宮沢章夫のレビュー一覧

  • 時間のかかる読書

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    11年間かけて読みといた、「時間のかかる読書」をたったの2、3日で読んでしまっては申し訳なく、罪悪感を覚える。
    が、なんといっても面白かった。とまらなかった!
    「機械」を読んで思った感想を頭に入れて読み始めたけれど、この話をこれほどまでに考え、疑問を掘り下げると、こんなにも違った感想を持てるのかと、感動すらした。
    はたしていままで、何冊の本をここまで考えて読んだだろうかと思った。もしかして一冊もないのではないだろうか?
    「機械」にしても、ただ変なわけのわからない展開だなあーと思うだけで終わっていた。
    ひとつひとつの文章に頷き、一緒に考え、なんだか読書会をしているようでした。

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    2024年09月03日
  • 長くなるのでまたにする。

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    2022-2023年末年始にわたくしが読んだのは2015年単行本版である。

    2022に亡くなった宮沢さん。ほんとに惜しい人をー。
    NHKラジオ「すっぴん」に出てた時にはちょっとおかしな人くらいにしか思っていなかったけれど…。すみません。

    「稽古場レポート「舞台とその周辺」」で、シティボーイズの方たちとの舞台の稽古風景が書かれているが、シティボーイズの3人がもう60代でとにかく休みたがって、流しで少し稽古してもすぐにタバコを吸いにいってしまって、自分の出番になると喫煙所から直接やってくる、というエピソードがある。
    宮沢さんが亡くなってすぐの高橋源一郎の飛ぶ教室で、大竹まことさんが台本通りにや

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    2023年01月03日
  • 長くなるのでまたにする。

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    普段、結論から話さないと気が済まないのだが、
    敢えて結論を出さない宮沢章夫氏のエッセーが好きで、ほとんど読んでいる。
    いつもどおり、期待せずに読む。
    最初はまぁまぁ、中盤から「プッ」と
    思わず笑ってしまう話がいくつもあって、一気に読みすすむ。

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    2018年09月02日
  • NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

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    サブカルチャーとは何か?きっと人によって答えは違う。YMOに代表される80年代テクノと主張する人もいるだろうし、近年はアニメ色が強い。筆者はその定義を「逸脱」と宣言。それは王道の文化が優れているという上下の概念ではなく別の見方を得て視点を広げること。驚異的な情報量の年表も面白い!

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    2015年05月02日
  • 茫然とする技術

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    色々な所で連載・掲載されたたエッセイをまとめたもの。今回はカタカナ英語あり、PC関係ありとバラエティに富んだ内容となっていますが、中味は至っていつもの宮沢ワールドです。つい見逃しがちな日常に潜むおかしなことをモチーフにボケたり、
    ツッコんだり著者ならではの演劇的なタッチを堪能できると思います。

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    2011年11月17日
  • 茫然とする技術

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    一番最初に買った宮沢さんの本。
    高校の時の親友にすすめられて読み始めて以来のファン。
    ありがちょう、山田。

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    2009年10月04日
  • 茫然とする技術

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    なんだこの本は!とんでもない本に出会ってしまった。シュール好きには感無量の1冊。表現の仕方1つでこんなにも世界が広がるものなのか。ボクにとっては座右の書。

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    2009年10月04日
  • 茫然とする技術

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    誕生日にもらった本。初めて読んだ宮沢章夫で、宮沢章夫の中で一番好きかも。電車の中で読んでしまって大変なことになった。

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    2009年10月04日
  • 茫然とする技術

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    宮沢章夫さんのエッセイはサイコウです。原田宗典さんと比較すると勢いはないのですが、ゆるゆると独特の世界に引き込まれて、気付いたときには「たばかられた!」と驚くこと請け合い。
    独特の三段論法、癖になります。

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    2009年10月04日
  • 時間のかかる読書

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    1時間で読み切れるくらいの短編「機械」を11年余りかけて読み、内容について深く分析した内容がまとめられていました

    近所の本屋でオススメされてて、気になり購入

    巻末に、その「機械」という作品が付録されているので、先にそれを読んでから本編を読んでも良いし、後からでもいいと思います…(私は後で読みました)

    「機械」と言う作品は、句点や改行が極端に少なく、主人公の「私」が一人称で語り続ける文体

    その語り口調や話の流れが歪み続けていて、つながりがあるようで無いような、そんな感じなので、分析しがいのある作品だったのかもしれません

    読めば読むほど疑問が湧き、著者なりの解釈で紐解かれていて面白かった

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    2024年10月25日
  • 時間のかかる読書

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    ネタバレ

    「機械」という短編を11年もかけて読みその過程を綴ったもの。
    こんな読書の仕方もあるのかと衝撃を受けた。
    速読が全てではない。
    ゆっくり読んで内容をかみしめ味わうことこそ至高の読書体験。
    冊数に囚われず、何を読み何を感じ何を得たかに重きを置けるようになりたい。
    真剣に考察したり、妄想を広げて 脱線したり…。
    著者の本に対する熱量や愛を感じた。
    自分もこんな読書体験をしてみたい。

