鳥取絹子のレビュー一覧

  • 私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢

    Posted by ブクログ

    壮絶な体験の連続に、ページを捲る手が止まらず、一日で読み切ってしまった。アウシュヴィッツに収容されるだけにとどまらず、そこで遺体の運搬や焼却に携わった著者。目に焼きついた光景をありのままに話してくれる。最後の「あそこで強いられた『仕事』が頭から出て行くことが決してない…焼却棟からは永遠に出られないのです」には心が揺さぶられた。辛い経験を経た人間は往々にして「でもあれがあったから今がある」と言うけれど、本当に地獄の経験だとやはりそうはならないんだな。

    0
    2026年08月25日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    現代はまだ女性差別もなくなっていないけど、それでも男女は平等なはず!と声をあげることができるようになってきたのは先人たちのおかげなんだなあと改めて思った。人の心や世論を操作し、女性たちを政治や教育から遠ざけ、法で縛ってきた歴史はまだ終わっていない。女性たちという括りだけではなく、私たちみんなそうなのかも。

    0
    2026年07月29日
  • 神と科学 世界は「何」を信じてきたのか

    Posted by ブクログ

    不勉強な自分が知らなかった、物理学や科学、数学的にも証明された事実の数々に衝撃を受けながら、興味深く読んだ。
    宇宙のことが様々に解明されることで、神の存在が証明されてくる。
    理性的に、そして様々な法則に則って存在することが証明された自然界の様々なものについて理解が進むほどに、神の存在が確かんものになってくる。
    アインシュタインの「神はサイコロを振らない」はまさにそれなのだ。
    科学者、物理学者、数学者ほど何らかの宗教を信仰しているというのも面白い。

    0
    2026年04月28日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    筆者と同じ様に世界史に女性の存在がないことに、何の違和感も持ってなかった。その背景にあるのは違和感を与えさせせない「男尊女卑の社会」だと気付かされた。参政権や中絶の権利…。今女性にある当たり前の権利は先人たちが声を上げ、諦めずにいてくれたおかげだ。個人的に西加奈子さんの「わたしに会いたい」と同じくらい女性全員に読んでほしい一冊だと感じた。いつか男女平等を実現させましょう。フランスの歴史をあまり知らなかったが、分かりやすく説明されておりすらすら読めた。

    0
    2026年04月05日
  • ウクライナ現代史

    Posted by ブクログ

    本書はフランスの本の翻訳である。彼の国では、日本の新書に相当するような、専門的な研究等も踏まえながら、一般読者向けに色々な事柄を説くような本が多く出ている。実際、フランスのその種のシリーズを翻訳したシリーズも見受けられる程なのだ。
    本書はウクライナやベラルーシを専門とする政治学者が2021年11月に送り出した本を基礎としている。2022年2月以降の事態を踏まえた序章を含め、若干の加筆が在るという。
    本書には「独立後30年とロシア侵攻」という副題も添えられている。正しくその「独立後30年とロシア侵攻」という事象を巡って、考える材料を提供するという形になっている一冊であると思う。
    中世から現代までの通史的な事項を概観する中で論点になるような事柄が上る第1章の後、領土空間を巡る事柄、政変が繰り返されたというような事項を巡る事柄、近隣国等との関係を巡る事柄と、幾つかのテーマで様々な話題が取上げられている。
    恐らく、2021年に「独立30年」というようなことになって、他方で2014年頃からの摩擦が続いているように見受けられたウクライナに関して、少しでも知りながら考えるという趣旨で本書が著されたのであろうとは思う。2022年2月以降の事態も加わると、「あの事態は如何いう処から惹起?」という材料にもなり得る訳だ。
    率直に、2022年2月以降の事態で「ウクライナが大変だ」と伝わっているが、伝えられる報に触れる日本国内の人達は「実は必ずしもよく判っているのでもない?」という面が大きいような気もする。「正直、何故あんなに酷い戦いが起こらなければならないのか解らない…」という声も耳にしないでもない。
    そういう様子であるからこそ、大変に複雑な経過で現代に至ったウクライナの社会、文化の経過を説こうという本を読むような営為は必要だと思う。
    本書や他の様々なモノに触れた中で思う。「〇〇系」とか「親〇〇派」とか、実はそういうのは余り関係無く、「色々なモノが折り重なって、組み合わさって、一定の範囲を主権を有する“独立国”と見做し、自覚するウクライナ」が在って、その中に各々「〇〇語話者」である「国民」が居て、「各々の人生を平穏に暮らしたい」という以上でも以下でもないという人達が「真のサイレントマジョリティ」なのではないかというようなことを考えないでもない。
    本書の通史的事項の概観、領土空間を巡る事柄、政変が繰り返されたというような事項を巡る事柄、近隣国等との関係を巡る事柄というような各々の切り口での論は実に有益だった。「切り口」自体が興味深い。
    本書は「少しでもウクライナに関心が在る」という方、「色々伝わっているが何かよく判らない」という方、「もっとウクライナを知り、学びたい」という方等、何方にでも興味深く読んで頂ける一冊だと思った。広く御薦めしたい。

