波多野理彩子のレビュー一覧
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ネタバレ・人の心は読めない
・むしろ、ある程度読めてると思ってるのはことごとく間違ってる
・なんなら、自分自身の認識についても、わりと間違ってる
・相手のことも、自分のことも、人に聞くしか理解への道はない
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・人がある選択をした理由を、それは"電気パルスと神経伝達物質と樹状細胞の複雑な連鎖反応"・・・ではあるものの、いちいちそうとは考えず、相手の心や考えを推し量る能力によって理解、判断する。人の脳が持つ能力である。
→ただ、完璧に使いこなせてるのか?
・相手の心を読み取ったり、相手に好かれてるのか嫌われてるのかを -
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先日、市川崑監督の『野火』と合わせてダルトン・トランボ監督の『ジョニーは戦場へ行った』が4Kリバイバル上映が行われており行ってきた。
映画は昔、DVDで観たときよりも遥かに画質が良く感じるレストアがされていて驚いた。そしていつの間にか小説も新訳が角川の新書判で出ており、このタイミングで改めて手に取ってみることに。
旧版はもう読んだという記憶くらいしか残っていないため比較は出来ない。だが自分の記憶では大分読みにくかった覚えがある。それに比べるとこの新訳はだいぶ読みやすくなっていた。
この箇所は全然覚えてなかったのだが、2つの章のどちらも終わりに近づくに連れてジョニーの内面がどんどん先鋭化して平 -
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ネタバレ読み始めたのは、8月の戦争特集としてこの映画版が上映されるけど、映像として2時間近く見切る肝がないと思って文章ならまだいいかと判断したからだった。
でも結局のところ、この原作は文章だからこその精巧さと訴求力の高さがある気がした。反戦と一口に言っても、ジョニーのような近代戦の犠牲者にローマ帝国から語らせる。人が人を虐げるということ。
皮肉や風刺だけでない肉薄ぶりの背景には、赤狩りの只中を意志を曲げずに生きたトランボ自身の屈強さもある。これが映画化された時はさらにベトナム戦争の最中で、このジョニーの生々しい叫びはまさにリアルだっただろう。
パレスチナ戦線での飢餓を強いる悲惨さを目の当たりにし -
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ズデンドルフ『現実を生きるサル 空想を語るヒト』(白揚社)のいわば続編。
著者のSuddendorfはドイツ出身、修士課程までドイツ。そのため前著では著者名がズデンドルフになっていた。今回の本書では、英語圏(NZ&AU)での生活も長くなったため、英語風にスーデンドルフ。著者名で混乱する人もいるかもしれない。なお、共著者の2人は彼の教え子。
前半では、未来を思い描くというヒトの能力にスポットをあてる。出来事を詳細に記憶する能力(episodic memory)は未来に対しても用いられる。この能力こそが期待や予測をもたらし、時間の計測をもたらし、ヒト特有の旅や移動をもたらした。後半では、そ -
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前もどこかで書いたが、我々のアイデンティティとなるパトリオティズムとは「根差す物語」であり、生まれながらに集団の一員としてその社会制度や歴史認識と自我との相互作用の果てに形成される〝過去“である。他方、その集団を拡大するために取られたコスモポリタニズムこそ、宗教や思想などの「目指す物語」であり〝未来“である。
記憶は予測のために用いられるのだが、それは類型を見抜く演繹であり、予測はそこから未来を措定する帰納であって、この標榜を戦略的に操作するのが共同幻想化。複雑な事象を組み合わせて推論し、かつ我欲に結び付けて戦略的に説得するのが人間の特徴だ。
本書は、それを先見性と呼び、進化人類学、脳科学 -
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終戦80周年企画として、映画版の本作が4Kリバイバル上映されることになり興味が湧いたので映画を観る前に原作である小説の方も目を通しておこうと思い、この本を手に取りました。
すでに映画版も観てからの投稿になるのですが、小説版でしか感じ取れない底のない恐怖がこの本にはあったと思います。
「意識のある戦死体」というトリッキーな設定により、本来話すことの出来ない死人からの叫びを用いた反戦メッセージの主張を実現させることによって死へのリアルな恐怖と生にたいする渇望が読者にのしかかってくるようなインパクトがありました。
四肢断裂かつ触覚以外の感覚器官を失ったジョーはいま現実を見てるのか?思い出に -
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ネタバレアポロ計画。マーケティング的に見ることでその理解度が増した気がする。
様々なプロが協働してことをなしていた時代。なんて贅沢なそしてレベルが高かったのかを思い知らされた。
アポロ計画の時代の技術。今あるものはほとんどあった。しかし全てがアナログ。機械式時計。プレスキットは当然紙製。ミッションは経過時間で管理されるが、それと実時間の変換ができる紙製の道具。今ならスマホアプリというところだろう。
テレビの生中継は何とかできていた。問題は録画だろう。生放送にこだわっているのは、録画がままならないから。今残っている映像は、テレビ画面をフイルムで撮影したものだ。電子的当時の記録は失われている。
CGは無い