畔柳和代のレビュー一覧
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私を含むアラフォー世代が子供だったころ、大多数の子供たちにとって、児童文学は読むものではなく、テレビで観るものだった。私たち世代のほぼ全員が、「ハイジ」や「赤毛のアン」や「トム・ソーヤー」について多少の知識を持っているのは、日曜夜のアニメ「世界名作劇場」の功績といっていい。海外の児童文学1作品を1年かけて放映するシリーズである。
バーネット作品からは『小公女』が取り上げられた。逆境を耐え忍ぶヒロインが最後は幸せになるという、西洋版「おしん」みたいな物語で、私はあまり好きになれなかった。ヒロインが優等生すぎて、共感よりも反発の方がまさってしまったのだ。「こんな子いるわけないじゃん」と突っぱ -
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暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが…。苦境に負けない少女を描く永遠の名作。
読むのは小学生以来ですかね、あらすじは知っているけどなぜか引き込まれるし続きを読みたくなる。やっぱり名作は色褪せない輝きを持っています。新訳は無駄にひらがなが多かったりせず大人でも読みやすい感じ。気に入りました。ただベッキーの口調はどうにも乱暴な感じで少し違 -
購入済み
あしながおじさんの続編。ジュディの親友サリーの視点から。孤児院の院長になるように頼まれて、100人以上の孤児がいる孤児院を切り盛りしていく様子を手紙の形式で描く物語。
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小学生のころ毎週テレビで観ていた世界名作劇場の『秘密の花園』だと知らずに読んだ。
ムーア(湿原)の大自然、庭園が生命力豊かに描かれている。
メアリーがふわっと草木の香りをまとって家に帰る場面が特に魅力的に感じて、恵まれた自然環境を羨ましく思った。
やっぱり子どもは自然の中で太陽の光を浴びながら遊ぶのが一番!
生き物や植物との触れ合い、秘密基地、庭の修復作業、なんて自由で楽しそうなの。
どんどんメアリーとコリンが心身ともに健康になっていく様子を追うのは楽しかった。2人とも、元がひどくて不憫だったので。
探してみたら、YouTubeで世界名作劇場の『秘密の花園』がなんと1話からアップされていた。 -
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19世紀イギリス。資産家の娘セーラは、インドで仕事を持つ父と離れ7歳で寄宿生となります。溺愛され贅沢な生活をしていた彼女ですが、驕らず優しく気高く、空想好きな少女。11歳の誕生日のその日、父親の死と破産の知らせが入り、彼女の生徒から使用人へと待遇が一変するのです。
文庫化されていて驚き。昔読んだ少年少女文学全集の翻訳と同じかは、全くわからないけど、覚えていたストーリーとほぼ同じ。記憶より寄宿舎の先生が意地悪だったけれど。
セーラは厳しい仕事理不尽な叱責に耐え、気高さを忘れない。そして、涙腺も強い。空想の世界に安らぎを求め健気に生きる。
うん。間違いなく永遠の名作。そして、再びセーラはプリンセス -
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ネタバレ本作は『小公子』や『小公女』とともに、
バーネットが書いた児童文学の代表作のひとつです。
物語の作りが、良い意味でオーソドックスといいますか、
物語のひな形として基本形といった感じなので、それはそれで参考になります。
主人公である少女メアリがインドから本国に帰還してやって来るまでの邸の過去、
それも10年前に大きな悲劇があり、
その悲劇ののちの10年の経過でできあがった世界がまず構築されていて、
そこに主人公のメアリが飛びこませられる。
メアリ自身が偏屈で痩せぎすで問題のある子ですが、
彼女は邸に落ちついてから、
使用人のマーサとの出会いやムーアと呼ばれる邸の周囲の植生からの生命力みなぎる -
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優生学というものが、いかに善意によって広く浸透していったものであるのかが伺える。(私の勤務校では、司書さんの判断で閉架図書にされていました。その判断は極めて適切であろうと思います。予備知識のない子供に読ませたくないのは確か)
文体は軽妙洒脱。本当に、本当に面白くて夢中になって読んでしまう。サリーは(前作ヒロインの)ジュディに負けず劣らず魅力的。
そのサリーが、「ロレッタの風邪に砒素を処方してくださいとお願いしたい誘惑に駆られています…あの子はカリカックです。このままそだてて、社会が面倒を見ざるを得ない三百七十八人の家系を創らせてやってよいものでしょうか?」と書く衝撃たるや。
(せめても、犯 -
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下鴨アンティークの中で出てきた本。
小公女と同じ作者だったことをここで知る。
両親から放置されて、暴君じみたわがままなこどもになった少女メアリ。こんなに感じが悪いこどもは見たことがない、と何回書かれているだろう。
主人公がメアリと同年代なら確かに秘密の花園にわくわくするかも。
でも下鴨の登場人物が言った、読んで寂しくなったっていう記述もわかる。
登場人物のメアリもコリンも親に省みられなく、孤独なこどもだ。
コリンの母は、出産時に亡くなり、唯一の家族である父は妻を失ったショックのあまり、妻が好きだった庭を封印し、息子を避ける。
なんでも物を与えてもらえる代わりに、構われることもない少年が、 -
購入済み
子供時に見たセーラのアニメを、最近youtubeで見て本を読みました。アニメに日本人に合うように色々と変えあり、セーラの辛いエピソードが多いのです。原作は辛さよりセーラのプリンセスの誇りであり、その為に相手を見下したり、哀れみをかける所は共感できませんでした。西洋の価値観と違うと感じました。アニメに有る辛い事も感謝の気持ちで相手に接するセーラが子供時に感動しました。それが無かった事が残念です。