武藤崇恵のレビュー一覧

  • 赤毛のレドメイン家

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    とても評価が難しい作品です。レビューを参照しても賛否両論で、「江戸川乱歩が称えた通りの名作」から「時間の無駄」まで様々です。共通するのは犯人の分かりやすさで、特に後半は作者自身あまり隠そうとしていません。逆に言えば犯人が分かってからも楽しめる内容にしてあります。また風景描写は良かったという意見も多く、イタリアやイギリスを旅しているような楽しさがあります。という評価を得ることから、文章自体は一定以上の読みやすさはあると言えます。
    低評価としては、犯行の理由に説得力がない、刑事が気づかないのがおかしい、探偵役の能力なら防げた犯行もある、などミステリ的な点や人物描写によるよものが多いです。
    私は古典

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    2024年09月22日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    原作は1924年、なんと100年前に書かれたもので新訳刊行された古典ミステリー。ミステリーとして秀逸だし、情景もありありと浮かぶような描写。世界に入り込むことができたし、面白かった。いっとき盛り上がった恋も永くは続かなかったり、ウソをつかれて激怒したり、今も昔も同じようなことで人は悩んだり苦しんだり喧嘩したりするものだなあ。

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    2024年06月05日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    ネタバレ

    解説を読むまで古典のミステリーとは思わなかった。
    医師のノートンはダイアナに一目惚れをする。それまでは伯父の元、順風満帆とも思える人生を歩んでいたノートンであったが、その恋に身を投じることにより、数奇な運命に導かれることとなる。
    最初はノートンとダイアナの恋愛パート。結婚する際にノートンがダイアナについた嘘「伯父の財産を相続できるだろう」というところから歯車が狂っていく。
    中盤はその嘘をめぐってノートンとダイアナの夫婦生活がうまく回らなくなることが描かれる。
    そして、ダイアナの謎の死。と、それの謎を解く名探偵が登場する本格的なミステリーに。最後の名探偵の推理までトリックが見破れなかったのが悔し

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    2023年02月19日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    「赤毛のレドメイン家」「闇からの声」と読んで、「誰がコマドリを殺したのか」にたどり着きました。イーデン・フィルポッツのミステリースタイルはここでも濃厚に出ています。緻密な心理描写を中心に展開しながら、いつの間にか作者の術中に嵌まるような体験です。ヴァンダインが賞賛したのも納得。名作。

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    2021年06月06日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    いやー、途中怖くて読み進めるのが躊躇われた。。。語り口も描写も好きです。やっぱりイギリスの推理小説は好きだなあ。
    後書きを読んだら、フィルポッツとはあのクリスティに書きかた教えてたって人がこの作家だったのですね。他の本も読みたいけど、書店には見かけないのが残念。

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    2019年01月14日
  • 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集

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    読み終わってしまった。フィルポッツがロシア的な作品書いてたなんて。凄いのは別人が書いたかのような、ロシア的な、ものだったこと。個人的にはショックだったけど(ロシア作品は読む前に覚悟が要る)、驚いた。
    それにしてもまだ未和訳が沢山あるらしいので期待。

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    2025年10月26日
  • 赤毛のレドメイン家

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    ネタバレ

    江戸川乱歩が猛プッシュしてた本なのでいつか読みたいと思ってた。
    確かに面白くて読み応えがあったけど、どうしても古臭く感じてしまった。
    推理小説という意識はすっぱり捨てて、普通の小説として読んだほうが楽しめる。
    登場人物が魅力的で、特にドリアが際立っている。一般にイメージするイタリア人そのままで、当時の欧州の人も同じような認識だったらしいのが微笑ましい。
    ブレンドンの間抜けさが読んでいてちょっとつらいものがあった。心情的にも状況的にも。
    あとはレドメイン兄弟の一人、読書家の人物像も興味深かった。今でいうオタク。
    トリック関連は現代人からすると厳しいものがあるので、当時どれだけ斬新で衝撃的なものだ

