湯本香樹実のレビュー一覧

  • 岸辺の旅

    Posted by ブクログ

    静謐なお話の中に、思わず読みすすめてしまうものがあった。なんだろう。
    非日常な旅の中で描かれる日本の風景が、どれも「この風景見たことあるかも」というリアルな感じで、そのアンバランスからくるものなのかな。

    0
    2017年06月17日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    定期的に読みたくなる、ほんわかしたような、でも突き刺して来るような、なんとも表現しがたいジャンルの作品。普段は思い出さない(僕は思い出しまくっているが)自分の素になっている思いに繋がるからかも。
    後書きの佐藤渓の詩もかなり気になる。

    0
    2016年11月28日
  • 岸辺の旅

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不幸を背負い込むのはきらいだ。
    だけど、血とか肉とかになるのかもしれない。
    こころの奥へ。深く深く。

    0
    2016年12月05日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    ロクデナシの祖父が転がり込んできて、母と自分との三人暮らしに。恨みと愛情を同時に味わいながら静かに最後のときを迎える母と祖父。しんとした味わいのある話でした。盛り上がりはなかったけど。
    我が父もかれこれ30年会ってない。このまま会わなくて良い気もするし、会っても今ならば許せるような気がする。人間色々間違いもあるよなと思えるようになりました。

    0
    2015年10月19日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    著者の一貫したテーマ化と思われる子供と老人と死が子供の目を通して静かに描かれている。
    親は子を守り、子は親を頼って生きていくという図式が、ある時期から混沌となり最後には逆転する。悲しいけれど見方によれば当然やってくるそんな運命をどのように受け止めるかはそれぞれの考え方とそれまでの人生の歩き方による。

    0
    2014年09月01日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    西日の町での「てこじい」と母との思い出。大人になった僕が振り返る。
    てこじいと母親のやり取りは決して愉快なことではないが、心にしんみりと来る。西日という言葉がピッタリくる。

    0
    2013年01月09日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    生徒に借りた。児童文学??
    情景豊かとはこのこと。
    主人公の子供の頃を居酒屋とかで聞かせてもらってる感じ。

    てこじいもきっと一生懸命生きたんだろうなぁ。

    0
    2012年06月08日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    斜陽の停滞した町。歩みを止めた時間のその終焉。息を潜めた子供時代。
    終わってもなお続くもの、終わってやっと始まるもの。おしまいの時。
    見届けたから歩き出せた。
    舞台が北九州市のKで、Kを知ってると風景の空気が生々しく胸に突き刺さるけど、知らないとどう読めるのだろうか。

    0
    2012年06月02日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    『夏の庭』であまりにも有名な湯本香樹美氏の作品。娘がくれた本。
    現在は医者となった主人公が、十歳の頃、母と、母の父であるてこじいと過ごした日々を回想する物語。
    回想場面が中心で、そこは描写、物語の運びともうまいのだが、現在の場面ではやや不十分な感じが残った。
    勤務医として単身赴任しているのだが、大学で教え子に母の面影を見たりする場面では、教え子との今後の展開を感じさせるが、何も書かれず、尻切れとんぼだったりする。
    文庫版あとがきでは、なだいなだ氏が絶賛しているのだが、そうも思えず、なんだか腑に落ちない。
    うまいことはうまいんだけど…。中途半端に古い感じがした。
    『夏の庭』を輩出している人だけに

    0
    2011年07月22日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    夏の庭、ポプラの秋に続き読みました。でも最初の2冊ほどのインパクトはありませんでした。前の2作品は登場人物にそれぞれキャラクターがありましたが、今回は「てこじい」という主人公の祖父にしかキャラクターがたっていなくて、うーんと思いながらたんたんと読みました。物語の行き先も少しだけ解かりづらかった。前2作品は少年少女も読んで理解できるかもしれないけど、これは大人の物語かもしれません。行間を読むという感じ。期待が大きかっただけに、ちょっとがっかりでした。

    0
    2011年06月11日
  • 西日の町

    Posted by ブクログ

    この人の作品は、いつも胸に刺さる。
    優しくて切ない情景を見させてくれる。
    今回の作品は、他よりも一層寂しさが漂っているように感じた。
    短編小説ということもあって、一気に読み終えることができたが、少し物足りない印象が残った。

    短編小説(ヌーヴェル)は長編小説(ロマン)よりも、詩(ポエジー)に近いと、解説にあった。

    多くは語らず、少ない言葉で物語を深める。
    語られない物語を想像するのもこの物語の楽しみ方なのかもしれない。

    ん〜でも、もう少し語って欲しかったかな。

    0
    2011年02月17日