石弘之のレビュー一覧

  • 砂戦争 知られざる資源争奪戦

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    身の回りにたくさんあると思っていた砂が実は戦略資源だとは知らなかった。言われてみれば都市化で砂需要は増えているわけで、その内実を多角的な視点で丁寧に解説している。

    砂に限らず資源は無限にあるように思いがちだけどその量は限られているし、枯渇に着実に近づいている。環境について考えるにはもってこいの良書。

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    2024年08月04日
  • 感染症の世界史

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    人間と感染症の戦いの歴史を読んだ気持ちになった
    しかもウイルスは人間より有利な状況での

    古くは紀元前のペロポネソス戦争から、戦争が勃発するたびに感染症が流行するという話が興味深かった
    歴史上戦争で死亡した将兵の三分の一から半数は病死だという

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    2023年05月30日
  • 噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる

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    歴史と地学のコラボレーション。多くの歴史の変革は気候変化その多くは火山の噴火であるという。噴火がもたらす寒冷化。それは現在に生きる我々にも無縁ではない。

    東ローマ帝国の滅亡、モンゴル帝国の興隆、フランス革命など歴史と気候変動がリンクしているという。寒冷化による農作物被害が政治改革に繋がっていく。

    世界の人口が大幅に増加したことで、従来型無人だった災害危険地帯に人が住み、自然災害の被害を受ける。天災ではなく人災。

    過去の災害史から将来起こり得る被害を予測し対策を講じる。予知よりも現実的な提言である。

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    2022年12月19日
  • 砂戦争 知られざる資源争奪戦

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    知らなかったことばかりで興味深く読めました。
    ここでいう砂は主に建設用コンクリートの材料になる骨材。中国やドバイの建設ラッシュや世界あちこちの都市化によって、コンクリートが枯渇しているらしい。砂マフィアまでいるとのこと。
    砂漠の砂はコンクリートに使えないとのこと。角が丸くてコンクリートに馴染まず、アルカリ骨材反応で脆くなってしまうとのこと。うまくいかないものですね。
    砂はガラスや半導体シリコンウェハーなどの素材でもある。そもそも砂が資源という感覚がなかったけど、環境破壊になるほど枯渇して争奪しているとは知らなかった。

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    2022年11月02日
  • 鉄条網の世界史

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    鉄条網の歴史を通してみる世界史の本。

    前情報もなくタイトルに対する興味だけで買って読みましたが、想像以上に深い。
    胸の悪くなるような描写もありましたが、知らないといけないことだった。読んでよかったです。
    最初は農産物や家畜の為に使われていた鉄条網が、やがて戦争の道具となり、人種や民族で人を隔離するために使われるようになることに、人の悪意というのがいかに強いかが見えるような気がします。

    鉄条網の中と外で、生態系や植生まで大きく変わってしまうというのは初めて知りました。いかに人の手が入ることが自然や動物にとって影響を及ぼすかを思い知ると辛いです。

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    2022年06月29日
  • 感染症の世界史

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    面白かった。コロナ以前に書かれた、感染症の歴史。
    ウイルスの進化は人間の軌跡でもあるのね。
    今、が決して特別ではなく、長く古くから続いている戦いだとわかる本。
    #本 #おすすめ本 #読書 #感染症の世界史

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    2022年05月19日
  • 感染症の世界史

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    いくつかの感染症をピックアップし、その経緯、ルート、またどんな型があるかの解説がある。
    新興感染症については、だいたいが他の動物経由で人に移り変異するため起こるのが多く、「人と森とがちかくなったこと(人口爆発、土地開発)」、「人と人とが近いこと(都市での密集)」、「人やものの移動が多いこと」から広がって来たんだなと実感ができる。これからについての記述で、中国、アフリカで新興感染症が起きやすいことやコロナウイルスがSARSであんなに脅威になるとは、といった"未来予測"に近いことが書かれていて、なるべくしてなった世界なのかもな、と実感した。

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    2021年02月12日
  • 感染症の世界史

    H

    購入済み

    読み易い

    コロナ禍でマスコミやインターネットでのつぎはぎだらけの知見しかなかった者にとっては、参考となる本でした。
    これからの時代では、この本に記載されている感染症に関する内容は、大人としての最低限の知識としなくてはいけないように思います。

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    2021年01月31日
  • 砂戦争 知られざる資源争奪戦

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    非常に興味深く読むことができた。

    「砂」なんてどこにでもあるじゃないか?
    なぜこれが資源なのだ?

