畔柳和代のレビュー一覧

  • 秘密の花園

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    私の中の憧れの世界…朝起きて、バターとジャムたっぷりのご飯に熱々の紅茶を食べて、庭に駆け出す。一日中たっぷり遊んで、お腹が空いてご飯もお菓子も美味しい。夜はぐっすり、また明日。庭は毎日様子を変え、手入れをするほど元気になっていく。自分の手で、目の前の自然が生き生きとしていく、そしてそれを通して、自分も生き生きとする。まさに魔法だなと思う。
    好奇心を持つこと、それに向かって夢中で行動すること、そして自然の中で動いて笑って…美しいムーアで子供たちの魂がのびのびと解放されていく。憧れの原風景を再訪した気持ち。

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    2025年12月05日
  • 秘密の花園

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    ネタバレ

    1911 年発行。『小公子』『小公女』などの児童文学で有名なイギリスの作家フランシス・ホジソン・バーネットが描いた不屈の名作。
     イギリス領時代のインドで暴君じみたわがままな少女として育ったメアリは、十歳にして突然孤児となり、イギリスに住む叔父に引き取られる。全てを呪うように生きるメアリだったが、閉ざされた庭園の鍵と、生き物を愛する少年ディコンとの出会いをきっかけに、世界の素晴らしさを知っていく。従兄弟のコリンとの大人たちを驚かせる秘密の計画は、運命に導かれるように美しい魔法を巻き起こす。

     メアリははじめ、どうしようもなく生意気な子どもだ。常に苛立ち大人を狼狽させるのだが、読んでいて楽しく

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    2025年10月13日
  • 続あしながおじさん(新潮文庫)

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    サリー的に。
     「女性の」生き方という表現をすると、必要以上に区別すると感じるでしょうか。実は私もこどもを産むまではそう思っていました!でも、今では男性と女性には、かなり違う部分が多いことを認めています。差別を無くすために区別に目をつぶるのは愚かでした!女性の生き方について、示唆に富んだ話です。どうやって自分の幸せを探すのか考えさせられます。
     私はさっそく夫にこの小説を読むように勧めました。もし理解できたなら、彼の世界はずっと視界良好になるでしょう。それ以上に私の娘たちに読んでもらう方がいいかもしれません。あの子たちがこれから飛び込んでいく世界だから。
     あとがきを読んで作者の人生を知り、い

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    2025年07月04日
  • 秘密の花園

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    偏屈者だったメアリと全く外に出なかったコリンが、秘密の花園が息を吹き返すと共に子どもらしい子どもになる様子を読んでいると、清々しい思いになりました。また、秘密の花園が美しくなっていく様子がとても細かい描写で表現されていて、実際に花園を見た訳ではないのに目の前に花園があるかのように楽しめました。

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    2025年04月12日
  • 小公女

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    小学一年生で読んだ作品。セーラみたいな女の子になりたいと思った日々を思い出す。心ときめく魔法が次々と起こるシーンの高揚感は十数年たった今でも鮮明に残っている。セーラは、誰かに優しくすることを忘れないでいたいと思わせてくれる素敵な主人公だ。歳をとるにつれて、自分の今までを肯定するために人を否定してしまったり、自分に都合のいいものばかり肯定してしまう自分がいることに気がつく。 自分より弱い人を見下さずに愛せるようになりたい。

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    2025年04月12日
  • 秘密の花園

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    すごくよかった……

    秘密の花園は子供の頃絵本で読んだ記憶があります。
    蔦の絡まった扉にひっそりと鍵穴がついていて、特徴的な装飾の鍵で開けるっていうのにすごくときめきました。

    内容は全然覚えてなかったんですが、コリンやディコンといった登場人物の名前は覚えていたので子供の頃の記憶は馬鹿に出来ないなと。

    主人公のメアリが不器量で黄色い顔のすごく嫌な感じの子っていうのがよかった。
    だいたい可愛くて素直な子が主人公じゃないですか(笑)
    コリンも最初はガリガリでヒステリックで自己中だったけど、メアリと花園の力でどんどん変わっていきます。