    0
    2022年09月18日
  • フランス人は子どもにふりまわされない 心穏やかに子育てするための100の秘密

    Posted by ブクログ

    フランス式の子育てや、人生観についての本。
    子育て論は割とシビアに感じたが、個人的にはとても共感できた。
    日本の子ども中心の子育てに疑問を持っているので。

    0
    2015年06月13日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    男女平等の話や女性の地位向上、少子化解消などの話になると「男が働き、女は専業主婦で家事子育てやってた時代は少子化なんて関係なかった。それでみんな幸せだった。その時代に価値観を戻せば良い」とか言ってくる年配の男性に対して(せっかくここまで女性が経済的に自立できるようになってきたのに、過去に戻ろうなんてバカ言うなー!昔の女の人たちでそれがいやで逃げ出しようもなくて我慢してた人がどれほどおるか想像も出来ないか?!)と腹立たしく思っていた。
    この本を読んで、案外、もっともっと昔、いっそ何千年〜何万年も前の人々を参考にしてみるのはアリかもしれないと思った。一族・集団総出で生き残りに取り組まねばならない中で、男女で役割分担するのではなく、適性ある者が適性あることをしてたんじゃないかな。資本主義極まる世の中で誰も彼も働いて食い扶持を稼いでいる現代、悠長に貴族の真似事みたいな男女差別やってる場合じゃない。

    遺物や史跡に研究者たちがその発掘・分析当時の性別役割分担を当てはめて歴史認識を歪めてしまってきたんじゃないかって視点にはハッとした。

    先史時代の話題を取り上げる前半について、自分の記憶では教科書の挿絵とかは、男女混合・集落総出で採集などして竪穴式住居で家族団らんみたいなイメージだったし、卑弥呼もいるし、女性戦士のことや障害者のことなども読んだことがあったから、いちいち驚愕とともに最近の研究結果を紹介する筆者に対して、むしろフランスでは一体どんな教育してるんだ…と不思議に思う面もあった。

    中盤以降は主にヨーロッパで社会の発達とともに女性差別・女性蔑視がどうやってスタンダードになっていくかが書かれているが、王家の話とか修道院の話とかで、馴染みが薄く、しばらく他人事みたいに読んでしまっていた。しかし、修道院の独房みたいなとこに自ら閉じこもった女性たちの話とか、魔女狩りの話とかから、どんどん引き込まれ、20世紀の話に入る頃には出てくる女性たちに敬服しっぱなしであった。
    それぞれの時代で行動するフランス女性たちの姿に、自分も嫌なおっさんに嫌なこと言われてイライラするだけじゃなく、行動を起こして実力でねじ伏せられるようになりたいなと思った。

    社会的な男女の差異・差別・女性蔑視は「男はマンモス狩り!女は樹の実拾いと子育て!」みたいな語り口で言われるような人間生来のものではなく、時代の節目節目でポッと現れ、為政者の都合や社会背景により苛烈になったり弱まったりする、ある種かなり人工的なものなのかもというところが見えてきた一冊だった。

