武藤崇恵のレビュー一覧
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祝・復刊!
小学校の図書室で借りたエラリー・クイーン(だと思う)の推理小説の章タイトルに「だれがロビンを殺したか」「ぼくだ、とスズメが言いました」とあったのが印象的で、ずっと心の底に覚えていた。幼い私はマザーグースが何たるかも知らなかったが、歌の通りに事件が起こる所謂童謡殺人に魅せられた原点だ。今回は完全にタイトル買い。間抜けな私はニコル・ハートが捜査を始めるまでトリックに気付かなかった。原語ならロビン、レンと渾名で呼び合うのは自然なんだろうけど、日本語訳のコマドリはともかくミソサザイは変てこに感じた。恋は盲目だとつくづく。
小学校時代に読んだ「だれがロビンを殺したか」が章タイトルの小説は、表題も内容も思い出せないが、どうやら『靴に棲む老婆』らしい。『エジプト十字架の謎』が面白かったので、他の話も読んでみようと思ったのだろうか。こちらも読んで確かめようと思っている。 -
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フィルポッツの新訳、しかも短編集というのに驚き。
乱歩の選ぶベスト10にフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』が選ばれていて、自分もそうだったが当時のミステリ好きならば大体読んでいたのが一昔前、いやもう二昔前のこと。『だれがコマドリを殺したのか?』が新訳で刊行されたときにも「今、フィルポッツ?」と思ったのだが、今度はまさかの短編集。時代で言えばホームズの頃なのだから、今読んだら古めかしいのではないかと若干危惧しながら読み始めた。
新訳ということで訳文、訳語自体に古さを感じさせないこともあり、全体としてとても面白く読むことができた。小説家としてミステリー以外にも多数の作品を書いているので、濃密な風景描写や心理描写にも味わいがあり、小説としての読み応えがある。
過去の出来事をまざまざと見ることのできる不思議な能力を持つ女教師の、過去と現在が交叉する体験を描く表題作『孔雀屋敷』、西インド諸島バルバロス島で起きた三人の変死事件を調査する部下の調査報告を基に、鮮やかな推理で驚きの真相を解明する『三人の死体』はミステリーとしての面白さに惹かれたし、何か一つのことに偏執的に取り憑かれてしまう性癖を持った男の告白「鉄のパイナップル」は、この時代にこんな性格の人物をこんな形で描いていたのかとの驚き!でお気に入り。
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携帯やパソコン、もちろんスマホもDNA鑑定も存在していなかった1924年の作品だが古臭さを感じることはなく、終盤のカーレースまでぐいぐいと惹き付けられた。意表をつくトリックには驚かされたが、大執事という聖職にありながら娘たちの心がわからない厳格な父親、優秀で容姿端麗だが気の弱い研究者肌の開業医ノートン、美人で派手好み、いつも現状に満足できない気ままなお嬢さまダイアナなど一人ひとりの性格描写が実に練り上げられているせいか、あまり大きな違和感を感じることはなかった。ノートンのようなタイプの開業医には、経営を任せられる資産家の妻、有能で愛想の良い看護師が絶対に必要!と納得できる結末。どんなに科学技術が発展しても人間の考えることはあまり変わらないものなのかな。
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Posted by ブクログ
ネタバレミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。
登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができました。
ここからネタバレ↓
憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか?
ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪役でありながら強烈な魅力を放っている。ネリーも聡明で優しいし。それに対してこの小説に出てくる男性陣はちょっとかわいそうだったりイライラしてしまうようなキャラが多いかも。姉妹のお父様もあの結末を考えると可哀想だし