鳥取絹子のレビュー一覧
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本書はフランスの本の翻訳である。彼の国では、日本の新書に相当するような、専門的な研究等も踏まえながら、一般読者向けに色々な事柄を説くような本が多く出ている。実際、フランスのその種のシリーズを翻訳したシリーズも見受けられる程なのだ。
本書はウクライナやベラルーシを専門とする政治学者が2021年11月に送り出した本を基礎としている。2022年2月以降の事態を踏まえた序章を含め、若干の加筆が在るという。
本書には「独立後30年とロシア侵攻」という副題も添えられている。正しくその「独立後30年とロシア侵攻」という事象を巡って、考える材料を提供するという形になっている一冊であると思う。
中世から現代まで -
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Posted by ブクログ
どうしても強制収容所跡地が見たくなって、学生時代にドイツを訪れたことがある。何故かアウシュビッツにこだわって結果諦めざるを得なかったのだが、旅程の関係でダッハウへ行った。アウシュビッツにこだわったのは、そこが有名でアイコン的だったからだと今になって思う。両収容所におけるガスによる大量虐殺の違いや収容者の違いを当時は知らなかったから。世間知らずで、希望が叶わず残念に感じながらもダッハウも強烈な悲劇を残していて、それで胸がいっぱいになった。その夜、現地で知り合った友とドイツの酒場に入り、ドイツ人と日本人が生まれながらに抱える宿痾のような定めを考えた。
本書は、アウシュビッツで生き残った著者による -
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『資本主義って悪者なの? ジグレール教授が孫娘に語るグローバル経済の未来』ジャン・ジグレール、鳥取絹子訳、2019年、CCCメディアハウス
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今年は脱資本主義の勉強がしたくて、まず新自由主義や資本主義の問題点について知りたいと思っていたところ、ちょうどこちらの本を発見。
著者はスイスの政治家、社会学者で、8年間国連の「食糧に対する権利」の特別報告者を努めた経験もあり。
孫娘との対話形式で描かれているため、最大限わかりやすく説明され -
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『夜と霧』が意識して客観的に書かれていたのに対し、本書はインタビュー形式ということもありかなり主観的な話を聞くことができます。
アウシュビッツの中でも、ガス室や焼却炉という特殊任務に当たっていたゾンダーコマンドの経験です。基本的にこの作業に当たった収容者は秘密保持のために処分されたため、かなり貴重です。
印象的なのは、解放後に人に話をすると頭がおかしいと思われて信じて貰えなかったという点です。
この経験を語ろうとするまでに40年以上かかったそうです。
あんまりにも酷い出来事は、信じないことでなかったことにしたいのかもしれません。
勇気をもって告白してくれて有り難いです。
大切に読むべき本 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
十二時間労働の二交代制で強制的にやらされた「汚い仕事」の流れ作業は、脱衣室で犠牲者につきそって、待ち受ける悲惨な運命を感づかれないようにできるだけ早く服を脱ぐ助けをし、SSが犠牲者をガスで殺しているあいだに彼らの衣類を集め、ガス室から遺体を出し、義歯と金歯を抜き、女性の髪を切り、これらの遺体を焼却炉または野外の共同墓穴で焼き、遺骨を砕いて遺灰をヴィスワ川に捨て、ガス室を掃除して壁を石灰で白くし、次の「処理」に備えることだった。
歴史のノート より
『サウルの息子』でゾンダーコマンドの存在を知ったのは数年前。それ以外にはBBCの数時間くらいのドキュメンタリーシリーズを視聴していましたが、書 -
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正直こういうフランス人シリーズでいい本に出会ったことがないのであまり期待せずに読んだら、これがいい意味で予想に反してすごくいい本だった。
まさに私が子育てをしていく上でずっと疑問に感じていたことを解決してくれた
子育て施設や公園でずっと子供につきっきりでいる必要があるのか子供だけで遊ばせておいて喧嘩をしても子供同士で仲直りさせればいいのではないかとずっと思っていた
これは価値観の違いでこれが正しいというものではないけど少なくとも私はこのフランス人の子育てのやり方がすごく合っている
ジーナ式のように無理やりコントロールを しようとするのはちょっと行き過ぎだと思うけどこのように子供の意思 -
Posted by ブクログ
フランスの子どもは夜泣きしない/パメラ・ドラッカーマン(登録がなかったので、代わりにこちらに投稿)
妊娠しても、女であることを忘れない。
夜泣きをしても、少し待って様子みる。すぐに抱いたり、ミルクあげない。自分の時間を大事にするためにも。
外で駄々をこねたとき、子どもは理解して止めてくれる確信を持って、ノーという。
待つこと、忍耐力を教えることが大事。
小さい頃から新鮮な素材、コース料理で食育。
子どもに合わせすぎない。振り回されない。
子どもは小さな大人として扱う。
子どもがうまれても夫婦の時間は譲らない。
日本や他の欧米とは違った子育ての考え方が興味深く、面白かった。 -