古草秀子のレビュー一覧
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邦題はややズルい。このタイトルから読者の多くが期待するであろう「いつ、なにをするのが、教育において効率的・効果的なのか」については、中室牧子「学力の経済学」のほうが良書。
ただ、学力の経済学も本書は参照・引用しており、本書の内容も興味深い。
本書はどちらかというと論文である。いや、アメリカ世界における諸問題・格差が幼少期の教育の充実(より正確には教育への政府の介入)により縮小・改善できるとする政策提言である。ちなみに原題(そして第1章のタイトルでもある)は「子供達に公平なチャンスを与える」。まさにこういうことが書かれている政策提言なのである。
著者は幼少期の教育的介入に関する実際に行われた二つのプログラムを論拠に、その効果・効率を論ずる。
第2章では各分野の専門家が、これについて評しており、第3章はそれへの著者のレスポンスだ。
著者の提言には理はあるが、第3章における自分への批評的意見への反駁(というか、ともすればやや感情的とも取れる反発)と肯定的意見への賛辞を見ると、正直やや冷める。論文の客観性が揺らぐ気がする。その点が惜しいので-1。
繰り返すが、多くの乳幼児を持つ保護者が、子の幼少期の教育について、学術的・統計的に有意な方策を知りたいのであれば、冒頭で紹介した他書をお勧めする。 -
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就学前(6歳まで)までに、貧困層に対して、忍耐力や協調性といった、非認知能力を高める教育を実施することで、将来の所得向上、生活保護費低減、犯罪率低下など、経済的かつ社会的にメリットありますよ、というのを、実験を踏まえて証明したヘックマン教授の成果を、わかりやすくまとめた本。ちと読みにくかったが、内容は理解できた。
公的資金への投入にフォーカスしているが、数十年単位の長期投資のため、なかなか資金投資しにくい問題がありますよねー。
民間で小さなビジネスモデルを作り、公を交えて普及、高所得から利益を得て、低所得を実質無料、的なモデルが作れないかー、webの広告モデルみたいに、リアルな広告モデルが作れないかなー、と最近思っております。
本書を読んで、ターゲットを絞れば、経済効果を高められ、試算もできるようにすれば、始められるきっかけになるかもですね。難しそうですが‥ 追跡40年やし
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「内向型」「外向型」は性格心理学の研究の蓄積があるのものの、定義が学問的には難しいものらしい。
低刺激を好む内向型と、高刺激を好む外向型。
両者は補完しあう関係という、至極穏当な主張をしているのだが、やはり極端に外向型を尊ぶ価値観のアメリカでは、かくまで内向型を称揚しないと、バランスが取れないんだ...と思わされる。
この本は、ある種のアメリカ社会論として読んだ方が面白いかもしれない。
ヨーロッパ的な権威を否定しながら文化を創り出した歴史的な経緯から、活動的な外向性を尊重するようになったそうだ。
内向型の人たちが、外向型を装いながら生きざるを得ないことや、内向性を尊ぶアジアからの移民や留学生がどんなに過小評価されるかは、想像を超えるものがあった。
本書の最後の方は、内向型の子供をどう伸ばすかという、教育論になっていく。
最近日本でも協同学習ばやりだが、それがアメリカ的方法論だと本書にあった。
じっくり深く考えることが得意な内向型の子供の特性を殺してしまうのだとか。
考えさせられる内容。
内向型は一人になって休む時間が必要だという話は、内向性に比較寛容な日本社会にいる私にとっても、少し心が軽くなる。 -
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ネタバレ名犬チェットと探偵バーニー第二弾。ドッグショー優勝候補犬の警護を依頼されたものの、あっという間にクビになったチェットとバーニー。ところがその飼い主と犬があっという間に誘拐され、二人は捜査に乗り出す。今回もチェット絶好調。重要な場面でも猫が現れたらそっちに気を取られ、捜査中も動物や食べ物の匂いに釣られ何をしていたのか忘れちゃう。こいつは怪しい悪者だって思っても、美味しいものもらったり褒められたりすると、あれ?なんだかこいつが好きになってきたとすぐ考え直す。なぜなら犬だから!バーニーは探偵としても相棒としても最高なんだけど、酔っ払った勢いで先物取引に手を出して痛い目にあったりしてる。タフでクールで情に篤くて、程よく間抜け。なんと素晴らしいコンビなんだろ。もはやアメリカではシリーズ8冊まで出てて、チェットはツイッターやフェイスブックもやってるそうだ。わかる。すごくわかるぞ!次巻も楽しみだ。
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名犬チェットと探偵バーニーシリーズの第二弾。
彼らのデビュー作である、「助手席のチェット」が最高に面白かったので、否が応でも期待が高まります。
一人の男をチェットとバーニーが追い詰め、首尾よく事件を解決したところから、物語は幕を開けます。
相変わらず、探偵事務所の家計は火の車であるものの、少しまとまったお金が入ったことで、彼らはささやかな祝杯をあげます。祝杯の席では、旧知の間柄のスタイン警部補から、かなり割のいい仕事も紹介してもらい、ここまでは順調だったのですが。
"あれっ、ひょっとしてなにか失敗をしでかしたか?"(本文63ページ)
という失態をチェットがやらかして、割のいい仕事をフイにしたところから、二人は(いや一人と一匹は!?)思いがけない事件に巻き込まれていくことになります。