    2人とも甘やかされて育ったから単に性格が悪いというより注意し

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    2025年01月24日
  • 小公女

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    7歳の幼い少女がお嬢様暮らしから、父の死をきっかけに孤児となり召使へとなる。父の死を悲しむ時間も無く、校内からは以前と違い奴隷同然のひどい扱いを受けるも、プリンセスとして希望を捨てない強い幼いながらにその生き様は驚いた。

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    2025年01月22日
  • 小公女

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    幼い頃に、漫画版を読んだことがあった。以来大好きなストーリーだったが、小説として読んだことが無いことに気が付き、手に取った。
    昔感銘を受けたセーラの気高さと気品は、未だに私の心を力強く捉えた。私の精神の指針が、ここにあると思う。セーラのような過酷な目に遭ったことは幸いにして無いが、落ち込んだ時、進めなくなりそうな時、私の側にはずっと、セーラが教えてくれた黄金の精神があるのだと思い出した。
    いつまでも大切にしたい物語だ。

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    2024年10月19日
  • 続あしながおじさん(新潮文庫)

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    はらはらどきどきしないものを、本棚から探したら、なにこれめっちゃ面白い!!!!!

    そういえばあしながおじさん、好きでした。
    小公女も若草物語も秘密の花園も響かなかったけど、あしながおじさんだけ好き。とても好き。
    この好みって人格に影響を及ぼしている気がする。

    孤児院の経営に悪戦苦闘するサリーを応援したくなる。
    人と人との対峙、以外のやつですね。
    てゆうかジュディよりサリーの方が好きかも。

    正直、あしながおじさんは途中で飽きちゃったのですが(好きとは。。。?)、
    続のほうはもう終わらないでほしい、もっとサリーの活躍を見たい、これから楽しいことたくさんあるのに、という気持ちであっという間に読

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    2024年09月26日
  • 小公女

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    主人公のセーラ・クルーは環境の変化により、自分の立場や身なりが
    異なるものになっても『心』までをそれに染められず、
    気品と気高さを無くさず振る舞う、精神力の強さを印象づけます。

    逆にセーラの周囲のキャラクターは、子どもはともかく、
    大人まで自分の態度をブレブレで変化させる不安定さで、
    俗世の人々の移ろいやすい心との対比がなされています。

    相手の立場によって態度を変えることの卑しさは、作品を通して
    俯瞰的に見れば良くないこととして映りますが、
    自分たち一般人も無意識のうちに同じことをしていないでしょうか?

    立場の弱い相手に対して高圧的に振る舞う姿も、
    お金持ちのワガママにおべっかを使う姿も

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    2024年07月09日
  • 続あしながおじさん(新潮文庫)

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    前作のあしながおじさんも含めて私が幼少期に1番好きだった本
    自宅にある別の訳者さんに訳されたものと比べるとやはりこちらもより現代的で親しみやすい表現で訳されているなと思った
    書かれた当時の雰囲気を感じたいか、等身大で親しみやすい登場人物を感じたいかでどっちが好みか分かれるのかなと思った

    時代が時代なので障がいのある子どもたちに対して現代では考えられないような表現が使われてたりもするけど、サリーが子どもたちに対してだんだんと愛情を抱いていく姿が微笑ましいし、当時の女性たちの働き方や結婚生活が前作と比べより想像しやすい。
    サリーが敵と呼ぶ孤児院の嘱託医をはじめとした個性豊かなキャラクターたちが見

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    2024年06月29日
  • 秘密の花園

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    幼少期に何度も繰り返し読んだ自分の原点のような物語。思い込み(魔法)の力は良い方にも悪い方にも働くという、普段は忘れがちだけどとても大事なことに気づかせてくれた。メアリとコリンが成長する様子には、自分もその気になれば変われるかもしれないと勇気づけられる。自分にとってはお守りのような作品で、常に大切にそばに置いておきたい。

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    2024年06月25日
  • 続あしながおじさん(新潮文庫)

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    「なるほど前作はジュディの手紙がメインで、本作ではジュディの親友のサリーの手紙がメインなのだな。」と読みながら感じました。

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    2024年01月30日
  • 秘密の花園

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    途中から号泣していました。
    人生経験を積んだ大人が読むからこそ、泣けるのかもしれません。
    大人になると忘れてしまう子供の頃の純粋さを思い出させてくれるような作品でした。

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    2023年10月30日
  • 続あしながおじさん(新潮文庫)

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    ジュディの友達のサリーもこんなキャラだったのね!笑
    マクレイ先生に「敵よ、おはよう!」と挨拶するのとか、最高。
    そしてこのハッピーな展開、あしながおじさんがお好きな方は絶対好きなのでは!

