【感想・ネタバレ】新・台湾の主張のレビュー

あらすじ

台湾の民主化を成し遂げ、哲人政治家と称される著者は、台湾人は今こそ「日本精神」を顧みなければいけないと説く。日本統治時代の日本人が持っていたとされる「誠実」「勤勉」「奉公」「遵法」などを胸に、台湾との統一併合をめざす中国と対峙せよと語るのだ。ベストセラー『台湾の主張』から15年、92歳になった著者が、ここに新たな「魂の直言」を放つ。新渡戸稲造や後藤新平からの影響、農業経済学者としての活躍、台湾総統としての孤独、中国の軍事膨張に対して示した毅然たる姿勢……。そして、新たな民主化への道を歩み始めた台湾と、日本の今後を見据え、東アジアの平和のために進むべき道を説く。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

日台中韓の関係は日本国内にいると大変複雑に感じる。が、李登輝の眼を通じると日台関係の強化がアジアの安定と繁栄の基礎になることがよくわかる。哲人政治家、李登輝のいる台湾が羨ましい。現総統蔡英文の手腕に注目している。

0
2018年01月14日

Posted by ブクログ

最近仕事で行くようになった台湾だが、歴史を正確に理解していなかった。近代台湾を築いた著者は、自伝がそのまま台湾の歴史である。すごい。かつて日本人が残した「日本精神」が好まれているそうだが、最近おかしくなっている日本に対して「日本加油」と檄を飛ばしてくれている。しっかりしないと、である。

0
2016年01月04日

Posted by ブクログ

台湾の民主化を成し遂げ、哲人政治家と称される著者は、台湾人は今こそ「日本精神」を顧みなければいけないと説く。日本統治時代の日本人が持っていたとされる「誠実」「勤勉」「奉公」「遵法」などを胸に、台湾との統一併合をめざす中国と対峙せよと語るのだ。ベストセラー『台湾の主張』から15年、92歳になった著者が、ここに新たな「魂の直言」を放つ。新渡戸稲造や後藤新平からの影響、農業経済学者としての活躍、台湾総統としての孤独、中国の軍事膨張に対して示した毅然たる姿勢……。そして、新たな民主化への道を歩み始めた台湾と、日本の今後を見据え、東アジアの平和のために進むべき道を説く。

0
2015年03月18日

Posted by ブクログ

日本人より日本人らしい哲人からの日本への愛に溢れた叱咤激励。こんなリーダーが日本にいたらと切望してやまない。中共と手を切り台湾と同盟を。

0
2015年03月12日

Posted by ブクログ

日本からも近く、グルメやノスタルジックな街並み、緑と水に溢れた自然、そして日本人が大好きな温泉と、様々な楽しみ方のある観光地と言えば、台湾を思い浮かべる方も多いだろう。沖縄から僅かに730キロ程度の距離。羽田から直行便でも4時間足らずで到着できる事から、行きたい海外旅行の目的地も、例年韓国に続き2位の座を確固たるものとしている。私も学生時代からよく訪れた場所だ。そんな日本人にも馴染みの深い台湾であるが、そのたどった歴史は苦難の連続だ。
歴史的には中国三国時代には呉の孫権伝にもその存在について触れられており、中国大陸の東南、琉球との間に位置し、台湾を小琉球、沖縄を大琉球と呼ぶ時代もあった。西洋が世界に進出する17世紀にはスペイン、ポルトガル、オランダがこの地を開拓しようと押し寄せてくる。特に距離的に近く当時満州民族が治めていた中国清王朝は前代民の時代に鄭成功が建てた東寧王国を滅ぼし、中国の一部として台湾を併合している。その後は、日本との日清戦争に敗れた中国は台湾を日本に割譲し、50年ほど続く日本による統治が始まる。その間、太平洋戦争を経て、日本が領土権を失うと、中国国内の国共内戦に敗れた蒋介石が同地に逃げ込み、正当な中国政府を名乗り、現代に続く。依然として、中国共産党も台湾国民党も自分達が正当な政府である立場を譲らないから、中国から見れば台湾は自国の一部、台湾から見れば自国は独立国家としての台湾そのものであると主張を続ける(一つの中国、台湾問題)。経済大国となった中国との関係性を重視し、台湾を独立国家として正常な国交を結ばない外交政策を採る国が大半である。ウクライナ戦争でロシアとウクライナの戦争の行く末が気になるのは、前述したように中国がいつ軍事力を以て台湾を再び取り戻すか、大国が力任せに相手を屈服させることが可能であるとの証明になる可能性を秘めているからだ。
本書は蒋介石から数えて7代目、前任の蒋経国(蒋介石長男)の死去に伴い、副総統の地位から総統に上り詰めた、李登輝氏が記したものである。同氏も2020年には亡くなられたが、総統引退後に残る人生を台湾の国を憂いて記された内容となっている。時の総統は馬英九氏であった。李登輝自身は日本の京都大学(旧京都帝大)に学んだ後、太平洋戦争に突入した日本で陸軍に士官し、当時日本が治めていた台湾をその目で見てきた。よって大変な親日家でもあり、日本の武士道精神を称賛している。太平洋戦争後にアメリカの属国、中国資本に寄り添い続ける日本の行く末についても本書中で憂いを述べている。その様な同氏が見た台湾、中国、そして日本の姿は的を得たものとなっているし、自身の政治哲学に深く影響していることが本書から読み取れる。既に台湾は半導体をはじめ精密電子機器ではトップを走り続けているし、国民一人当たり実質GDPでは、日本人の1.4倍にまで成長し、アジア4昇竜の一角の地位を築いた。今なお中国の脅威に晒されながらも、2350万の国民を抱え、頑なに実質的な独立国家を維持し続ける台湾の成長の記録としても本書は読める。かつての戦後大復興を遂げた日本を手本としながらも、女性の社会進出や幸福度で日本の手本になるまでに成長、躍進を遂げた台湾。複雑な地域情勢の真っ只中に長くありながら、アジアの手本とも言うべき成長を達成した彼の国台湾。
単なる観光地として台湾を見るのではなく、そこに生きる国民とその指導者の強く勇敢かつ優しさに溢れる国として、日本が長期に渡り友好関係を築く事が、非常に重要な事だと教えてくれる。今、まさに中国が台湾周辺で軍事訓練を実施するたびに、日本にまで不安が及ぶ様な状況が続く。ロシアやイスラエルの様に人道を無視してでも自国の利益・領土獲得に励む国々と、中国だけはそうあって欲しくないという想い。恒久的に共産化の波に呑まれず実質的な国家としての位置を守り続けてほしい台湾。中国と台湾への複雑な感情が渦巻きながら、その渦中にあり台湾を一流にのし上げた李登輝氏の考え方を、何か今後の日本の国政に活かせないかと考えながら読んだ。

