畔柳和代のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレあしながおじさんの続編。
ジュディの友人サリーが孤児院の院長として奮闘する物語。
あしながおじさん同様、サリーの書く手紙で物語が進んでいく。イラストがとっても可愛い。
サリーが新米院長として不満タラタラに(!)けれどガッツを持って働く姿、どんな困難にもユーモアを持って立ち向かう姿がかっこいい。
私は「先生」宛の手紙が一番好き。じれったいなあ、もう!とソワソワしながら読んだ。
そしてとびきりのハッピーエンドに、にっこりしながら本を閉じた。
正直、古い偏見に時代を感じる部分もあるけれど、(しっかりあとがきでフォローされていた)やっぱり心躍るハッピーなお話だった。
ただ、孤児院の子供にあてがわれたギンガムチェックの服が不満で、「ギンガムチェックの終焉!」とまで太字で手紙を書くサリー。
なんで!ギンガムチェック可愛いじゃないか…!!とそこだけ物申したい。 -
Posted by ブクログ
この作品は、続あしながおじさん、と銘打ってあるけど該当する人物が話しに関わってるのはほんの一部だけで、原書のタイトルはあくまで『Dear Enemy』であり、そこが最大の焦点ってとこは間違ったらいけないな、と、読後の今に改めて感じる。
無印では著者のウェブスターが実際に孤児・感化院で観察した人物のあくまでも理想形がジュディというキャラクターに投影されているように見え、続では集団そのものをまとめあげている人物サリーに加えて、その環境を包みこんでいるもう少し大きな社会を映し出そうとする著者の目線として描かれたもの、という意図のように思う。
これは前作と同じ世界線で書簡体形式というスタイルが同じなものの、1作品を通して読者へ語りかけてくるメッセージ性が大きく違っていて、無印があくまでも単純な『個人の想い』なら、続は『個人を殺して人に尽くす想い』に集約されている。
学生気分が抜けず社交界に染まりかけた、いい階級の女性が孤児院の院長として社会貢献をしながら自覚が芽生え、自己犠牲の精神を育んでいく成長過程が印象に残る。
余談ですが、この作品内で、エレン・ケイの名前がでてきた辺りで、話の雰囲気が山本有三っぽく感じる部分があって、お互いにどっちが先か後かはわからないけど影響を受けあっていたのかな?って邪推してました。個人的にはそうだとちょっとニヤッとする。そんな感じ。
-
Posted by ブクログ
あしながおじさんは子どもの頃に世界名作劇場アニメで見た。ジャービス視点で想像しながら読むと楽しい(*^^*)。
続あしながおじさんは、ジュディの友達のサリー目線のストーリー。始めはイヤイヤ孤児院を任されたけれど、子どもたちに向き合い孤児院の立て直しに奮闘するうち仕事に愛情が沸き前向きになっていく。好きな仕事を捨ててただの専業主婦になることに疑問を抱き、働きつつ本当に愛する人にも出会うこちらも素敵なストーリー。けれど今の世の中ではかなり引いてしまう思考(当時はそれが当たり前だった優生学)が散りばめられていて驚いた。
作者のジーンウェブスターは女の子を出産した次の日に亡くなったそうだ。旦那さんはひどいアル中だったそうだが、お嬢さんがどうなったのかとても気になるけど調べても分からなかった。 -
Posted by ブクログ
100年前に書かれた作品として考えるに、女性の社会進出や仕事に対する価値観を快活な主人公を通して描くことにより、当時の女性達の励みになったであろうと想像する、とても先進的なお話と感じます。それを抜きにしても快活で放らつな主人公が自分の生きる価値観に目覚めていく成長の物語として、恋愛小説としても純粋に面白いです。主人公の人間的魅力、言いたい放題の展開は書簡体を取ることで実現するものと感じました。
ユーモアも満載です。例えば、ジュディ一家が汽船に乗っているイラストとその解説がシュールで笑えます。イラストは上手でなないにしても味わいがありますね。
