武藤崇恵のレビュー一覧

  • 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集

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    ミステリ。短編集。
    有名だが初めて読む作家。
    事件自体は起きるが、ミステリ的な謎解き要素は薄め。
    情景や人の感情を丁寧に描いている印象を受けた。
    「三人の死体」は謎解き要素が強めだが、被害者の性格を根拠に事件を解決するというのは、登場人物を丁寧に描く著者の特徴が出ているようにも思う。

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    2025年02月12日
  • 赤毛のレドメイン家

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    イタリアやイギリスの美しい風景の中を、旅行するような気分でミステリーを楽しめました。

    《自分ひとりに都合のいいようにものごとが進んでいたら、すぐさま疑ってかかったほうがいい。これは仕事でも人生でもおなじことだ》―ピーター・ギャンズ


    江戸川乱歩さんが本作を激賞し、翻案したのが『緑衣の鬼』だそうです。
    そちらもおすすめ。




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    2024年11月24日
  • 赤毛のレドメイン家

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    あの江戸川乱歩がミステリーベスト10に入ると絶賛した本作。期待値が大きかっただけに、そこまでの衝撃は受けなかったが、発表されたのが1920年代ということを踏まえると、歴史に残る小説だと感じた。前半の探偵役ブレンドンと後半の探偵役ギャンズの対比も物語の深みを増していると感じた。

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    2024年02月16日
  • 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集

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    アイデアストーリーとしては古びてしまっているし、枝葉の部分が多すぎたりする筋の展開は、あまりにも悠長。昔のお話だなあという感じで、今時の読者にはいらつく人もいるだろう。そうしたことを全部ひっくるめて古き良き英国エンタメ小説として楽しめるか、といったところ。ホームズ譚とか好きな人なら逆にマスト。

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    2023年12月11日
  • 孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集

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     フィルポッツの新訳、しかも短編集というのに驚き。
     乱歩の選ぶベスト10にフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』が選ばれていて、自分もそうだったが当時のミステリ好きならば大体読んでいたのが一昔前、いやもう二昔前のこと。『だれがコマドリを殺したのか?』が新訳で刊行されたときにも「今、フィルポッツ?」と思ったのだが、今度はまさかの短編集。時代で言えばホームズの頃なのだから、今読んだら古めかしいのではないかと若干危惧しながら読み始めた。

     新訳ということで訳文、訳語自体に古さを感じさせないこともあり、全体としてとても面白く読むことができた。小説家としてミステリー以外にも多数の作品を書いているので、

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    2023年12月08日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    携帯やパソコン、もちろんスマホもDNA鑑定も存在していなかった1924年の作品だが古臭さを感じることはなく、終盤のカーレースまでぐいぐいと惹き付けられた。意表をつくトリックには驚かされたが、大執事という聖職にありながら娘たちの心がわからない厳格な父親、優秀で容姿端麗だが気の弱い研究者肌の開業医ノートン、美人で派手好み、いつも現状に満足できない気ままなお嬢さまダイアナなど一人ひとりの性格描写が実に練り上げられているせいか、あまり大きな違和感を感じることはなかった。ノートンのようなタイプの開業医には、経営を任せられる資産家の妻、有能で愛想の良い看護師が絶対に必要!と納得できる結末。どんなに科学技術

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    2015年08月26日
  • だれがコマドリを殺したのか?

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    ネタバレ

    ミステリの古典的名作ということで読んでみた。前半はミステリというより熱烈な恋に落ちた男女とその顛末を描く愛憎劇。しかし女性の方が不可解な死を遂げ、それが1年以上経ってから事件は動き出す。
    登場人物達の心理描写がしっかりしていたので謎解き部分が物足りないきらいはあったけど、最後まで読み通すことができました。

    ここからネタバレ↓
    憎しみと愛は表裏一体であるならば、ダイアナにとってやはりベンジャミン卿は本当に愛する人とはならなかったということ。それで巻き込まれて人生を台無しにされてしまったのだからある意味彼もかわいそうと言えなくもないか?
    ダイアナの意志と決断力、そして実行力はその美貌と相まって悪

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    2015年05月09日