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    2024年09月26日
  • NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

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    サブカルチャーは和製英語だと思っていたが、れっきとした英語だった。既存体制に対する怒りをエネルギーにして発展した「本流とは違う」文化を指す。日本のサブカルチャーもそうした怒りをエネルギーにスタートしているが、その後は独自の発展を遂げている。怒りというよりは「逸脱」であり、オタク、クールジャパン、ポップカルチャーなどを巻き込んで変遷していった過程を劇作家の宮沢章夫が語る。

    昔は映画、音楽、演劇、漫画が主で、現在では他の要素も多く含んでかなり身軽なもの、大衆的であり「サブ」というよりは世間の大多数が嗜むものに変化していっているようだ。

    本書の半分以上は1945~2014年の「サブカルチャーの履

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    2024年07月15日
  • 時間のかかる読書

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    もし本書を読まずに『機械』だけを読んでいたら、主人がお金を落とすというのは、落としたと称して実際は誰かにあげてしまってるのかな、と解釈したかもしれない。「困っているものには自分の家の地金を買う金銭まで遣ってしまって忘れている」という記述や、夜中に細君の部屋に忍び込んでお金を盗るくだりなど、その解釈が暗示されているフシもある。
    ...が、そんな平凡な読み方など一切せず、主人は持ったお金を文字通りに「落とす」という前提で話は始まる。最後まで飛躍的で強引な想像ばかり重ねながら、その点だけは他に解釈の余地がない。なるほど、そこが『機械』のツボであり、無限に楽しく読み続けるコツなんだな..と思ったりした

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    2024年05月19日
  • 時間のかかる読書

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    読み終わった。読み終わったよ。
    時間かけようと思っていたのにあっというまだった。本編が気になってばっと一気よみしてしまって、どう解説?書くんだろう!と気になって読んでしまった。
    ああ。少しずつ読もうとしてたのに。

    狂人のこと、意識のこと、読書のこと。

    一番面白かったのは詩の速読の意味のなさ、というところでそれが面白かった。
    読書という時間の無駄をさらに時間をかけてあれやこれや考えて読むという、非常にスリリングな企画だ。
    一冊くらいこんな読み方してみたい。

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    2020年09月23日
  • NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

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    サブカルチャーを、米国での誕生から説き始め、日本での変遷を10年刻みで、年代ごとにおっていく。詩、映画、ラジオの深夜放送、音楽、演劇、ファッション、企業のメセナ活動にいたるまで、著者の体験を交えて語られている。Eテレでの放送をほとんど見逃してしまっていたので、本書が出版されてよかった。著者が最後に述べた、中学2年生のクラス40人のうち、37~38人は同じ方向を向いているが、2~3人は他を見ている、そのことについて語りたかったというのが、印象にのこった。

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    2015年01月26日
  • 茫然とする技術

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    "呆然"ではない。初期のエッセイなのか、とりあえず無茶な仮定を持って来てぼやくというスタイルが確立されている。90年代中旬なのでちょっと古いけど、コンピューターとの格闘をここまでだらしなく、じゃない、だらだらと熱意を持って書ける人もほかにいまい。

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    2012年02月04日
  • 茫然とする技術

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    いつもながらの、この「落とされ方」は、好きなヒトにはたまりません。
    又は、「連れて行かれ方」というか。

    人生、よくわからないままでもいいじゃないか、と思えたり。
    人生、実のところこんなことが真理かもしれない、と勘ぐってみたり。

    考えすぎるもよし。
    考えてもムダだと味わうだけでもよし。
    宮沢章夫は私には二度オイシイ。

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    2010年10月27日
  • 『資本論』も読む

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    「資本論」を「読む」ほん。
    そのまんまと言っちゃあそのまんまなんですが…。

    たまたま「資本論でも読もうかな~」と思ってた矢先に見つけてしまったのです。いやそもそも「資本論でも読もうかな~」ってなんだよって感じでもあるが。

    こういう風に「読んでいく」のもアリだな、と思う。
    というか、ほんの「読み」のあり方なんてそもそも無いんじゃないか、なんて…。

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    2010年08月18日
  • シティ・ポップ文化論

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    大学の講義の文字起こしでありまた講師陣も豪華である事から正直ありがたく読ませていただいた。
    多分まともに講義を申し込んだら数万円は下らないだろうな。
    内容は多面的、かつ深掘りするところはしっかりしており少し難しかったけど参考になった。
    自分の感覚ではシティ・ポップが流行った80年代の音楽はかなり特殊なのでその理由なり背景を知りたかったけどそこまでは至らなかった。

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    2024年07月21日
  • NHK ニッポン戦後サブカルチャー史

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    NHKで放送されていたときに観ていたので本でも読んでみました。
    「サブカルチャーとは逸脱」という。葉が印象的。
    逸脱していてこそ面白い。
    皆が好きになっちゃったらただの王道。

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    2019年12月17日