【感想・ネタバレ】だれがコマドリを殺したのか?のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年02月19日

解説を読むまで古典のミステリーとは思わなかった。
医師のノートンはダイアナに一目惚れをする。それまでは伯父の元、順風満帆とも思える人生を歩んでいたノートンであったが、その恋に身を投じることにより、数奇な運命に導かれることとなる。
最初はノートンとダイアナの恋愛パート。結婚する際にノートンがダイアナに...続きを読むついた嘘「伯父の財産を相続できるだろう」というところから歯車が狂っていく。
中盤はその嘘をめぐってノートンとダイアナの夫婦生活がうまく回らなくなることが描かれる。
そして、ダイアナの謎の死。と、それの謎を解く名探偵が登場する本格的なミステリーに。最後の名探偵の推理までトリックが見破れなかったのが悔しかった。

死体の摺り替えトリックには完全に騙された。ノートンが殺したとしても疑念がないくらいの心理描写があったように読めた。また、押さえきれなかったダイアナのノートンへの復讐心は死とともに完成するものだとも読めてしまい作者のミスリードにしてやられた感じがして、とても面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年06月06日

「赤毛のレドメイン家」「闇からの声」と読んで、「誰がコマドリを殺したのか」にたどり着きました。イーデン・フィルポッツのミステリースタイルはここでも濃厚に出ています。緻密な心理描写を中心に展開しながら、いつの間にか作者の術中に嵌まるような体験です。ヴァンダインが賞賛したのも納得。名作。

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Posted by ブクログ 2019年01月14日

いやー、途中怖くて読み進めるのが躊躇われた。。。語り口も描写も好きです。やっぱりイギリスの推理小説は好きだなあ。
後書きを読んだら、フィルポッツとはあのクリスティに書きかた教えてたって人がこの作家だったのですね。他の本も読みたいけど、書店には見かけないのが残念。

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Posted by ブクログ 2020年11月22日

Who killed Cock Robin?マザーグースの歌に合わせて人が殺されていく話と思って読み始めたら恋が生まれ消えていくまでの儚いラヴストーリーだった!「一瞬に燃え上がる恋もあれば生涯続く恋もある。その後何があろうとその記憶は消えるものではない」若き医師ノートンは海岸で出会った美貌の娘ダイア...続きを読むナに一目惚れした。彼女のあだ名はコックロビン。ノートンは手に入れかけていた成功を投げうち燃え上がる恋の炎に身を投じる。しかし2人の運命は目まぐるしく変わっていく。ミステリの形を取るが事件と謎解きは最後の100ページに集約されている。これは2人の宿命的な恋と破滅の物語であり文学者、劇作家であるフィルポッツは2人の、そして家族や友人達の心の内を丁寧に描く。そしてそれが事件の核心を解く鍵になっている。「恋愛期間の長さに関係なく、恋という得難い経験は人の性格に影響を及ぼす。その後の幸福感のために、あるいは苦悩のために」恋は苦しい。

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購入済み

nao
2019年11月27日

いやー、面白かったです
どなたかも書いておられましたが、私も真相に気付いたのは探偵が閃いた時で、ああ!と思わず立ち上がってしまいました。
前半の登場人物に関しての描写や、考え直すよう皆んなが説得する所、その後それぞれが自分を納得させる考え方など、現実的でとても興味深かったです。
特に主人公の事...続きを読むなかれ主義というか肝心な時にちゃんとしない所が、馬鹿だわ馬鹿よこの男ーと思いながら読んでいたので、全然同情できなかったですね。
とても面白かったので、この作者の他の作品も読んでみたいと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年10月28日

あのヴァン・ダインが、英国ミステリーBEST11に選んだことで注目され、約50年間にわたって絶版のままだった入手困難本、ハリントン・ヘキスト(フィルポッツの別名)「誰が駒鳥を殺したか?」復刊されてたのね。この作品は、コマドリに共感できるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。ちなみに自分はまったく共...続きを読む感できなかった。それにこの結末はちょっとね、という人も多いでしょうね。恋愛サスペンスという趣であるが、トリックも奇抜で、本格ミステリーとしても十分楽しめた。それにしても新訳は古臭さがなく読みやすかった!