    という興味で読んだのだが、まさに「砂」は「資源」だった。

    我々の町や建物を作るにはコンクリートが必要だ。
    そのコンクリートを作る為には良質な「砂」が必要なのだ。

    「砂」といってもどこにでもある砂ではだめだ。
    例えば「砂漠の砂」は粒子が細かすぎてコンクリートには使えないという。
    使える砂は、「川の底の砂」や「海の砂浜の砂」なのだ。

    こういった資源となる「砂」が闇取引される。
    勝手に「砂」が持ち去られるのだ。

    簡単に「砂」と言っても、「砂」は一朝一夕には作ることができない。
    それこそ「石油

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    2020年12月27日
  • 感染症の世界史

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    感染症とヒトとの関わりを丁寧かつわかりやすく分析した本。

    これまで知っていた歴史の知識に感染症という線が加わることで、新たな見方ができたのが一番面白かった。例えば、
    ・東西交流は感染症の交流。東から西にペスト、西から東に天然痘やハシカ。欧州のペストの起源は中央アジア。
    ・ペストの人口減で小作の地位が向上し、封建制度衰退、無策な教会への批判からプロテスタントが。
    ・中南米のインカ・アステカなどの滅亡は、スペインの武力というよりも、旧世界からもたらされた天然痘やハシカなどのウィルスによる人口激減が原因。1500年に8000万だったアメリカの人口は、1550に1000万まで減少。
    ・日本でペリー来

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    2020年12月18日
  • 感染症の世界史

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    昨今のコロナ騒動で少しは知識をつけようと手に取った一冊。予想以上に読みやすい良書。
    ウイルスの特性や症状・発生源といった専門的な部分と歴史的な背景や社会に与える影響などジャーナリズム的な部分、どちらもうまくまとまっている。そして初めて知る事ばかりで驚かされた。
    人類の歴史はそのままウイルスとの闘いの歴史とも言える。人の移動、都市の発展・過密化、環境破壊が直接的・間接的に感染症の発生と拡大を招いている。
    これまでどこか他人事だったがしっかりとした危機意識と溢れる情報を見極めることを学ばないと。

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    2020年05月05日
  • 鉄条網の世界史

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    鉄条網なんてものは、これまで考えたこともなかったが、鉄条網を通して、農地拡大と自然の変化、戦闘の変化や強制収容所など、様々な歴史上の出来事をこれまでとは違った視点から捉えることができた。また著者は世界各国で様々な仕事をしてきたようで、その体験も組み込まれており、読み物としても面白い。

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    2020年04月14日
  • 感染症の世界史

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    (要約)
    微生物が人や動物などに寄宿し、そこで増殖することを「感染」といい、その結果、宿主におこる病気を「感染症」という。人類はおよそ20万年前に地球上に登場して以来、繰り返し感染症の脅威と闘ってきた。しかし地球上に40億年前から途切れることなく続いてきた微生物からみれば、人間こそがその生存を脅かす。人間が病気と闘うために薬剤をを開発すれば、微生物は遺伝子の構造を変えて耐性を獲得し、人間の攻撃に耐えられるように変身する。地上で最も進化した人間と、最も原始的な微生物との死闘でもある。

     人類と感染症の関係も、人が環境を変えたことによって大きく変わってきた。新興感染症の七五%は動物に起源があり、

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    2020年03月18日
  • 環境再興史 よみがえる日本の自然

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    著者は環境問題を長く取材してきた新聞記者。
    鳥島では明治時代にアホウドリの羽毛輸出がさかんになり、警戒心がなく、陸地では不器用に歩くことから容易に撲殺でき、大量に捕獲されて一時は絶滅の危機に陥る。1977年に初めて上陸した東邦大学教授によって、営巣地を増やすためのイソギクの移植など地道な努力により、200羽から1000羽に増やす。
    秋分を過ぎると空に現れた雁はかつては季節を告げる風物詩だった。万葉集には雁を詠んだ歌が80もあり、ホトトギスに次いで多い。著者の思い出は「雁(かり)、雁、棹になれ、さきになれ・・」東京の空では雁が見られなくなって久しいが、「冬水田んぼ」など雁が休める浅い水場を守り、