    0
    2026年09月18日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    “「私たちの権利を妨害しているものに、名前をつけなければならなかった。それは、私たちが妻や母親としてだけではなく、ひとりの人間として何かをやり遂げるたびに、罪悪感を感じさせる何か……」。”(p.284)


    “どんな類人猿の集団でも、その社会の中心で、一握りの個人が他を死ぬまで搾取する構造は生じていない。オス支配が見られる動物集団のあいだでさえ、暴力を使う強制は、きわめてまれである。
    男性の暴力は「自然」なのだろうか?
    なぜ、わたしたち人間は女性にもっとも暴力をふるうサル種なのだろう? ほかのどの霊長類が、自分の子どもたちの母親まで殺すだろう?”(p.303)

    0
    2026年08月02日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    男女差別などの戦いの世界史については理解できたが、では家事労働が無意識のうちに女性に皺寄せになっているこの世界をどのように変えていくべき?には答えのない本だなとは思った…

    0
    2026年06月07日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    面白かったし、初めて知ることが多かった。私が習った歴史は本当に一面からしか見ていない歴史。それは薄々感じていたけど、先史時代からか、と突っ込みたくなる。
    そして、日本よりも全然進んでいると思っていたフランスがそうでもないことも分かり、それにも驚いた。第二次世界大戦時のレイプの話は読んでいて、辛かった。だが、それも歴史であり、きちんと知らないといけないこと。
    勉強になった。訳も読みやすく、身近な人からのお話を読んでいるようで、読みやすかった。

    0
    2026年06月01日
  • 絶望しかけた女子のための世界史

    Posted by ブクログ

    とてもわかりやすく説明をしてくださいました。知らないことがたくさんあってびっくり、そして理解ができました。
    こちらの日本史版があれば、ぜひ読みたいと思います。

    0
    2026年05月29日
  • 神と科学 世界は「何」を信じてきたのか

    Posted by ブクログ

    最新の物理学、宇宙学、生物学が分かりやすく書かれている。とにかくこんな世界が偶然に出来るはずはないと天文学的な数字で迫ってくるのでサイエンスとして大変面白い。
    1917年のファティマの話は初めて聞いた話で、別途研究してみようと思った。日本ではこの様な話が知られていないことは日本の閉鎖性の故なのか?

    0
    2026年03月10日
  • フランス人は子どもにふりまわされない 心穏やかに子育てするための100の秘密

    Posted by ブクログ

    書いてあることはすごく納得出来たし、こういう考え方を持つことで母である自分だけに囚われないことが出来ると思った。
    一方で、儒教的な良妻賢母が求められる文化でこのような価値観が受け入れられるかは疑問が残った。

    同時に、専業主婦でも共働きでも子育てをしていて一人の人としての自分に戻れる場所や時間がどれ程あるのか。
    あったとしても、家に属している限り周囲から見て女は誰かの娘であり嫁であり妻であり母であるという接し方をされる。男性に対してわざわざ「子供がいても男であることを忘れない」言わないのに女性だけがそう言われること自体にジェンダーギャップを感じる。

    0
    2025年12月10日
  • 神と科学 世界は「何」を信じてきたのか

    Posted by ブクログ

    信じるか信じないかはあなた次第です、
    という所だが、本書は「いる」という根拠を
    様々な分野から示している。
    単に読み物として面白いし、各分野の
    入門編としても良いのではないかと思う。

    まぁ、この世界が極めて緻密な状態で
    成り立っているのは事実だし、科学の進歩は
    それを証明し続けているように思うし
    人体についても、NHKでやっていた「人体」を
    見ていると、細胞レベルから信じられないくらいに
    緻密に作られているし…「いる」としても
    全く不思議は無いよな、と改めて思った。

