湯本香樹実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『夏の庭』であまりにも有名な湯本香樹美氏の作品。娘がくれた本。
現在は医者となった主人公が、十歳の頃、母と、母の父であるてこじいと過ごした日々を回想する物語。
回想場面が中心で、そこは描写、物語の運びともうまいのだが、現在の場面ではやや不十分な感じが残った。
勤務医として単身赴任しているのだが、大学で教え子に母の面影を見たりする場面では、教え子との今後の展開を感じさせるが、何も書かれず、尻切れとんぼだったりする。
文庫版あとがきでは、なだいなだ氏が絶賛しているのだが、そうも思えず、なんだか腑に落ちない。
うまいことはうまいんだけど…。中途半端に古い感じがした。
『夏の庭』を輩出している人だけに