畔柳和代のレビュー一覧
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前作のあしながおじさんも含めて私が幼少期に1番好きだった本
自宅にある別の訳者さんに訳されたものと比べるとやはりこちらもより現代的で親しみやすい表現で訳されているなと思った
書かれた当時の雰囲気を感じたいか、等身大で親しみやすい登場人物を感じたいかでどっちが好みか分かれるのかなと思った
時代が時代なので障がいのある子どもたちに対して現代では考えられないような表現が使われてたりもするけど、サリーが子どもたちに対してだんだんと愛情を抱いていく姿が微笑ましいし、当時の女性たちの働き方や結婚生活が前作と比べより想像しやすい。
サリーが敵と呼ぶ孤児院の嘱託医をはじめとした個性豊かなキャラクターたちが見ていて楽しいし素敵に変わっていく孤児院の姿を想像するとこっちもわくわくする。
前作と比べるとより大人向けな印象。 -
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実のところ『小公女』は子供の頃から目をそらしていた。大金持ちのお嬢様が寄宿学校に入り、特別扱いされているとまもなく父親が亡くなったと知らされ突如召使へと降格されいじめを受ける•••
最後はハッピーエンドでも、この部分が嫌で何十年も避けていた。バーネットさんごめんなさい。
ここへ来て一気に3冊購入したので1冊目として新潮社を選び読み始める。
原題は『A Little Princess』。この“プリンセス”という言葉の意味が子供の頃には分かっていなかった。ドレスを着てキラキラしている人は皆“お姫様”でひとくくりにしていた。読んでみると、ここが肝なのだと実感。
読み始めは本当に10歳前後?と思うほど大人びたセーラの言動に違和感をもちつつ、さらに「乞食」と連呼される事もぐっと乗り越え、さらに読み進めると中盤からページをめくる手がどんどん早くなる。“プリンセス”というキーワードが全てだと分かってくる。『ボロは着てても心は錦』という言葉があるがまさにこれで、常に自分はプリンセス(王族のお姫様)だと思い込み、自分をいじめる料理人にも礼節をつくす。狭い屋根裏も本当は素敵な部屋なのだと想像し、ネズミやスズメをお友達にする事で自分を貶める事なくいじわるなミンチン先生を苛立たせる。
欧米での考え方で、自分より貧しい物に施すのは高貴な者の勤め•••というのがあるけれど、自分の持つ物を最大限に人に施す。それはお金というわけではなく、楽しいお話しであったり本当は食べたくて仕方ない焼きたてのパンであったり、小さい人に勉強を教える事であったりする。
聖書に貧しいやもめの話がある。やもめの女性がわずかなお金を献金するところを見ていたイエスは「あの人は誰よりも多く献金した。それが彼女の全財産だからだ」という。こういう考え方が根付いてるのかなと感じる。
結局はそういう善行の全てがセーラの人生を良い方向に変えていくことになる。
そんな完全無欠のようなセーラも時に隠れて大泣きし、八つ当たりしたりする所があり、実はほっとする。
長々と書いてしまったけど、まとめると“面白かった”のですw ただ大好きな『小公子』とはだいぶ違い、なんか深かったように思う。
薄い本だけど、読み応えがあった。それと、私はセーラにはなれそうもないという事を思ってたw
前述の通り、他にも小公女は持っているので訳に対する感想を書いておくと、とても読みやすいが、あまりお嬢様言葉などは出てこない。が、とても高潔なセーラでした。 -
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ネタバレ「小公女」は子供の頃に読んだけど、梨木さんの書評本を読むにあたってこれは未読だったので読んでみたんだけどすごくよかった!「裏庭」や「西の魔女が死んだ」など、梨木さんの作品に通じるものも確かに感じることができる。
偏屈で尊大で常に不機嫌な子供だったメアリ、癇癪で人を支配する病んだ小さな王様だったコリンが、動物や植物の友達がたくさんいるディコンと秘密の庭での庭仕事と交流を重ねるうちに成長していく。二人のやせ細ったからだと精神が膨らんで豊かになっていくのと、秘密の花園が目覚めさせられ、芽吹き、花を咲かすのが同期していて、エネルギーに満ち溢れた優しい小説になっている。病気が治っていないふりをするために、用意された食事に毎回手を付けずにコックの心遣いを無にするくだりだけは気になったけど。
コリンは自分がもうすぐ死ぬと思いこんで一人発狂する日々を送っていたけれど、信じる力をもらうことで抗うことができるようになる。
「ぼくはもう変でなくなる。毎日花園に行けばいい。あそこには魔法がある──よい魔法が」
「本物の魔法じゃなくても本物だって思えばいい。何かがある──何かが!」
「魔法」を信じること、そのエネルギーを胸にともしてもらうこと、それこそが児童書が子供のわたしにくれた大切な宝物だったと思う。そして、「秘密の花園」は大人の私にも確かに作用する。優しいディコンやそのお母さん、動物や植物たちの温かいまなざしに助けられて元気をもらえる。大好きな小説になった。 -
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子供の頃は村岡花子訳を、10年前は光文社古典新訳文庫の土屋京子訳、今度は新潮文庫の黒柳和代訳。12歳の時からの長い付き合いだけど、何度読んでも奥深さがある。
両親が亡くなって義理の伯父に引き取られるメアリ。インドとはまるで違う本土イギリスへ。暗鬱で荒涼としたヒースばかりの野中に建つ古いお屋敷へ住むことに…そうして見つけた秘密の花園。
そう、読む少女たちにとっては秘密がワクワクドキドキ請け合い。まして可愛くない性格がゆがんでる、っていうこのヒロインですから興味そそられ、そうして輪をかけたわがまま少年コリンが登場してくるので、面白くなってくる。まるでコリンが主人公のような雰囲気。
ところが野性的で植物や動物に対する知識豊富さや、おおらかさ、優しさあふれるディコンという少年が、間に入っていろいろ進展する、彼が主人公なのか?
