阿部潤のレビュー一覧
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購入済み
頑張ろうと思える本でした。
いま、著書の女の子、そのちゃんと同じ位の年齢の子供の育児中です。寝ている我が子の隣で、声を殺して笑って読破しました。女性目線でなく、旦那目線、これは女からしたらわからない感情や見方かもしれません。ネガティブな感情もポジティブに描かれており、大変な育児ですがもっと楽しもう、楽しめると思えました。
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人それぞれ感じ方は異なるだろうが、私はこの(5)の表紙が、今まで一番、涎が出そうになった、それこそ、サチコに劣らぬほど
手をかけ、技術の粋を注げば、当然、美味しい物を作る事が出来る。料理人の惜しまぬ努力、そこは否定する気は微塵も無い。だが、ニジマスの塩を振って炭火で焼く、この簡素な調理法で作られた塩焼きの味の破壊力、それが尋常でないのは確かなのだ
時に、素材の良さが人の努力を上回ってしまう時もある、それがあるから料理は楽しいし、食べる事には幸せが満ちている
では、改めて、内容・本編の感想を
良くも悪くも、今まで通りってのが素直な印象
強引な変化を付けて、読み手の興味を削がない阿部先生、さすが
それでいて、新人・小林がレギュラーに加わった事で、話に深みと広がり、どちらも生じている
姫村先生や美酒乱先生など、書き手サイドに個性豊かなキャラが揃ってるだけあって、小林の新人ゆえの無礼っぷりは、決して劣っていない
そんな小林の世間知らずっぷりに振り回されているサチコもサチコで、案外、性格に難があるよな、と感じたのは私だけじゃないだろう
赤の他人だからこその、勝手な推測だが、サチコも何気に人の話は聞かないわ、無自覚で人の神経を逆撫でするわ、勢いに任せて突っ走るわ、で恋愛に今イチ向いてないヒロインだ、そう感じさせるだけの要素が揃ってしまっているような気がする。ガードが固いとかなら、まだ攻略のし甲斐も、男としちゃあるだろうけど、こうも、無意識に自分の食欲や仕事を優先されちゃ、どっから崩して良きゃいいのか、経験値の低い男にゃお手上げである
まぁ、そんな彼女だからこそ、食いっぷりには惚れ惚れとしてしまう訳だが
今巻でも、サチコは各地へ出張しており、その地の美味しい物を心行くまで堪能している『おしゃべりは朝ごはんのあとで。』のように、旅飯に当てはまる作品でないにしろ、取材をきっちりと阿部先生や編集者さんがしているので、クオリティは決して低くない
福岡編と高知編、どちらも「行きたい」と「食べたい」を刺激してくれるが、私の好みで選ぶのなら、高知編だな。鰹の塩たたき、これもまた、シンプルな旨味で食い手をKOする類の美味だろう
まぁ、この(5)で最も何が食べたくなったかと言えば、やはり、梶特製ニジマスの燻製茶漬けな訳だが。これは、危険と評しても良いくらいの美味しさに違いない。梶さんはイイ人で、サチコ自身もちょっと意識している節があるにしろ、職場に、性格にこそ難があるにしろ、指導次第じゃ矯正できるレベルだし、何よりも美形の小林がいるとなっちゃ、あまり、悠長なアプローチはしてられんだろうな。今後、どんな関係になり、発展するのか、楽しみだ
この台詞を引用に選んだのは、これまた、今ちょうど、仕事で悩んでいる私のハートにガツンとぶつかってきてくれたので。ここで書くようなコトではないかも知れないけれど、正直、対人関係のゴタゴタで、今の仕事に私は向いていないんじゃ、と憂鬱になっていた。しかし、サチコの言葉でハッとした。私はまだ、本気で仕事にも同僚にも向き合っていないんじゃ、と思えた。こういう意識の改革を促してくれるから、イイ漫画の名言に出逢えると嬉しい -
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あえて、と言うか、特に意図もなかったんだが、つい読むのが他のファンより遅くなったのも関係しているのかも知れないが、マンネリ感を強くは感じなかった
嫌な記憶ほど人間は引き摺り易いとは言え、時間の経過で忘れていけるのも、人間に備わった能力。失恋の痛手を思い出さない唯一の方法、それが全力の食事。これが『忘却のサチコ』の基盤にある訳だが、こんだけ時が経っていれば、男の未練は断ち切れそうなもの。けど、サチコはまだ、自分の恋心に縛られたまま。人間、そう簡単には変われない。なので、しばらくの間、この『忘却のサチコ』に飽きちまうって事はなさそうで一安心
何より、サチコの、男の目から見ても、女の眼から見ても気持ちの良くなる、食べっぷりは健在。いや、むしろ、更にパワーアップしてる?