    巻末の様々な数字、年表、用語集などの
    付録も良かった。

    0
    2025年10月03日
  • シューベルトの手当て

    Posted by ブクログ

    チェロによるアートセラピーの記録。著者の体験やスタッフ共同の実験による様々な効果に、なるほどと納得。音楽のそれも生の音による音楽の力は素晴らしい。著者の生い立ちや(特にモスクワ時代の酷い状況での学びなどが印象的)家族の話など交互に語られ興味深かった。
    シューベルトの手当てというタイトルだが選ばれている曲は多岐に渡り、それも面白かった。

    0
    2024年05月09日
  • フランス人は子どもにふりまわされない 心穏やかに子育てするための100の秘密

    Posted by ブクログ

    こどもにたくさんの習い事をさせるのはやめようと思う。
    遊びの中で考えたり夢中になったり、そういう時間も大切!

    0
    2023年12月08日
  • ウクライナ現代史

    Posted by ブクログ

    第二次大戦後を中心に、ウクライナの政治的な歩みとロシアとの関係がよくわかる。事態をウクライナからの視点で見ることができるようになる貴重な本。本書は「現代史」なので、それ以前の歴史については他書で学んだほうが良い。

    0
    2023年06月22日
  • 私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢

    Posted by ブクログ

    ユダヤ人をガス室に送り、処刑された後ガス室から折り重なり皮膚がドロドロに溶けた遺体を外に運び出し、その遺体の髪を切り、銀歯金歯を引き抜き、焼却場で焼き、遺灰を川に捨て、ガス室を綺麗に清掃する、そんな任務を負っていたのが「特殊任務部隊」で同じ強制収容されたユダヤ人で構成されていた。そしてその任務内容が外に漏れないように部隊の者も定期的に処刑されていた。しかしながら奇跡的に生き逃れたシュロモ・ヴェネツィアがその壮絶な内容を赤裸々に語っているのが本書だ。彼が重い口を開いたのは解放から47年後で69歳だった。

    0
    2022年08月27日
  • 資本主義って悪者なの? ジグレール教授が孫娘に語るグローバル経済の未来

    Posted by ブクログ

    こんな賢い孫はいるのかとツッコんでしまったが、日本にいたら分からないことだらけ。世界は自分の知らないところで牙を剥いている。資本主義社会の恐ろしさをもっと知った方がいい。勉強になった。この社会を誰のせいにもしてない。そこもすごく良かった。

    0
    2022年01月17日
  • 資本主義って悪者なの? ジグレール教授が孫娘に語るグローバル経済の未来

    Posted by ブクログ

    『資本主義って悪者なの? ジグレール教授が孫娘に語るグローバル経済の未来』ジャン・ジグレール、鳥取絹子訳、2019年、CCCメディアハウス

    f:id:ariel_1226:20210113093510j:plain



    f:id:ariel_1226:20210113093535j:plain

    今年は脱資本主義の勉強がしたくて、まず新自由主義や資本主義の問題点について知りたいと思っていたところ、ちょうどこちらの本を発見。

    著者はスイスの政治家、社会学者で、8年間国連の「食糧に対する権利」の特別報告者を努めた経験もあり。

    孫娘との対話形式で描かれているため、最大限わかりやすく説明されている点も初心者にはありがたかった。また、流れとしても資本主義の説明からその誕生、歴史、流れ、問題点、今後何が起きるか?と丁寧に段階を踏みながら議論が発展していくので、現代だけでなく資本主義の全体像を捉えることができる。

    自分がきちんと理解し切れていなかったことを学べて、その恐ろしさにショックを受けた部分もあった。でもおかげで、人種差別や環境問題、フェミニズムなどの運動が反資本主義を掲げて協力していくことの背景やその大切さについてわかったように思う。

    「革命」と聞くとずっと昔の歴史上の話だと思ってしまっていたけど、自分が生きている時代だってそんなにユートピアじゃない、苦しんでる人々はたくさんいるし少しずつでも今の世の中に対する変化や動きは生まれている、という自覚意識を持てた。

    次はこの知識を踏まえて『99%のためのフェミニズム宣言』を読みます。

    0
    2021年09月20日