0
2024年11月22日

Posted by ブクログ

台湾総統であった、李登輝の自伝・主張

日本統治時代の精神 勇気、誠実、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、遵法、清潔、
台湾に影響を及ぼした日本人 後藤新平、新渡戸稲造、八田與市
京都帝大在学時に志願兵に、敗戦後台湾帰国後の本省人と外省人との確執
学生との対話と約束の実現、民主化への努力
中台の確執、軍備論、日本との関係、台湾大地震、東日本大震災

0
2021年12月28日

Posted by ブクログ

日本に対するリップサービスが多分にあるのだろうが、氏の著作や講演は、常に日本人が生来持つ心の郷愁を擽る。超インテリな方が、シンプルな価値観を貫いて行動する。そうそう出来ることではない。

0
2015年02月27日

Posted by ブクログ

気骨ある文章に読んでいて襟を正す思いがする。そしてこの台湾の偉大な巨人の思いに応える日本であらねばならないと強く感じる。

0
2015年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イギリス留学のとき、同じクラスだった香港出身の人は自らを「香港人だ」と名乗っていた。

マカオに行ったときに日本語でガイドをしてくれた頭ツルピカの張さんは笑いながら、俺はマカオ人で、カジノのおかげで税金が安くて病院はタダだと誇らしげだった。

また、上海行ったときに女の子に今までどこの国に行ったことがある?と聞かれて挙げていったとき、台湾と言ったら「台湾は中国でしょう」と笑っていた。


果たして、香港は、マカオは、台湾は中国の一部なのだろうか。いや、やはり何か違うのだ。
気質というか、鷹揚さというか、気風の良さというか。

上海のギラギラしてせこせこした中国人とは、やはりどこか違って、文化的で、とてもいいやつらだったのだ。


さて、李登輝の「新・台湾の主張」です。このじいさんまだまだ元気なんだなぁ。

李登輝といえば男塾のコスプレしてた印象しかないけど、元は日本統治下の台湾で青春時代を過ごし、その後は台湾総統時代に民主化を導いたすごいおっちゃんなんだよな。


技術だけ盗もうとする逆の手で威嚇してくる中国より、
おいしいところだけをさらって行こうとするインドより、
とりあえず謝罪しろと言ってくる韓国より、
どうにか助けて下さいよと何でもかんでも頼んでくるその他の東南アジアより、

なんとなく信頼できるのが台湾。

学生時代に学会発表に行ったのが台湾で、台北の屋台で食べた饅頭がおいしくて「ハオチー」って言ったら、本気で喜んでくれた。
なんか、国民性がとてもいい。好きです、台湾。


さて、そんな台湾が中国に取り込まれそうになっているのを危惧しているのが李登輝である。
そして、台湾の立場は国際的には孤立している。台湾は中国の一省であるという中国の立場のせいだ。


国と国の国境において隣人と仲良くできるわけがない、というのが常識だ。韓国と仲良くできるという考えが間違ってる。ムリに仲良くしなくていいじゃん。

だけど、いろいろと日本を助けてくれる隣人とは素直に仲良くすればいいじゃんと思う。

最近の日本は、なんかどうしようもないけど、これからもよろしくお願いしますと言いたい。

0
2015年01月20日

Posted by ブクログ

台湾の李登輝元総統による著述。
日本への感謝と期待と懸念。
台湾への期待と自信と懸念。
国際政治の現実。

日本人として恥ずかしくて向き合えない。

0
2023年06月26日

「社会・政治」ランキング