イヴォン・シュイナードのレビュー一覧
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パタゴニアの歴史から理念までまとめられた一冊。
前半の冒険譚は、ワイルドすぎて理解が及ばない部分も多いが、後半からは「なぜ経営理念が必要か」が伝わってきた。(自分の勤め先でも経営理念を浸透させるための施作はあるが、全くピンときていなかった)
もう一つは、環境に対する取組みについて。環境保護活動について必要性は理解しつつも、感情論のような気がして、両手で賛成するのは少し気後れしていた。パタゴニアは、売上の1%を毎年寄付するなど、ロジカルに考え行動しているように見受けられ、好感がもてた。
特に印象に残った箇所を抜粋。
政府も企業も資源の利用についてフルコストアカウンティングを採用していない。 -
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patagoniaのダウンジャケットは軽くて温かく、生地も丈夫でかれこれ10年ほど愛用している。本書を読み、私が持つダウンジャケット一着に、どれほどの思いが込められているのかを知った。経営理念にも感銘を受け、ますますpatagoniaのファンになった。我々消費者に対して、「自社の製品も含め服を買うな、良いものを選択して長く使え」という内容を広告にする企業はpatagoniaをおいて他にいるのだろうか。資源には限りがあり、余計なものを買わないことで、節約できるだけでなく地球環境を守ることにも繋がるのだと、イヴォン・シュイナード氏は述べる。私がこれまで生きてきた中で、本当に大切にして長く着た服は何
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信じることを自分なりに進めてきたら連続的にいまの姿に至ってきたということのよう。それって素敵だなとまず思った。
前半で印象に残ったのは、
○いい波がきたらサーフィンに行く、あるいは子の体調が悪ければ看病するというように、仕事と生活の垣根をゆるくするというマインド(これこそ働き方改革だよなぁ)、
○Management by Absence(MBA):外から刺激をえてくるというトップの在り方、
○事業を広げすぎて失敗するという経験を踏まえてこその学び(挫折あってこそ)、といったところ。
後半は経営理念等が語られる。
○理念は規則ではなく指針(いろんな領域に共通して適用されうるもの)。それを社 -
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パタゴニアの創業者であり現在もCEOをつとめているイヴォン・シュイナードの共著。社会や環境に対する責任を果たすことが結果としてビジネスにもメリットをもたらすという、一見背反する事柄をどう実現するかについての具体的な手法が解説されている。巻末のチェックリストは環境保護に関心ある団体には役に立つ資料になりそう。
「一歩進むことが、次の一歩を可能にする」「人間とネズミの遺伝子は1%しか違わない。パタゴニアと他の企業も、ほとんど違わないはずだ」「製品が環境に与える負荷の90%はデザイン段階で決まる」「責任ある会社の利害関係者とは、株主、社員、顧客、そして地域社会と自然である」「仕事に意義が生まれるの -
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アウトドアブランドとして独自のポジションを確立している、パタゴニア。
その経営方針や社内運営がユニークであることを漏れ聞いていたので、興味を持っていました。
最近、そのパタゴニアの創業者による著書が話題になっていたので、読んでみることにしました。
テーマは「企業の責任」。
まず、人間が経済活動を続けていくことの限界、自然界の生物が置かれている危機的状況を説明しています。
その上で、「責任ある企業」の利害関係者として、株主、社員、顧客に加え、地域社会、自然を挙げています。
そして企業として、企業の一員として取り組むべき「有意義な仕事」とは何かを、パタゴニアの具体事例を挙げて考察し、利害関係者に対 -
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ネタバレ事業(株主・取引先)、社員、顧客、地域社会、自然という5つの側面に対する責任ある企業活動がどのようなもので、どのように前進していくかが示されている。
商品の品質、機能性と価格だけでなく、製造過程や流通過程でどれだけ自然や人に影響を及ぼしているのかという価値基準の重要性に気づく。
ただし、生物としての活動そのものが環境に何らかの影響を与えることは明白だが、生活するうえで影響はゼロにできるはずもなく、では、極力少なくするべきかと問われると、著者のように明確には答えられない自分がいる。
実際のところ、品質よりも低価格やファッション性に重きが置かれるような生活や好みも否定できない。パタゴニアの製品が信 -
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【ひとつの戦略】
パタゴニアの宣伝でもありますが、これからの企業を見ることができます。
あくまで、ひとつの戦略ですが、このような方法もありだと思います。
環境負荷と企業利益は、いっけんトレードオフの関係に思います。
環境に対して負荷の少ないものを生産すれば、利益は少なくなると感じます。
しかし、この本を読むとよくわかるのですが、「地球にいいことをしている」と「会社に利益をもたらしている」では、前者の方が社員のモチベーションが高くなります。
さらに、ブランドイメージが良くなり結果的に高利益企業になっていきます。
メーカにとっては、いかに安くていいものをつくることが目標になっていますが、高く -
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パタゴニアに入りたいと思う人は、その理由として、会社と自分の価値観が一致していることを挙げることが多い。このように深い部分で会社とつながっていると社員のモチベーションが高まり、仕事が大変になったときにも冷静沈着な対応が可能になる。毒性染料が使われていない新しい生地を探さなければならないときも、がんばりが利く。換気改善のためにびっくりするような額を投資してくれと工場と交渉するときも、配送センターの建設候補地に農地を提案してくるなと不動産業者を説得するときも、同じだ。正しいことをしようとするからモチベーションが高まり、ふつうならあきらめることもあきらめずにがんばるようになる。有意義な仕事というの
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政府の視点も変わりつつある。国際連合では、各国政府の決算として「トリプルボトムライン」を原則にすべきだとしている。これは、利益(profit)、人(people)、地球(planet)という三つの面において最終損益を考えるもので、三Pとも呼ばれる。
科学系ジャーナリスト、ダニエル・ゴールマンが書いた『エコを選ぶ力―――賢い消費者と透明な社会』(早川書房)では、環境破壊を減らせるシンプルながらとても包括的なルールが三つ、提案されている――「自分の環境負荷を知る、改善を心がける、得た知識を共有する」だ。これは、大企業から零細企業まで、これから活動を始めるところも続けていくところも、すべて -
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パタゴニアという会社の理念がよく分かる本。また、アーティスティックな写真集のように、自然と融和したアクティビティの写真が多数掲載された素敵な本でもある。
消費文明に中指を立てながら、しかし、消費主義に参加せざるを得ない葛藤。そんなカウンターカルチャーを根っこに持つ。ビジネスマンなんて、ちっとも誇れる仕事ではない。ビジネスは自然の敵であり、土着文化の破壊者であり、貧しい人々から奪ったものを裕福な人々に届け、工場排水で地球を汚してきた張本人だ、と述べる。
しかし、同時に、食べ物を作り、病気を治し、生活の質を高めることができるのもビジネスだ。アンチ大企業。自然体。そして、ただただ自然を楽しみたい -
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基本的には人、地球、収益の3つをバランス良く持続可能な企業を目標にすることではあるのだが、そのくらいは今現在SDGsとか言って、たくさんの企業が考えていることではある。
ではパタゴニアブランドはなぜ、いまだに世界から尊敬される企業なのか。何か違うのか。
ザックリ言うと、何十年も失敗を繰り返して軌道修正しながら、方向性もフレキシブルにしていくことだと思いました。
イヴォンシュイナードさんは、70,80年代のころ自然のことなどあまり考えず、クライミング道具を作っていた過去。ハンパないCO2だったようです。
2000年代では低コスト、低賃金で労働者に働かせせていたことなど、今では考えられないこ -
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