の形。冒頭の「ジナイーダ」とラストの「reprise」がつながって、きれいにまとまる感じなので、長編小説と思って読んでも良いかもしれない。
肝心の内容は意外なくらいストレートなSF。SF的ガジェットの扱いも、単なるハイテク便利道具の類はもちろん、結婚や家族の形といった社会学的要素まで、最小限の說明でポンポン投げ出していくモダンSFのスタイル。SFを読みつけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ
『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います』
このタイトルに惹かれて読み始めました。
3つの短編で構成されており,読みやすかった。
また,描写がリアリティがありグロテスクに感じた。
ブラックな会社,そこにいる最悪上司たち,実際に経験したくない世界だなと思った。
自分の中で最も好きな話は天井の梁だった。
彼氏,仕事,自分が大事にしていたものを次々に奪われ,死を望むようになる部分はとても共感できるものがあった。
また,頑張りを認めてくれること,それは生きる糧にもなるよう感じた。
とても面白い本であったが,世にも奇妙な物語のような心がモヤモヤする作品であった。
自分もモヤモヤしていたため -
すごく好きな作品です
何かの救いを求めるならオススメ出来ない作品です。
試し読みから気になって書籍を購入しました。
内容は簡単に言うとただただ上司が死ぬだけです。
後味の悪い不気味さは感じるものの、ホラー苦手な私でも許容範囲でした。
パワハラなど、分かりやすくも身近な上司が
最終的には死にます。
綺麗事も、説得もありません。
ただ、そこが1番の魅力だと感じました。
これはあくまでも小説だというファンタジーを感じさせつつ、スカッとさせてくれる小説は初めてです。
自己啓発本や周りの助言が分かってはいるものの、なんかすっきりしない。そんな人にオススしたい1冊です。 -
Posted by ブクログ
1.
上司の言動や行動が理不尽すぎ、イライラが募るため上司を撲殺する。付き合ってたのがイベントを起こすトリガーとなっていたりしたけど、もう少し複雑味というか、何か物足りない気分。でも短編に求めすぎている感じもする。
2.
死ぬ、と決断するまでの気持ちがの変化がすごく伝わってきた。お母さんを挟むことがすごく効果があったと自分は感じた。
3.
現実的じゃないけどそれっぽいところにそそられた。
味方がいるっていいよね。見事なロミオとジュリエット効果。
上司があれなのは本の中で見てるだけでいい、、、
と思ったのと、
自分も同じ様な環境にいる未来が見えて怖いと。
撲殺日和、こわいなぁ。