今回は本筋の事件以外にも、様々な不運やトラブルが連続します。
バーニーが先物取引に手を出す、バーニーが初っ端からスージーともギクシャクする、元上司であったはずのスタイン警部補とは、前作のニックとほどは良好な関係には見えず…
まとめると、バーニーのダメダメな部分が目立つということになるのかな。
そんな彼をとことん愛し、尊敬し、心配するチェットの健気さや可愛さが前作より際立ってみえますね。
でも、やっぱり探偵コンビとしての彼らは最高にクールなんです。
依頼を受けた時のチェットの言葉にしびれます。
"ぼくの頭に一つだけ考えが閃いた。新しい仕事の始まりだ。"(本文32ページより)
ユーモアミステリーという猫を被った、失礼、犬を被った上質のミステリー、皆様もお楽しみください。 -
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動物好きなら絶対読むべし、ということで、本屋さんの棚から手に取ったのが始まり。語り手は、探偵バーニーの飼い犬チェット。つまり、犬の視点で読者も事件を追いかけていくことになるんです。読書に没頭しているあいだは、すっかり「犬族」の仲間入りをしていましたよ。警察犬の試験にあと少しで合格していたほどの勇気と才能あるチェットが、バーニーの事件を手伝うはずが・・・そこは、やっぱり犬なので、つい食べ物に目がくらんで、証言を聞きそこなったり、すぐに大事な手掛かりを忘れてしまったり。でも、そういうところが逆に面白くて。犬になったつもりで、ハンバーガーのかけらを、拾い食いしちゃったり、犯人にがぶりと噛み付いてみたりしてみては?
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夫婦ゲンカで男はなぜ黙るのか
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
本の表紙にあるような「衝撃の事実」は特に出てきませんが、今の日本においても大事な視点だと思います。
3パートに分かれており、第1パートでヘックマンの主張、第2パートでそれに対する識者の批判、そして第3パートでそれに対するヘックマンの再主張のような構成で、構成の仕方はおもしろいなと感じました。第2パートで「ヘックマンの主張には賛同するし、大事なことでもある。が、〜の視点が足りていない」といったいろいろな批判が載っており、それを入れているところが特にこの本の優れているところだと思います。第3パートでは、「見当違い」とか「全然当たらない」のような反論があるところがちょっと笑えましたけれど。 -
Posted by ブクログ
・片付いたところとカオスなところのどちらがクリエイティブになるかは人による
→それを知るために片付ける
・ものがあふれる
→モノ・情報・スケジュールに圧倒され「コントロール感」が低減
→コントロール感が減ることで、不要なものを手に入れる傾向が出る
→捨てることを考えるのも負担
→捨てることを先延ばしにしてしまう
・片付け後をイメージする
→片付け後の毎日が映像で思い浮かぶくらい詳細に考える
・仕事場の整理はときめくモノだけが残るわけではない
・残るモノは
1:それ自体にときめく
2:機能面で役立つ
3:自分のときめく未来につながる
・気に入らないものを捨てることはときめきをもたらすわけではない
→ときめくモノを残すというポジティブな面にフォーカスしたい
・書類の片付けで迷った時
それは、どんな場面で必要になるものですか?
その書類はいつ頃から持っていますか?
どれくらいの頻度で見返しましたか?
同じ内容はネットで見れませんか?
PCの中にデータで保存されていませんか?
この書類がなかったとしてどれくらい困りますか?
本当にときめきますか?
・机の中にあるかないかわからないモノを延々と探すより、ないことを早めに自覚した上で、解決のために行動する方がずっと短く済む。
・ときめきを感じられない仕事を山ほど抱える必要はない。
働くのが楽しいと感じられなければ、それは何らかの変化が必要なサインだ。
仕事にもっと多くの喜びをもたらす鍵は、ときめきを感じる活動に時間を割き、そうでない活動の時間を減らすことです。
・マルチタスクは同時に複数の作業をしているのではなく、とっかえひっかえ中途半端な作業をしているだけ。
・このタスクは自分が働く上で続ける必要があるか、それほど重要なのか。このタスクは、昇給や昇進スキル向上など、ときめく未来を実現する手助けになるか。このディスクはときめきを感じさせ、仕事にもっと多くの満足をもたらすか。
・上司は、あなたが毎週提出するレポートをちゃんと読んでいますか?意思決定に反映させていますか?自分の仕事の有益性を評価するには、それらの点を確認すればいい。
・研究によると、新たな責任を負ったり、自発的に同僚を手助けしたり、正式な許可のいらない本業とは別の事をしたりすると、仕事の満足感が増すそうだ。
・決断には高リスクの決断、中リスクの決断、小リスクの決断がある。高リスクの決断。と。重要性が強い中、リスクの決断に集中すべき。どれに時間とエネルギーを投じるかの選択にこだわる。
・たいていの決断は完璧でなくて充分。いつも完璧な決断をしなきゃいけないという考えは捨てよう。
変化の激しい世の中では、どれほど素晴らしい決断も、その完璧さは長続きしないかもしれない。
・完璧主義に陥るのを避けるために。決断にかける時間を限ろう。考えすぎや行き過ぎた議論は時間や労力の無駄になる。
決断の結果として得られるものは、往々にして期待したほどではない。
・自分が心地よくいることが自分の人生をより豊かにし、巡り巡って多くの人に貢献できる自分になれると信じて、違和感のある人間関係を感謝しながら手放そう。
・この会議は自分の仕事に必要だったか?
