李登輝のレビュー一覧
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「武士道」解題
ノーブレス・オブリージュとは
著:李 登輝
紙版
小学館文庫
台湾で日本人の一人として育ち、帝国軍人として終戦を迎えた、日本人以上に日本人らしい、台湾の李登輝総統の、日本人へ向けた応援の書が本書です。
本書の結論は、日本人よ自信を持て、日本人よ、「武士道」を忘れるな です
日本人の心は、大和心という
本居宣長 敷島の大和心を人間はば、朝日に匂ふ山桜花
この 大和心こそ、日本人が、最も誇りに思うべき普遍的真理であり、人類社会がいま直面している危機状況を乗り切っていくために、絶対に必要不可欠な精神的指針なのではないでしょうか
吉田松陰 かくすればかくなるものと知りな -
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こういう人が日本にも出て欲しいと思う。頭がいいのは当然ながら、ノーブレス・オブリージュを本気で進めた人だと思う。義・勇・仁・礼・誠。昔の人はこれらの文字が意味するところを懸命に考え、筋の通った行動を取ったのだと思う。もちろん昔と今では状況の複雑さが違うが、だからといって物事の基準、行動の規範がブレてしまってもイイ、という訳ではないし、複雑だからこそ基本がしっかりしていることが求められると思う。理屈ではなく、そうあるべきもの、という世界。それを宗教というのかどうか分からないが、どちらが正しいかとなった時に基準になるべき考え方はあってもいいんじゃないか。最近はそういう考え方をせず、自分にとって都合
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台湾の主張
新版
著:李 登輝
PHP文庫 り82
現在、台湾問題がピックアップされ、中国の南西諸島へのプレゼンスが高まるなか、なぜ台湾なのでしょうか。
1つは、中国の海のシルクロード「一路一帯」。上海、天津といった中国の重要港から、日本の領海を通ることなしに、南シナ海に出るためには、台湾の西側を航行しなければならない。
つまり、地政学的に台湾は、ますます重要な地域となっているのである。
一方台湾はといえば、20世紀より、ASEANの人材をはじめ海外から多くの人員を受け入れている。
そして、1975年のアメリカとの国交を失った時に、手に入れた台湾関係法、台湾海峡になにかが起きた場合は -
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「誰が言ったかではなく、何を言ったかが重要」だとする論があるが、時と場合だが、多くの場合、この考え方は間違えている。死ぬ寸前の父が話す言葉と同じ文章を見つけたとしても、その意味や受け止めは異なる。この本は、李登輝が残した書という意味で一言一句に大きな意味がある。第二次世界大戦前に京都帝国大学にも通い、日本人として一時を生き、台湾の総統を務めた。そして、2020年7月逝去。激動の歴史を生き、国家間のプロパガンダに塗れた外交的詐術の中で、偽りないリアルを語れる数少ない政治家だったと思う。読む事が躊躇われていた一冊だ。
毅然として向かえ、リップンチェンシンを取り戻せ。知識や能力だけではない、信念や -
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李登輝総統のリーダー論は日本の「武士道」(新渡戸稲造)を踏まえたもの。
日本が本家とも言えるが、コロナ対策の現状を踏まえると、今や台湾に学ばなければならない。李登輝氏の見識の高さは素晴らしい。現在の日本の政治家に比べる者はいない。残念ながら。何故か?
アジア出身の世界のリーダーを亡くしました 合掌
1.政治家=リーダーの役目は「何をなすか」であり、「権力」は手段
2.信仰=自己を超越した存在を信じ、信念・使命感を持って実行 謙虚さ
3.天下為公 Publicたれ 私情は禁物 お友達人事は✖
4.リアリティ 現場主義・現実主義 軍備は必要
5.不断の勉強 未来のことについて勉強し続ける
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台湾でなぜあんなにも歓迎されたのか。
道端で足を止めてまで、日本が好きだと伝えてきてくれたのか。
日本統治時代に、
日本は徹底して台湾の人々に武士道の精神から、教育を施してきた。
洋の東西を問わず、様々な古典を台湾国民に読ませた。
作者の李登輝氏は、
その統治時代があったからこそ、今の台湾があると考え、台湾の先人たちが隠したがる自分達の失態をも含めて、国民に教育を施した。
結果として、
台湾人は事実をありのままに受け止めて
自身の国のルーツを知り、自立した国民へと成長した。
日本への感謝がそこにはあった。
リスペクトが。
それは、
今の私たち日本人の先人たちのおかげである。
700年 -
