【感想・ネタバレ】だれがコマドリを殺したのか?のレビュー

あらすじ

医師のノートン・ペラムは、海岸の遊歩道で美貌の女性に出会い、一瞬にして心を奪われた。彼女の名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”――。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが予測不可能な数奇な物語の始まりと知るよしもなく……。さながら美麗な万華鏡を覗くかのように、目まぐるしくその姿を変える事件。『赤毛のレドメイン家』の巨匠フィルポッツの魅力が凝縮された、ミステリ史に残る名編が、読みやすい新訳でここによみがえる。この結末に、あなたは驚かずにはいられない!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

解説を読むまで古典のミステリーとは思わなかった。
医師のノートンはダイアナに一目惚れをする。それまでは伯父の元、順風満帆とも思える人生を歩んでいたノートンであったが、その恋に身を投じることにより、数奇な運命に導かれることとなる。
最初はノートンとダイアナの恋愛パート。結婚する際にノートンがダイアナについた嘘「伯父の財産を相続できるだろう」というところから歯車が狂っていく。
中盤はその嘘をめぐってノートンとダイアナの夫婦生活がうまく回らなくなることが描かれる。
そして、ダイアナの謎の死。と、それの謎を解く名探偵が登場する本格的なミステリーに。最後の名探偵の推理までトリックが見破れなかったのが悔しかった。

死体の摺り替えトリックには完全に騙された。ノートンが殺したとしても疑念がないくらいの心理描写があったように読めた。また、押さえきれなかったダイアナのノートンへの復讐心は死とともに完成するものだとも読めてしまい作者のミスリードにしてやられた感じがして、とても面白かった。

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2023年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あのヴァン・ダインが、英国ミステリーBEST11に選んだことで注目され、約50年間にわたって絶版のままだった入手困難本、ハリントン・ヘキスト(フィルポッツの別名)「誰が駒鳥を殺したか?」復刊されてたのね。この作品は、コマドリに共感できるかどうかで評価が分かれるんじゃないかな。ちなみに自分はまったく共感できなかった。それにこの結末はちょっとね、という人も多いでしょうね。恋愛サスペンスという趣であるが、トリックも奇抜で、本格ミステリーとしても十分楽しめた。それにしても新訳は古臭さがなく読みやすかった!

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2015年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。
登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができました。

ここからネタバレ↓
憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか?
ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪役でありながら強烈な魅力を放っている。ネリーも聡明で優しいし。それに対してこの小説に出てくる男性陣はちょっとかわいそうだったりイライラしてしまうようなキャラが多いかも。姉妹のお父様もあの結末を考えると可哀想だし

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2015年05月09日

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