    孤児院を取り巻く環境や、障害のある孤児に対する問題(当時の常識では偏見もあるけど、実際そういう子達を引き取りたい人は今でも少ないのが現実…)、女性の労働問題はなかなか過酷だけども、サリーが皮肉混じりのユーモアで嘆きながら、どんどん前に進んでいくので勇気をもらえる。

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    2023年04月04日
  • 小公女

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    読む前は「女の子は誰でもプリンセス」みたいなふわふわした主人公だと思っていたから、その心の強さと聡明さに驚いた。心が強いと言っても、ひもじさや辛さを空想で逸らしたり、自分がプリンセスだったらと思い込むことで悪口を言い返したり、やり返したりせずに毅然として生きようとしている様子は、セーラが強いのではなくて強くあろうとした生き様のようなものだと思った。

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    2023年02月24日
  • 小公女

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    実のところ『小公女』は子供の頃から目をそらしていた。大金持ちのお嬢様が寄宿学校に入り、特別扱いされているとまもなく父親が亡くなったと知らされ突如召使へと降格されいじめを受ける•••
    最後はハッピーエンドでも、この部分が嫌で何十年も避けていた。バーネットさんごめんなさい。
    ここへ来て一気に3冊購入したので1冊目として新潮社を選び読み始める。
    原題は『A Little Princess』。この“プリンセス”という言葉の意味が子供の頃には分かっていなかった。ドレスを着てキラキラしている人は皆“お姫様”でひとくくりにしていた。読んでみると、ここが肝なのだと実感。
    読み始めは本当に10歳前後?と思うほど

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    2023年02月02日
  • 小公女

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    ネタバレ

    辛いことがあった時に温かい気持ちにさせてくれるのは、いつもこの本であった。永遠の名作とは、きっとこういう物語のことを言うのだろう。

    セーラが忘れずにいた「プリンセスとして振る舞うこと」は、結果として彼女を本当のプリンセスにしてくれた。これからの人生、多分辛いこともたくさんあるかもしれない。でも、心優しい彼女はどんなことも乗り越えていけるだろう。

    何度でも読みたい本である。

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    2022年09月04日
  • 秘密の花園

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    ネタバレ

    「小公女」は子供の頃に読んだけど、梨木さんの書評本を読むにあたってこれは未読だったので読んでみたんだけどすごくよかった!「裏庭」や「西の魔女が死んだ」など、梨木さんの作品に通じるものも確かに感じることができる。
    偏屈で尊大で常に不機嫌な子供だったメアリ、癇癪で人を支配する病んだ小さな王様だったコリンが、動物や植物の友達がたくさんいるディコンと秘密の庭での庭仕事と交流を重ねるうちに成長していく。二人のやせ細ったからだと精神が膨らんで豊かになっていくのと、秘密の花園が目覚めさせられ、芽吹き、花を咲かすのが同期していて、エネルギーに満ち溢れた優しい小説になっている。病気が治っていないふりをするために

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    2022年07月02日
  • 小公女

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     子どもの頃世界名作劇場をちらっと観てとても印象に残り、原作を読んだ本。ミンチン先生や料理長の壮絶なイジメに耐え、心の醜い同級生に嘲られても、自分をプリンセスと信じ清く貴い心を忘れないセーラが立派すぎて眩しい。隣人のかけた魔法や乞食の少女にぶどうパンを恵んであげるシーンが印象的。
     訳者が大人向けとして翻訳したとあるとおり、大人にこそ手に取ってほしい一冊。優しさに満ち溢れていて、とても心が温かくなる。こんな小説、もう現代では書かれないし書けないのでは。
     酒井駒子さん画のセーラもイメージぴったりでとても愛らしい。

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    2022年05月11日