例えば書類を読んだだけでは知ることのできない有益な情報が得られたか?
重大な問題を解決するのに役立ったか?
何らかの判断や計画策定や行動の糸口を作ったか?
行かないと上司が怒るから出席したのか?
毎週開かれているが本当に必要なのか?
理想のワークスタイルに近づくために役に立つのか?
例えば、キャリアアップのためになる何かを学べたか?
ときめきをもたらすか?
例えば、同僚たちとの繋がりが深まったか?
楽しかったか?
これらの条件に一つも当てはまらないなら。その会議は捨ててしまおう。ただし、その際、感謝の心を忘れずに。
・学ぶことも貢献できることないとわかった会議については、出席をやめる方向で検討しよう。
チームの良き一員であるためには、会議に出るかどうかよく考えて、必要がないと思えば丁寧に断る方が良い。
一般的な従業員であっても出る価値のある会議かどうかを自分で判断し、上司に臆せず伝えよう。
「この会議に出席したら、株主の利益になる仕事をする時間を奪われることになります」
・会議の大まかな目的や当面の議題を教えてくれるように頼んでみよう。また、こう訪ねるのはどうだろう。
この会議を成功させるために、私はどんな貢献ができますか?この会議のために、どんな準備をすればいいですか?
そうした質問は、その会議でのあなたの役回りをはっきりさせるための、簡潔でリスクが低い方法です。
もしそれでも打つ手がなければ、申し訳ありませんが、メンバーから外してもらえませんか?と丁寧に頼もう。自分はその会議に出席すべきではないと伝えるのだ。
・片付けと考えず、インテリア作りと思えばいい。
・今の仕事の様子を分解し、何にときめいて、何にときめかないか、自分でコントロールできることができないことかを考える。
・仕事の優先順位だけでなく、誰と時間を過ごすのか?という優先順位を徹底的に明確にする。一位は自分、二位は家族、 3位は仕事仲間、 4位に客。
・ときめく仕事とときめく未来につながる仕事により応力をかけてやらなければならない仕事は極力時間をかけないのが基本方針。
・どんなに小さいタスクであっても、その仕事の意義を理解した上で取り組むと、ときめき度とやりがいは格段にアップする。
・仕事も人生も、自分の決断の積み重ねでできている。この講演会も、もともと私がやりたいと思って引き受けたし、アメリカに会社を立ち上げたのも私がやりたくてやったこと。すべて自分のメソッドを広めて、一人でも多くの人にときめく人生を伝えるために、自分で選んだ道なのだと。
・何の仕事をしているかよりも、どんな感情で仕事をしているかの方が大事。 -
Posted by ブクログ
幼児期に教育上の介入を行うことが、それより上の世代に行うよりも効果が高いという主張。効果は何%の投資効果があったというような経済的な指標で述べられるが、これは、単に教育が将来の収入を増やすということではなく、政策立案において幼児教育への介入がコストパフォーマンスが良いという意味を含むと思われる。
本書は、第1章で著者の主張を紹介した後、第2章で専門家によるコメント(批判的なものが多い)を紹介している。そして、最後の第3章で、それに対する著者の反論を示す構成となっている。
批判に対する回答を示すことで著者の論の説得力が増す、というのを意図しているのだと思われるが、、、第3章の反論が不十分で、説得力を損なっているように私には感じられた。
特に、「著者の主張の元となる研究は小規模かつ幼児教育の推進者によって行われていたため、バイアスが入る余地がある。一方、その後に行われた、似たデザインでより大規模な研究では、教育の効果が十分認められなかった」という批判は重要だと考えるが、それに対する有効な反論を著者はできていないように感じた。
実際には私の理解不足なのだろうが…でも、本書だけを読んだ印象としてはこんな感じ。
解説は本書を要約し、日本における状況も説明しており、わかりやすい。最初に読んでも良いかもしれない。
教育効果を定量的に計測して有効なものを社会として採用しよう、という気運自体があまり無いような気がするので、精神論だけでなく、こういった研究に目を向けるのは大切だと思った。