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    2020年01月06日
  • 環境再興史 よみがえる日本の自然

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    絶滅に瀕している生物の保護、繁殖活動も必要ではありますが、そこだけにとらわれていると、
    それを取り巻く生態系の変化により、他の生物への影響や、我々の生活への影響も出てしまいます。
    またどこまで生育数を増やすのか?ただ増やせばいいという問題でもないと思います。
    森林伐採からの保護活動にしても同じことが言えます。
    かつては、どのような状態で生態系が保たれていたのか調べ、戻さなければ意味がありません。
    生態系は地球環境の変化(人類の手によるもの以外)でも常に変化しているものです。
    たやすく人類が生物のためと思い、あまりにも大きく手を加えてもいてないと思います。
    公害防止の観点では、企業がよくよく環境

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    2020年01月05日
  • 感染症の世界史

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    読書録「感染症の世界史」

    著者 石弘之
    出版 角川文庫

    p112より引用
    “ 感染症は当初、偶然持ち込まれたものだが、
    その絶大な効果に驚いた欧米人は、病気を意図的
    に利用した。農園造成などで邪魔になる先住民を
    除くために、ハシカ患者の衣服をインディオに与
    えるなどの「細菌戦」を行ったのである。
     一八世紀のカナダでは、イギリスやフランスが
    先住民を効率的に殲滅する方法として、ハシカ患
    者の衣服を買い集めて彼らに配った記録が残され
    ている。それらの部族は現在では完全に絶滅し
    て、痕跡すらとどめていない。"

    目次より抜粋引用
    “人類と病気の果てしない軍拡競争史
     人類の移動と病気

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    2025年04月23日
  • 噴火と寒冷化の災害史 「火山の冬」がやってくる

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    石先生の本は、とれもおもしろくて勉強になる。本書もそう。綿密な調査に基づいているけれど、学術に寄りすぎていなくて読みやすい。
    御年80を過ぎての本だとはビックリ。こういう方には年齢は関係ないな。

    メモ
    ■1707年の宝永地震は推定M8.7の南海トラフ三連動地震。その後富士山が大噴火した。
    ■マグマの対流で地磁気がつくられ、太陽風や宇宙線の影響を遮っている。火山は地球に生物多様性と恵みをもたらす。
    ■火山灰中の硫酸塩エーロゾルは大気中に滞留して太陽光を遮り「火山の冬」をもたらす。
    ■地球の過去の環境を推定する手法として、氷床コア、年輪幅などが使われる。
    ■米国のイエローストーンは地上最大の活火

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    2023年12月26日
  • 感染症の世界史

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    これはおもろい!
    ウィルスに感染することによって哺乳類とかDNAが少し変化し、進化してきたらしい!
    発酵とかも、その一つの現象っぽい

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    2023年07月09日
  • 砂戦争 知られざる資源争奪戦

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    コンクリートを作る原料として必須の砂を巡る世界的な奪い合いやそれにまつわる犯罪などを解説している。砂と言えば砂漠化の進行を防ぐ話題しか思い付かなかったが、資源としての砂の奪い合いが起きているとは思わず、なかなか衝撃を受けた。ちなみに砂漠の砂では角が取れ過ぎていてコンクリートの材料にはなれず、形が色々な砂でないと使えないらしい。

    特に衝撃だったのは、「砂マフィア」の存在や、砂の輸出入とその制限が各国で発生していること。本書のタイトルそのままに、砂の違法売買と政治家や警察まで取り込んだマフィアの暗躍、それを糾弾する人達の暗殺など、砂はもはや貴重な資源であり、利権や犯罪の温床にさえなっていることだ

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    2023年06月18日
  • 感染症の世界史

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    相当に膨大な領域を広く、そして網羅的に解説をしています。インフルエンザ、結核、エイズ、エボラウイルスなどなど。。。。。 知っている知識もありましたが多くは新しい知識となりました。コロナ前の出版ですが、新しいパンデミックが中国から起きることを予想しています。見識の深さに感動です!興味がある方は感染症とじっくり向かい合ってみることができますよ。

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    2023年05月22日