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読み終わった, まずは、本書の抜粋を読んでください。---231~232ページ かつて、ルース・ベネディクトは、名著「菊と刀」の中で、「日本人は『恥の文化』に生きてきたから、『罪の文化』にとらわれてきた西欧人とは全く異なった、世界でも特異なアイデンティティーを確保するに至った」 と指摘しました。しかし、いまの日本のどこに真正の「恥の文化」が生き残っているというのでしょう。カーライルも、「恥はすべての徳、善き風儀ならびに善き道徳の土壌である」 と言い切っています。敗戦の直後に、アメリカの高名な文化人類学者から、「日本人の国民性」をあれほどまでに高く賞賛されたというのに、この直後から、自らの足で「
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購入済み
すべての日本人に読んでほしい
国家と言えばとてつもなく大きなものだが、企業の社長、部下を束ねる上司も、家族を養う親もすべてに当てはまる王道のお話です。
これはきれいごとでは決してなく、李登輝先生はすべて行動に起こしたのだろうと思います。
これほど優れた指導者が積極的に世界中に紹介されないのは今の権力者には都合が悪いからに他ならない。
世の中を変えるにはまず市民もあるべきはこうであるというものを正しく知るべきであるし、性根に据えなければいけない。
私は日本人だ。
日本人としてすべき事を考えたい。そんな気持ちになる本です。 -
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歴史上重要な時期に,正真正銘の「哲人政治家」といえる人物を戴いた台湾は幸せな「国家」だと思いました。
アジアには,経済的にちょっと成功しただけで図に乗り,「我が国は大国」と恥ずかしげもなく言ってしまうような国もあります。そういった国とは一線を画し,苦しい国際情勢に負けず台湾は着実な成長を遂げています。
李登輝さんが素晴らしいのは,台湾の政治・文化・教養などの成熟度を正しく見極めて,身の丈に合った形で国家国民を導いていったことです。正しく現状を認識し,未来を見据え,守旧派の抵抗に負けず正しい行ないを続けることができたのは,彼が神に対する厚い信仰心を持っていたからでした。
「自我の否定の上に -
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台湾の民主化を成し遂げ、哲人政治家と称される著者は、台湾人は今こそ「日本精神」を顧みなければいけないと説く。日本統治時代の日本人が持っていたとされる「誠実」「勤勉」「奉公」「遵法」などを胸に、台湾との統一併合をめざす中国と対峙せよと語るのだ。ベストセラー『台湾の主張』から15年、92歳になった著者が、ここに新たな「魂の直言」を放つ。新渡戸稲造や後藤新平からの影響、農業経済学者としての活躍、台湾総統としての孤独、中国の軍事膨張に対して示した毅然たる姿勢……。そして、新たな民主化への道を歩み始めた台湾と、日本の今後を見据え、東アジアの平和のために進むべき道を説く。
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台湾の李登輝(りとうき)元総統から日本人への熱いメッセージです。彼は自分で新渡戸稲造「武士道」の解説本を出版する等、日本人に愛着を持ってくれています。愛情あるメッセージが故に、的を得た事ばかりで、読んでいて恥ずかしい部分もありました。そして私は、どれだけ上辺だけの知識が多かったかを実感させられました。ちゃんと物事の真髄や意図を見極めた上で解釈しないと、自分の思いと逆の行動をしてしまったり、強い思いのある者に扇動されかねません。物事の真髄や意図を見極めるためには、広く深く学び続ける必要がありますね。そう考えると、色々と重く圧し掛かってきますが、日本精神を自己再教育させます。
本書は殆どの日本人 -
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教育の力。日本統治下の教育はとても素晴らしかったと。最後にも、やはり教育の重要性を説いている。台湾人の氏が、これだけ日本教育を褒めると、説得力ある。
台湾は、移民の国であると。そして、移民の文化が積み重なり、今の台湾が形成されていると。
中国の体制を批判。人民の声を聞かない指導者がいけないと。なぜこのような指導者がうまれるのか?やはり、教育の問題なのかな?
権力は借り物。いつでも捨てる覚悟を政治家は持つべきだと。
日本は、美との協調。自然を愛し、そして恐れることが文化として残っているのではないか。
日本人として、いかに矜恃をもつか、それは、皮相的なナショナリズムではだめで、内面から自然 -
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日本からも近く、グルメやノスタルジックな街並み、緑と水に溢れた自然、そして日本人が大好きな温泉と、様々な楽しみ方のある観光地と言えば、台湾を思い浮かべる方も多いだろう。沖縄から僅かに730キロ程度の距離。羽田から直行便でも4時間足らずで到着できる事から、行きたい海外旅行の目的地も、例年韓国に続き2位の座を確固たるものとしている。私も学生時代からよく訪れた場所だ。そんな日本人にも馴染みの深い台湾であるが、そのたどった歴史は苦難の連続だ。
歴史的には中国三国時代には呉の孫権伝にもその存在について触れられており、中国大陸の東南、琉球との間に位置し、台湾を小琉球、沖縄を大琉球と呼ぶ時代もあった。西洋が