しっかし、編集者って仕事がら、出張が多くなるのは当然だろうが、まさか、一冊の中で沖縄と北海道、どちらも足を運ぶ事になるとは。この忙しなさは、ある意味、この(4)を今まで一番、面白い巻に引き上げているんじゃないだろうか
沖縄編、北海道編、どちらもサチコの苦労や感情の炸裂、そして、名産品の美味しさを濃厚に描いてくれており、甲乙を付け難いのだが、どちらに行きたくなったかと言えば、やや躊躇いこそあるが、沖縄である。ストーリーにやや、和風でも洋風でもないオカルト感が漂っているトコも理由だが、何より、私は雲丹よりソーキそば、テビチの煮つけ、何よりヤギ汁で、忘却のその先を観たいのだ・・・・・・イイ年ぶっこいて、恥ずかしいのだが、未だに雲丹のビジュアルがダメなのだ。外側は良いんだが、中身がどうにも、アレに見えてしまって食欲が失せてしまう
先の巻でもブイブイ言わせていた、松岡先生も、この巻でちゃっかり、顔を出しているのだが、そんな強烈なキャラを上回る個性の持ち主たる新人・小林心一の登場は、全体的な話の展開にガツンッと力を入れている。阿部先生、新キャラを登場させる、巧いタイミングを知っているなぁ。サチコの感情すら刺々しくさせるほど、他人の神経を無自覚で逆撫でする才能を持つ小林が、今後、どう作品を引っ掻き回し、サチコの心情に良くも悪くも、変化の兆しを齎すのか、楽しみだ
この台詞を引用に選んだのは、『ワカコ酒』と同じく、今の私にストライクだったから。内容自体もそうなのだが、沖縄の方言ってのが大きい。何と言ったらいいのか、気候なのか、歴史なのか、は定かじゃねぇが、独自の雰囲気を醸す沖縄の人らが使う、この言い回しは不思議と言われた相手の心にストンと、自然に落ちてハマるんだよな。コトバって凄ェ -
Posted by ブクログ
読んでいるとお酒を呑みたくなる漫画が、『ワカコ酒』(新久千映)ならば(最近、後藤羽矢子先生の『うわばみ彼女』が追い上げてきた感もある)、各地に美味しい物を衝動に任せて食べに行きたくなるのが、この『忘却のサチコ』じゃないだろうか
一つの土地で多くの名店を巡り、舌鼓を打つ、そんなスタイルの食漫画も、それはそれで面白いが、知らない土地に行けば、未体験の味を知る事が出来る
文芸誌編集部の社員として励んでいるサチコが、出張で行った先で美味しい物を食べ、幸せな気分に浸っているからこそ、読み手の共感は強まるんじゃないだろか
表紙を一瞥しただけでも判るだろうが、やっぱ、サチコと、この作品の魅力はサチコ本人の食べっぷりだろう。美味しそうに食べる人、特に綺麗な女性を見ると、幸せな気分になれるのは私だけじゃないはずだ
また、サチコが立ち直ったかに見せかけて、未だに、理由も判らず、結婚式から逃亡してしまった俊吾への未練を断てていない点も、読み手のハートを掴み続けているんだろう。人間、そう簡単に、本気の恋と、それが破れた時のダメージを忘れる事なんてできはしない。忘却、それは心の傷を癒す手段の一つではあるが、いつまでも忘れる事が出来ないのも人間らしさだ
あと、食系なので、食べ物描写に力が入っていて、美味しそうに見える点も魅力の一つだが、背景が細かく書き込まれ、綿密な取材の努力が伝わってくる点も、読み手には嬉しいが、今後、漫画描きを目指す人にとっても勉強になるだろう
誰かと一緒に食べれば、美味しいモノはもっと美味しい。でも、大人には、たまに、一人で「美味しい」を堪能したい時があるんだ。一人飯に挑む度胸が出そうで出ない大人の背中を押してくれる点も、私が『忘却のサチコ』をここでお勧めする理由の一つだ
個人的にお勧めの話は、第27・28歩「ウェルカム!おもてなし大作戦」だ。私自身が今、かなり気になっていて、行ってみたい飛騨高山を話の舞台にしてくれているトコが嬉しい。また、サチコの“予想通り”の努力にも笑顔になれる。肩に力が入っちゃってる内は、相手の予想を上回る事なんてできませんって・・・・・・えぇ、そうですよ、サチコに負けない美人もとい巨乳のジョゼさんのインパクトにKOされたんです!!