遺伝に関する間違った解釈等、現代では受け入れられないびっくりするような表現が登場しますがあえて原文に拘り翻訳されたことに敬意を評したいです。
精神を病んでいる人をパートナーに持つ人との恋愛は作者の体験に基づくものなんですね。終盤の不可解な閉塞感から一気にラストの展開を作るためのご都合とはいえ、リアル感があります。
続あしながおじさんという題名、原題名とはかけ離れており、ふさわしくはないけれどこの題名だからこそ出会えたと思うとアリですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学卒業後、なんとなく社交生活を送っていたジュディの友人サリーは、ジュディの夫であり孤児院の評議会会長の元あしながおじさんジャービス氏から院長に指名され、孤児院の改革を依頼される。
あしながおじさんの続編ということだが、主人公は交代し全然違うタイプの物語になっている。サリーは初めはやる気もなく早くクビにしてくれとお願いしており、次が見つかるまでのつなぎのつもりでいたが、次第に仕事にやりがいを持ち、自分らしさを見出していくようになり最後は結婚より仕事を選ぶ。大卒の半人前女子がだんだん仕事ができるようになり一人前の社会人になっていく様子と重なりますね。遊びに来てくれた彼氏が目の前にいると楽しいけど、さよならして目の前からいなくなるとすっかり忘れて仕事にのめりこむというのがおもしろい。
あしながおじさんは地面に足がついてない感じが拭えない夢物語だが、こちらは現代にも通じる働く女子のリアルな物語。訳者あとがきに書いてあるが、若干著者が重なる部分もあるようで。
100年も前に書かれた物語で、当時の時代背景を示す描写がいくつか出てくる。孤児院でもらわれていく子供としての理想像は、アメリカ生まれアメリカ育ち、金髪で青い目のピンクのドレスが似合う女の子だとか、慈善事業に従事する者に報酬はいらないという考え方は、今でもそれほど違いはない本音のように感じる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとっても素敵な本だった。
タイトル通り、『あしながおじさん』の続編。
あとがきにて、原題が「Dear Enemy」と知る。
読み終わってから知ると、おお洒落てるってなるけど、
読む前から知ってたらだいぶネタバレかも。
『あしながおじさん』とは違って、大きく派手で衝撃的な事件が後半に起こるのが印象的。
おや、これは…?と思い始めてから、ページをめくる手が止まらなくなってしまった。
『あしながおじさん』はザ児童文学!ってかんじだけど、
これは児童文学にしては大人向けかも。高校生以上くらいかなあ、面白さが分かるのは、と思った。
旧訳の感想読むと「差別的すぎて云々〜」っていう意見が目立っていたけど、そんなに感じなかった。
新訳版ってことで、むちゃくちゃマイルドになってるのかな。
あとがきを読んで、少しほほう、となる。
作者のジーン本人も、妻子ある男性と恋愛関係にあったらしい。
39歳で亡くなったのね。生きていたらもっとたくさん文学を書いていたかもと思うと、とっても残念。
もっと読みたかった。 -
Posted by ブクログ
私を含むアラフォー世代が子供だったころ、大多数の子供たちにとって、児童文学は読むものではなく、テレビで観るものだった。私たち世代のほぼ全員が、「ハイジ」や「赤毛のアン」や「トム・ソーヤー」について多少の知識を持っているのは、日曜夜のアニメ「世界名作劇場」の功績といっていい。海外の児童文学1作品を1年かけて放映するシリーズである。
バーネット作品からは『小公女』が取り上げられた。逆境を耐え忍ぶヒロインが最後は幸せになるという、西洋版「おしん」みたいな物語で、私はあまり好きになれなかった。ヒロインが優等生すぎて、共感よりも反発の方がまさってしまったのだ。「こんな子いるわけないじゃん」と突っぱねることで、大人に教化されるのを無意識に拒んだのかもしれない。