彼のその魔法的な性格は、生い立ち、貧しい大家族、それを束ねる彼のお母さんからの影響らしい。また、登場人物皆が尊敬し、いろいろ影響を受ける、そのおっかさんの「スーザン・サワビー」が素晴らしい。この人こそヒロイン、作者の分身なのだとわかった今回の再読。 -
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恥ずかしながら世界の名作と知らず、手に取るか最後まで迷い、ついに読み始めたが瞬く間にセーラの虜になり、一気に読み終えてしまった。
GW中世界の名作を中心に読んでいたが自分の中で1番のヒットがこの「小公女」になった。
いつまでもポジティブに、どんな逆境をも小さい身体で乗り越えながら、自分が王女の気持ちでいることを決して忘れない強い心の持ち主。
お金が有る無しでなく、セーラのポジティブさ、強く優しい心、人を分け隔てなく接する包容力、王女の気品を常に持ち続ける想像力の高さに圧倒。
読んで本当に良かった。
「王女様だったらどうするかしら?」
イギリスの暗くはいいろの空が、最後には…。
最後一文の終わり方もとても素敵だった。 -
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ネタバレ甘やかされ、勝手気ままに召使いを罵る九歳の少女、メアリー・レノックス。小柄で痩せこけ、誰からも好かれない彼女はコレラによって両親を亡くし、インドから伯父のいるイギリス・ヨークシャーへ連れて来られた。もの寂しい荒野に囲まれた屋敷で退屈を持て余すメアリーだったが、温かい人々と澄んだ空気、美しい草花と動物たちが彼女に変化をもたらし始める。ある日メアリーは、入ってはならない「秘密の花園」の存在を知る。10年前、伯父が愛する妻を亡くした時に閉ざされた花園。伯父が庭に埋めたとされるその鍵を、メアリーは見つけてしまう。再び開かれた花園の存在は、メアリーの心と体に太く、血を巡らせた。メアリーは、動物と会話ができる少年ディコンと、かつてのメアリーのように病弱でヒステリーを起こす従兄弟のコリンを花園へ招き入れる。花園の「魔法」はコリンに生きる勇気と力を与え、ついには伯父の閉ざされた心も、花園の扉とともに開かれてゆく……。
1911年に初版が発行され、世界中の少年少女に読まれ続けている世界文学の名作。
少年少女たちの成長物語に、素直にとても感動した。これほどの読後の爽快感は久々。現代小説のような複雑さがない分、真っ直ぐなハッピーエンドは胸に沁みる。
つむじまがりのメアリーが変わるきっかけとなったのは、世話役のマーサの存在。素朴なヨークシャー弁で率直に語りかけてくる彼女に、メアリーは世界が自分を中心に回っていないことを知る。そしてディコンが太陽のように彼女の心を温める。コリンとの出会いはかつての自分との対峙。この出会いが、本当の意味での過去の自分との訣別の機会だったのかもしれない。
メアリーとコリンが生きる力を身につけていくと、読者の心も春の陽光に温められていく。コリンの言う「魔法」は読者にも届く。世界文学として読み続けられている所以はここにあるのだなぁ。 -
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少し前に読んだ「あしながおじさん」が良かったので続編も読んでみた。期待以上に面白かった。この続編のほうが好きなくらい。
主人公サリーは、前作の主人公ジュディの友人である快活な女性。孤児院を改革するため院長として働くことになる。彼女の奮闘と成長、恋を描く。全編がサリーのユーモアあふれる手紙で構成されている。孤児院改革のドタバタが目に浮かぶよう。手紙の宛先は7-8割がジュディ、残りがボーイフレンドの青年政治家ゴードンと孤児院の嘱託医マクレイ医師。無愛想で非友好的なマクレイ医師に対して「敵殿(Dear Enemy)」なんて書き出しで手紙を送ってしまうサリー。なんというユーモア。あっけらかんとしているというか根が明るいというか、いいキャラだ。100年前の小説なので、現在では医学的に否定されている遺伝関係の描写があるのだが、それでも物語としての面白さは変わらない。