この台詞を引用に選んだのは、どことなく、本の虫として勇気を貰えたから。そうですよね、家の中だけじゃなくても、読書は出来ます。ある意味、世界を円滑に回すコツは、周りに迷惑をかけない程度で、自分が好きな事をのびのびとやる事かも? -
Posted by ブクログ
美味しいものを求めて東西南北を行く編集部員サチコさんの日常物語第三弾である。相変わらず安定した面白さで、彼女のキャラが滋味としてよく出ている。
この作品は実録作品としてのニュアンスもあって、作者(と編集者)が自ら赴いた場所の美食が描かれている。京都のすき焼きに、動物園のあげパン、寝台列車「北斗星」、広島安芸の牡蠣、飛騨高山での諸々などが収録されていて、非常にバラエティに富んでいる。
物語としては、少しタイトルであるところの「忘却」から少し離れているところがあって、この点では気にならないでもない。しかし、物語としてはきちんと体裁が整っているのだから、文句を付けるほどのものでもないかもしれない。
個人的には、こうした作品に「美味しそうに見える」と感じることはあっても、食欲を感じることはなかったのだけど、今回の広島安芸の牡蠣は本当に食べてみたくなった。物語展開で引っ張られただけに、この美食は魅力的である。
そうした点も加味して、今回は星五つと評価したい。次は11月末の発売とのこと。沖縄が舞台だそうだが、楽しみにしたいところだ。 -
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やはり、私の二つ目の胃袋を鷲掴みにしてくれただけはある
確実に人気が出てきたな
しかし、漫画読みとしては嬉しい反面、自分だけがこの『忘却のサチコ』の面白さを把握している、そんな優越感が薄れてしまうようで少々、複雑
けど、これからも全力で応援したいので、感想もちゃんと書く、阿部先生の力に少しでもなれるように
改めて、この作品を面白い、と感じられたのは阿部先生の画力が向上しているのもある。先巻よりも読みやすくなっている気がした
一箇所の街の飲食店を制覇するのでなく、文学誌の編集者、この職業を巧く使い、美味しいモノが多い地を巡るトコも、『忘却のサチコ』の忘れてならない魅力に違いない
阿部先生が現地取材をしっかりしているのは、登場する店や食事の描写を見れば、それなりに目の肥えた漫画読み奈良、すぐに察せるだろう
今回は、勤務地だけでなく、大阪と香川編が収録されている。その二つの聖地でも、サチコの人生に小さくない影響を及ぼす、笑ってしまいつつも、グイグイ引き込まれる、薄っぺらくない人間ドラマが展開される。大阪編、香川編、どちらも熱いし、芯がしっかりあるシリーズだが、うどん派の私としては、やはり、名店巡りをする香川編のインパクトが強かった。しかし、鬱陶しさがあるからこそ優しさが染み込んでくる大阪の人々のソウルも感じられる大阪編も負けていないので、あしからず
また、タイトルにある通り、サチコが失恋の痛手を忘れるために、美味い食事を食べる、その基本的な設定もしっかり活かされている、この2巻でも
誰でも経験のある、美食によるトランス状態、それを何度も経験しちゃっているサチコは大丈夫かな、と心配になりつつも、まぁ、本人が毎度、満足できているならイイのか、そんな気持ちにもなる
美味い食べ物が、自分の弱さを忘れさせてくれる可能性を高めようとする、サチコの若干、一般的な食欲から逸れた、激しい情熱と、それから生じる言動も、食系の漫画らしさかつ人間らしさがあり、ますます、好い印象を抱ける
加えて、至福の忘却により、サチコが今までの自分を形成してきた何かを剥がし、新たな自分になっていく点も、読み手の今後への期待を高めてくれる