そんな私でも、同じバーネットの『秘密の花園』は楽しく読むことができた。まず、ヒロインのメアリが偏屈なワガママ娘という設定が面白い。もうひとりの主人公コリンときたら、メアリ以上に病んだ少年だ。両親の愛を知らず、ことなかれ主義の召使によってスポイルされてしまった子供たちが、「秘密の花園」を通して生きる力を取り戻す物語である。
うち捨てられた花園は、孤独な子供たちの心の象徴でもある。荒廃しているように見えても、心ある人が気を配り、正しいやり方でケアすれば、驚異の生命力で息を吹き返すのだ。花園の復活と連動するように、子供たちの心が解き放たれ、子供たちの成長によって、哀れな大人の魂が救われる。子供たちは大人に教化されるのではない。ムーア育ちの少年が、12人の子供を育てる母親が、ヨークシャーの大自然が、子供たちをあるべき姿に導くのだ。
世界名作劇場は20年以上も前に終わってしまったが、もし同じような企画があるなら、ぜひ『秘密の花園』を取り上げてほしいと私は思う。子供たちの成長物語はもちろん、20年間に進歩したアニメーション技術で、ヨークシャーの広大なムーアや、薔薇の咲き乱れるイングリッシュ・ガーデンを映像化してほしいと思うからだ。昔ならあり得なかった無愛想なヒロインも、今の時代なら割とすんなり受け入れられると思うのだが、どうだろう。 -
Posted by ブクログ
暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが…。苦境に負けない少女を描く永遠の名作。
読むのは小学生以来ですかね、あらすじは知っているけどなぜか引き込まれるし続きを読みたくなる。やっぱり名作は色褪せない輝きを持っています。新訳は無駄にひらがなが多かったりせず大人でも読みやすい感じ。気に入りました。ただベッキーの口調はどうにも乱暴な感じで少し違和感。いくら貧しい身分でもこんな口調なのかなあ?表紙、挿絵が酒井駒子先生でとっても素敵。動物たちや人形のエミリーもかわいい!リトルプリンセスであり続けるセーラの持ち前の気高さ、心根の素晴らしさに胸を打たれた。恵まれている自分の環境に感謝して、自分にできることをやれる人間でありたいなあ。解説も「窓」の物語のくだりなど、今読んで面白かった。 -
購入済み
あしながおじさんの続編。ジュディの親友サリーの視点から。孤児院の院長になるように頼まれて、100人以上の孤児がいる孤児院を切り盛りしていく様子を手紙の形式で描く物語。
-
Posted by ブクログ
小学生のころ毎週テレビで観ていた世界名作劇場の『秘密の花園』だと知らずに読んだ。
ムーア(湿原)の大自然、庭園が生命力豊かに描かれている。
メアリーがふわっと草木の香りをまとって家に帰る場面が特に魅力的に感じて、恵まれた自然環境を羨ましく思った。
やっぱり子どもは自然の中で太陽の光を浴びながら遊ぶのが一番!
生き物や植物との触れ合い、秘密基地、庭の修復作業、なんて自由で楽しそうなの。
どんどんメアリーとコリンが心身ともに健康になっていく様子を追うのは楽しかった。2人とも、元がひどくて不憫だったので。
探してみたら、YouTubeで世界名作劇場の『秘密の花園』がなんと1話からアップされていた。
内容全く覚えてなかったけど、「逆転タイフーン」の歌だけは未だに歌える、ってことは自慢しておきます。 -
Posted by ブクログ
19世紀イギリス。資産家の娘セーラは、インドで仕事を持つ父と離れ7歳で寄宿生となります。溺愛され贅沢な生活をしていた彼女ですが、驕らず優しく気高く、空想好きな少女。11歳の誕生日のその日、父親の死と破産の知らせが入り、彼女の生徒から使用人へと待遇が一変するのです。
文庫化されていて驚き。昔読んだ少年少女文学全集の翻訳と同じかは、全くわからないけど、覚えていたストーリーとほぼ同じ。記憶より寄宿舎の先生が意地悪だったけれど。
セーラは厳しい仕事理不尽な叱責に耐え、気高さを忘れない。そして、涙腺も強い。空想の世界に安らぎを求め健気に生きる。
うん。間違いなく永遠の名作。そして、再びセーラはプリンセスに戻れる事がわかっているので、安心して読めてしまうので、もう泣けない。