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Posted by ブクログ 2015年09月06日

この古っぽい地文が新鮮。不吉な未来を暗示して読者の興味を引き立てる一方、アンフェアな面も併せ持つ神視点の地文は、最近では珍しい。
突っ込みどころ満載の御都合主義は否めないけど面白かった。

ミステリーを読み慣れている割に、真相に気付いたのは探偵が閃いた時。もっと単純な顛末だと思って読んでいたので、気...続きを読む付いた瞬間ゾッとした。
ダイアナの行動力と執念には感服するけれど、共感度は0。結局のところ、ダイアナはお金と贅沢な生活が欲しかっただけなのか。
ノートンのことだけではなく、ベンジャミンのことも一過性の情熱と衝動だけで愛した気になっていたのでは。ただ、そのうち彼に飽きてもお金があるから一緒に生きていけただろうけど。

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Posted by ブクログ 2015年08月05日

医者のノートンは、道で偶然出逢った美しい姉妹の一人、ダイアナに一目惚れし、恋の炎が燃え上がったまま結婚をするが…。もともと大執事のお嬢さんとして育てられたダイアナはノートンとの堅実な生活に耐えられず、さらに叔父さんの遺産が入ると嘘をつかれたと知り、ノートンを酷く憎むようになる。
そのうちダイアナの体...続きを読む調がすぐれなくなり、ノートンら医者の治療も虚しく死んでしまうのだが、そこにはダイアナの恐ろしいまでの執念と復讐が残されていた。
妻殺しの容疑をかけられたノートンだが、親友の私立探偵ニコルと再婚相手ネリーの兄、ノエルの活躍により、真相が明らかに。

ダイアナが死んだところで、続きが気になりすぎて最後の種明かしを読んでしまい、驚愕の真相を知った!ダイアナの復讐心、演技力はすごいです。結局はそれが行きすぎたせいで身を滅ぼすのですが…。登場人物たちも魅力的です。

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Posted by ブクログ 2015年05月26日

恋愛ストーリーとも言える前半が面白かった。後半は真相を知りたいという欲求でぐんぐん読んでしまうが、解明してみれば、ええ?その動機でここまでやるぅ?そもそもあの嘘そんなに許せない?と私には納得いかないんであった。

お金と愛は天秤にかけるものじゃないんだよ、コマドリさん。

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Posted by ブクログ 2015年03月23日

祝・復刊!
小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回...続きを読むは完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。

小学校時代に読んだ「だれがロビンを殺したか」が章タイトルの小説は、表題も内容も思い出せないが、どうやら『靴に棲む老婆』らしい。『エジプト十字架の謎』が面白かったので、他の話も読んでみようと思ったのだろうか。こちらも読んで確かめようと思っている。

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Posted by ブクログ 2015年08月26日

携帯やパソコン、もちろんスマホもDNA鑑定も存在していなかった1924年の作品だが古臭さを感じることはなく、終盤のカーレースまでぐいぐいと惹き付けられた。意表をつくトリックには驚かされたが、大執事という聖職にありながら娘たちの心がわからない厳格な父親、優秀で容姿端麗だが気の弱い研究者肌の開業医ノート...続きを読むン、美人で派手好み、いつも現状に満足できない気ままなお嬢さまダイアナなど一人ひとりの性格描写が実に練り上げられているせいか、あまり大きな違和感を感じることはなかった。ノートンのようなタイプの開業医には、経営を任せられる資産家の妻、有能で愛想の良い看護師が絶対に必要!と納得できる結末。どんなに科学技術が発展しても人間の考えることはあまり変わらないものなのかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年05月09日

ミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。
登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができま...続きを読むした。

ここからネタバレ↓
憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか?
ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪役でありながら強烈な魅力を放っている。ネリーも聡明で優しいし。それに対してこの小説に出てくる男性陣はちょっとかわいそうだったりイライラしてしまうようなキャラが多いかも。姉妹のお父様もあの結末を考えると可哀想だし

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Posted by ブクログ 2015年04月27日

これ、今でいうロマサスなんですかね?
事件が起こった時点で犯人も動機も分かるんだけど、きちんとそこまで導いてくれて面白かった。
こういう古き良きミステリの復刊は嬉しいなぁ。
突っ込みどころが多いのはお約束として、新訳の文章が雰囲気を残しつつ読みやすさも併せ持っていて良かった。
それにしてもコマドリム...続きを読むカつくw

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