忘却、この行為は案外、難しいし、苦痛も齎す。忘れる為には、何を忘れるべきか、を自分で把握するべく、辛い記憶を呼び起こさねばならない。サチコは今後も、それに耐えられるだろうか。もしくは、無理に忘れようとするなんて愚かだった、と気付き、弱かった己を潔く受け入れ、単純な気持ち、「美味い物を食べたいから食べる」、言わば、食事の本質と初心に立ち返るのか、未だに行方が分からぬ俊吾の真意も含め、実に気になる
一日も早く、ドラマ化して欲しいものだ。サチコを演じて欲しい女優が特にいるわけじゃないが、可愛いだけのアイドルは起用しないでくれ、ってのが本音だな。彼女の、不器用にでも前向きに生きていこうとする、ガムシャラさを表現できる実力の持ち主が、無名の新人女優の中にいる事を期待する
この2巻でお勧めの話は、第15歩「追いかけて!チャーハン」だ。炒飯、これほど、シンプル・イズ・ザベスト、その言葉の意味を的確に捉えている料理もなかろう。しかも、サチコの大盛りの食いっぷりがまた、見ていて気持ちが良い。まぁ、この話を推す理由には、セクシーな入浴シーンがあるからでもあるが・・・・・・改めて、サチコのヒロインらしいスタイルの良さが判る回でもあった
この台詞を引用に選んだのは、説得力があるからだ。大御所、そう自然と呼ばれるまで、真っ直ぐじゃない道も、平らじゃない道も、自分が歩きたくない道も、一つの目的に辿り着くために、自分の足で黙々と歩き続けていた男でなければ、この台詞は言えまい。そして、この後の、思わず、「俺の感心と尊敬を返せや!!」と、ブッ叩きたくなる展開も選んだ要因だ。まぁ、人それぞれだ、自分を戒め、見つめ直す手段は -
Posted by ブクログ
食事も、漫画の単行本の表紙も、極端な話、人間も見た目のインパクトが大事である、と私は思っている
食事は「美味そう」と思ってもらわなきゃ食べてもらえないし、漫画は「面白そうだ」と思わせるような表紙でなければ、読み手に取ってもらえないし、「コイツは何かを持っていそうだ」と思われるような印象を見た目で与えなきゃ人付き合いが始まらない
そう言う意味では、この『忘却のサチコ』は十分に満たしている
若い女性が味噌カツ丼(だろうか?)を持っている、ってインパクトがありすぎな表紙である。目の肥えている漫画読みなら確実に手に取ってしまう
ぶっちゃけ、内容には『ワカコ酒』や『いつかティファニーで朝食を』、『いぶり暮らし』のような斬新さを感じられなかったが、安定感はあり、読んでいる途中で飽きさせる事はまずない、と断言できる。まぁ、『日日べんとう』や『銀のスプーン』と比較してしまうと、さすがにまだグラグラしているが、ここから伸びて来そうだ、と感じさせるモノも十分にあったので、期待はしている
失恋の哀しみ、苦しみ、憤りを忘れるために、ひたすらに美味しいモノを食べまくるヒロイン・佐々木幸子
そんなんで大丈夫なのか、とツッコミが入りそうだが、誰だって、辛い事を忘れたくて自棄食いまがいの事を一度や二度は今までしてきているだろうから、読んでみると案外、彼女に親近感を抱けるかもしれない
そんな彼女が真正面から食にぶつかっていく姿勢は、『幸腹グラフティ』と『てんむす』、『たべるダケ』を彷彿させる何かがあり、私的には一推しだ
本気で好きだった男を忘れたいって理由はどうあれ、美味しい食事にのめりこんでトランス状態に突入できる幸子には、美味しく食べる才能がある、と言っていい
また、食べる事で人との繋がりを作っていく点もまた、読み応えを生んでいる
今後、どの土地の名食で忘却の瞬間に到れるのか、を楽しみに出来るトコもイイ
どの話もお腹が空くが、私が力強く推薦するのは、幸子のこれを食べると決めたら手段を選ばない性質が顕著な第2歩「全力!トルコライス〈長崎〉」だ
この台詞を引用に選んだのは、ここ最近、私自身、「食べる」って欲求を満たすために、ここまで本気になった覚えが無く、それに対し、ショックを与えてくれたから