【感想・ネタバレ】指導者とは何かのレビュー

あらすじ

組織の命運を決めるのは、リーダーの素質と能力である――。本書は、台湾の民主化を成し遂げ、アジア最高の政治家と称される著者による「指導者論」である。戦前から現代に至るまでの激動の歴史を経験し、そして古今東西の古典に精通する著者でしか語りえぬ「指導者の条件」とは――。指導者が持つべき死生観、信念、危機に際する心構え、人を動かす言葉と姿勢、発想力と行動力、そして日本への想い……。読む者に確かな人生哲学と行動指針を示してくれる名著である。『〈新版〉最高指導者の条件』を改題し、大幅に加筆。

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すべての日本人に読んでほしい

国家と言えばとてつもなく大きなものだが、企業の社長、部下を束ねる上司も、家族を養う親もすべてに当てはまる王道のお話です。
これはきれいごとでは決してなく、李登輝先生はすべて行動に起こしたのだろうと思います。
これほど優れた指導者が積極的に世界中に紹介されないのは今の権力者には都合が悪いからに他ならない。
世の中を変えるにはまず市民もあるべきはこうであるというものを正しく知るべきであるし、性根に据えなければいけない。
私は日本人だ。
日本人としてすべき事を考えたい。そんな気持ちになる本です。

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2017年01月13日

Posted by ブクログ

歴史上重要な時期に,正真正銘の「哲人政治家」といえる人物を戴いた台湾は幸せな「国家」だと思いました。

アジアには,経済的にちょっと成功しただけで図に乗り,「我が国は大国」と恥ずかしげもなく言ってしまうような国もあります。そういった国とは一線を画し,苦しい国際情勢に負けず台湾は着実な成長を遂げています。

李登輝さんが素晴らしいのは,台湾の政治・文化・教養などの成熟度を正しく見極めて,身の丈に合った形で国家国民を導いていったことです。正しく現状を認識し,未来を見据え,守旧派の抵抗に負けず正しい行ないを続けることができたのは,彼が神に対する厚い信仰心を持っていたからでした。

「自我の否定の上に立った他者の肯定」は,人間として究極の目標かもしれませんが,努力してゆきたいものです。

李登輝さんがこれからも元気に過ごされることを,心から祈っております。

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2015年06月23日

Posted by ブクログ

死生観と運命感
日本の神道には、キリスト教のもつ現在という概念がない。なくても自らの姿を顧みる。絶対神による救済を求める必要がないということは、強靭で自立した精神が宿っているとも考えられる。
公明正大
広義とは、私利私欲を捨て、全体の全体の幸福のために尽くすことである。
権力を持つ指導者は、公私の別をはっきりし、部下の処遇については、私情に流されず、明快に評価しなければならない。
権力とは、困難な問題の解決や理想的計画を執行する道具に過ぎない。それを一時的に借りたに過ぎない。「私は権力でない」と常に戒める必要がある。
伝統がもたらす信念
指導者は新しい時代にあっても、伝統的な価値観を捨ててはならない。
日本の伝統的な思想や美意識をないがしろにした結果それまでの日本になかった極度に物質的な価値が広く支持されるようになってしまった。
危機に関する心構
ふりつもる み雪にたへて いろかへぬ 松ぞををしき 人もかくあれ 「昭和天皇の御製」正しいことを行うには、忍耐力によって導かれた大きな勇気が必要なことをさしている。

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2015年06月06日

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