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    2025年09月05日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    前半部のゆったりとした空気は後半に至り打ち砕かれる。普通に見えていたはずの景色がくるりとひっくり返る様はなかなかに面白く、なるほどそういう事なのかと舌を巻いた。推理小説を読む楽しさとはこういうものだ。ありきたりな日常や、何かの事件、その裏にある真相が炙り出されて眼前に思いもよらない形で提示される。この作家を追ってみたくなった。

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    2025年04月08日
  • 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集

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    短篇集。どれもミステリの仕掛けとしては古いと感じる人がいるかもしれませんが、とにかく小説としての描写がとても上手い。
    物語の描き方というか、情景描写とか物事を描く順番(読者へ情報を提示していく順番)とかそういう点が素晴らしいので、そこを楽しむつもりで読むとグイグイ面白いですね。まぁ、この部分が肌に合わないと、なんだかちんたら冗長な描写が続く作品だなぁという印象になっちゃうのもそれはそれで分かるんですがね。私は好きです、こういう(あるいみ)文学的な小説。

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    2024年04月10日
  • 赤毛のレドメイン家

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     原著1922年刊。
     本格推理小説黄金期(の前期?)の名作の一つとされ、特に日本では江戸川乱歩の絶賛以来評価が高いらしい。
     冒頭の1,2章はちょっと読みにくさを感じ、あまり面白くないかなと思ったのだが、次第に物語に没頭させられた。
     ちょうど私は1泊2日の検査入院で、その空いた時間を本書がとても楽しませてくれたと思う。
     巻末の解説によると作者フィルポッツは普通小説の作家でもあったそうで、なるほど、本作は恋愛心理も追っていてそんな感じかもしれない。
     エラリー・クイーンのような謎解きパズル小説とは違って、かならずしも結末前に全ての情報が読者に開示されるわけではない。が、そんなに不満が残る訳

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    2023年11月09日
  • 赤毛のレドメイン家

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    余談ですが、今からちょうど100年前に書かれた作品。そんなに古い作品を読めるとは、今更ながら、文字ってすごいなぁと改めて思いました。作品自体は、驚くほどのどんでん返しがあるわけではありませんが、堅実な本格ミステリーだと思いました。アンソニーホロヴィッツの作品が好きな人にはオススメです。最後の犯人の手記は、当たり前のことながら、犯人視点なので、それだけ読むと倒叙もので、一冊で2度楽しめてなんか得した気分。主人公の刑事の無能ぶりが暴露されていて面白かったです。

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    2022年06月11日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    Who killed Cock Robin?マザーグースの歌に合わせて人が殺されていく話と思って読み始めたら恋が生まれ消えていくまでの儚いラヴストーリーだった!「一瞬に燃え上がる恋もあれば生涯続く恋もある。その後何があろうとその記憶は消えるものではない」若き医師ノートンは海岸で出会った美貌の娘ダイアナに一目惚れした。彼女のあだ名はコックロビン。ノートンは手に入れかけていた成功を投げうち燃え上がる恋の炎に身を投じる。しかし2人の運命は目まぐるしく変わっていく。ミステリの形を取るが事件と謎解きは最後の100ページに集約されている。これは2人の宿命的な恋と破滅の物語であり文学者、劇作家であるフィルポ

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    2020年11月22日
  • だれがコマドリを殺したのか?

    nao

    購入済み

    いやー、面白かったです
    どなたかも書いておられましたが、私も真相に気付いたのは探偵が閃いた時で、ああ!と思わず立ち上がってしまいました。
    前半の登場人物に関しての描写や、考え直すよう皆んなが説得する所、その後それぞれが自分を納得させる考え方など、現実的でとても興味深かったです。
    特に主人公の事なかれ主義というか肝心な時にちゃんとしない所が、馬鹿だわ馬鹿よこの男ーと思いながら読んでいたので、全然同情できなかったですね。
    とても面白かったので、この作者の他の作品も読んでみたいと思います。

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    2019年11月27日
  • 奥方は名探偵

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    コージー系でややロマンスもあり☆
    ヒロインが上流階級というのが珍しい。
    シリーズ1作目?

    エイモリーという変わった名前のヒロインは、上流階級の若奥様。
    夫のマイロはすごいハンサムで魅力的だがいささか放蕩者、旅行先の社交界で浮名を流しているため、夫婦仲は危機にひんしています。

    元婚約者のギルが訪ねてきて、妹の結婚を止めるために力を貸して欲しいと頼む。
    5年ぶりに会った彼は、彼女を恨むこともなく変わらずに穏やかで優しい。
    夫が勝手に旅行するなら私だってと、エイモリーは皆が集まっている海辺の町へ同行することにする。
    それを知った夫は嫉妬心むき出しで追いかけてくるのだが、その本心がエイモリーにはぜ

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    2016年09月05日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    ネタバレ

    あのヴァン・ダインが、英国ミステリーBEST11に選んだことで注目され、約50年間にわたって絶版のままだった入手困難本、ハリントン・ヘキスト(フィルポッツの別名)「誰が駒鳥を殺したか?」復刊されてたのね。この作品は、コマドリに共感できるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。ちなみに自分はまったく共感できなかった。それにこの結末はちょっとね、という人も多いでしょうね。恋愛サスペンスという趣であるが、トリックも奇抜で、本格ミステリーとしても十分楽しめた。それにしても新訳は古臭さがなく読みやすかった!

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    2015年10月28日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    この古っぽい地文が新鮮。不吉な未来を暗示して読者の興味を引き立てる一方、アンフェアな面も併せ持つ神視点の地文は、最近では珍しい。
    突っ込みどころ満載の御都合主義は否めないけど面白かった。

    ミステリーを読み慣れている割に、真相に気付いたのは探偵が閃いた時。もっと単純な顛末だと思って読んでいたので、気付いた瞬間ゾッとした。
    ダイアナの行動力と執念には感服するけれど、共感度は0。結局のところ、ダイアナはお金と贅沢な生活が欲しかっただけなのか。
    ノートンのことだけではなく、ベンジャミンのことも一過性の情熱と衝動だけで愛した気になっていたのでは。ただ、そのうち彼に飽きてもお金があるから一緒に生きていけ

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    2015年09月06日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    医者のノートンは、道で偶然出逢った美しい姉妹の一人、ダイアナに一目惚れし、恋の炎が燃え上がったまま結婚をするが…。もともと大執事のお嬢さんとして育てられたダイアナはノートンとの堅実な生活に耐えられず、さらに叔父さんの遺産が入ると嘘をつかれたと知り、ノートンを酷く憎むようになる。
    そのうちダイアナの体調がすぐれなくなり、ノートンら医者の治療も虚しく死んでしまうのだが、そこにはダイアナの恐ろしいまでの執念と復讐が残されていた。
    妻殺しの容疑をかけられたノートンだが、親友の私立探偵ニコルと再婚相手ネリーの兄、ノエルの活躍により、真相が明らかに。

    ダイアナが死んだところで、続きが気になりすぎて最後の

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    2015年08月05日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    恋愛ストーリーとも言える前半が面白かった。後半は真相を知りたいという欲求でぐんぐん読んでしまうが、解明してみれば、ええ?その動機でここまでやるぅ?そもそもあの嘘そんなに許せない?と私には納得いかないんであった。

    お金と愛は天秤にかけるものじゃないんだよ、コマドリさん。

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    2015年05月26日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    祝・復刊!
    小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。

    小学校時代に読んだ「だれがロビンを殺したか」が章タイトルの小説は、

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    2015年03月23日
  • 赤毛のレドメイン家

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    ネタバレ

    江戸川乱歩が絶賛したらしい作品。良くある探偵が被害者の美人に惚れ込み、彼女のために捜査に邁進していく。のはいいのだが、兎にも角にも未亡人命!すぎるため、言っては何だがちゃんと出来てるのかな…ていうのが前半の印象。そしてそれを刑事のメンタルをガンガン抉ってでも真実をさらけ出していく後半。まあ未亡人だろな…て思ったけど、追い詰められていく様はなかなか面白かった。ただ描写が長いので読んでて大変ではあった。

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    2025年04月16日