イヴォン・シュイナードのレビュー一覧

  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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     …私の役目は、社外に出て、新しいアイデアを持ち帰ることだったと言える。会社には、外に出て世間の温度を体感してくる人間が必要だ。だから、私は、新製品や新市場、新素材などのアイデアを見つけてはわくわくしながら帰社していたわけだ。ところがそのうち、世界がすごい勢いで変わっていくのを見るようになり、帰社すると環境や社会の荒廃について語ることが増えていく。


     我が社も資源や能力の限界を超えていた。世界経済と同じように、持続可能な成長に頼ってしまっていたのだ。だが、問題がなくなることを祈って目をそらすなど、小さな会社に許されない。優先順位を再検討し、新たな方針を定めなければならない。ビジネスの進め方を根底から考えなおさなければならない。
     私は、幹部を10人ほどアルゼンチンに連れて行き、本物のパタゴニアを、風の吹きすさぶ山々を歩きまわった。そして、荒野を歩きながら、なぜビジネスをしているのか、パタゴニアをどういう会社にしたいのかを検討した。10億ドル企業になるのもいいだろう。だが、誇れない製品を作らなければならないのでは意味などない。我々が一企業として環境にもたらしている悪影響を抑えるにはどうすればいいのかも検討した。我々が持つ共通の価値観についても話し合ったし、パタゴニアにどういうカルチャーがあるから、みんな他社ではなくパタゴニアに来たのかについても話し合った。
     帰国後、我々は初めて取締役会を招集することにした。メンバーは信頼できる友人や専門家である。そのなかに、作家であり、熱心な環境保護論者でもあるジェリー・マンダーがいた。あるとき、我が社の価値とミッション・ステートメントをうまく言葉にできずにいると、昼食休憩でジェリーが姿を消し、完璧な文章を手に戻ってきた。
     我々は、無軌道な成長により、それまで会社に成功をもたらしてくれた価値観が危うくなっていると感じていた。この価値観は、これさえあれば大丈夫というハウツーものの業務規定に書けるものではない。常に適切な問いを発し、適切な解答を得られる哲学的な指針、感覚的にぴんと来る指針が必要だ。我々は、これを「理念」と呼び、部門や職務ごとにひとつを掲げることにした。
     あの日、ジェリー・マンダーが取締役会に示した文章が次のコラムである。
    ===
     大前提として、地球上の生命が危機の時代に直面しており、そのような時代であることから、今後は、生き残れるか否かが社会的に注目されるようになっていくと我々は考える。生き残れるか否かが問題にならなかったとしても、我々人間が体験する生活の質は問題になるはずだし、生物多様性や文化的多様性、生命を維持する地球の力が失われつつあるなど、自然界の悪化も問題になるはずだ。
     このような状況にいたった根本原因は、企業社会の価値観など、我々の経済体制を支える価値基準にある問題となる企業価値としては、まず、拡大と短期利益を最優先とし、品質、持続可能性、環境および人類の健全性、地域社会の状態などを軽んじる姿勢が挙げられる。
     当社は、このような点を的確に認識し、企業価値の優先順位を適切に調整するとともに、人類と環境、両方の状態を改善可能な製品を作っていける経営を基本的な目標とする。
     このような変革を実現するため、我々は、今後、以下に掲げる価値を基準に経営の意思決定を行っていく。項目は重要なものから並べてあるわけではない。どの項目も重要度に違いはなく、総体として、環境および社会が直面している危機を和らげるため、経済活動において重視しなければならない価値観の「生態系」を構成するものである。
    ・当社における意思決定は、すべて、環境危機という文脈で行う。害悪をもたらさぬよう、できるかぎりの努力をすること。可能な場合には必ず、問題を減じる行動を選ぶ。改善は果てしなく続けるものであり、みずからの活動について評価や評価をくり返さなければならない。
    ・一番注意すべきなのは製品の品質である。ここで高品質の製品とは、耐久性が高く、天然資源(原材料、エネルギー、輸送など)をあまり消費せず、多機能で飽きがこない、用途に適していることから生まれる機能美があるものを指す。うつろいゆく流行は、我々が企業価値とするものでない。
    ・取締役会も経営陣も、健全な地域社会が持続可能な環境の一部であると考える。さらに、我々は地域社会の一部であるとも考える。すなわち、地域社会とは当社社員を含むものであり、また、仕入先や顧客をも含むものである。我々はこれらの関係すべてに責任を持つと自覚し、全体の利益を念頭に意思決定を行う。社員の雇用については、文化や人種による差別を避けつつ、基本的価値観が当社と同じ人物を採用していくものする。
    ・最優先とはしないが、企業活動においては利益を追求する。ただし、成長および拡大は当社の本質的価値に含まれない。
    ・事業活動が環境に与える負の影響を削減するため、我々は、総売上高の1%あるいは税引き前利益の10%のどちらか大きいほうを税金としてみずからに課す。本税の収益はすべて、元の地域社会と環境活動に寄付する。
    ・取締役会から経営陣、社員にいたる全社において、パタゴニアは、会社の価値を反映する意欲的な活動を推奨する。具体的には、他社が価値観や行動を見直すよう、企業社会に影響を与える活動や、環境や社会が直面する危機を解決しようと草の根活動や全国キャンペーンを展開する者を行動面や財政面において支援する活動などが考えられる。
    ・社内について言えば、まず、経営幹部は一体となり、透明性を高く保つものとする。 その一環として、「オープンブック」制により、プライバシーや「業務上の秘密」を侵さない範囲で意思決定の詳細を社員が知れるようにする。どのレベルの業務であっても、ざっくばらんな意見交換、協力的な雰囲気、できるかぎりの簡素化をうながすとともに、活力や革新性も求めていく。

     会社は、1991年、意外なほどすばやく生まれかわった。たちまちのうちに焦点が定まり、地に足のついた会社となったのだ。その結果、成長は持続可能なレベルになった。お金は慎重に使うようになったし、よく考えて経営するようになった。そして、3年間、管理職の大幅削減、在庫管理の一元化、販売経路の集中管理化を進めた。この変革を実現できたのは、理念を明文化したことセミナーでパタゴニアのカルチャーを共有したからだ。一説によると、優れた投資家や銀行家は、成長企業のことなど、大きな危機をひとつ乗りこえるまで信用しないらしい。この話が本当なら、我々も、ようやく信用してもらえる段階に到達したことになる。
     カミ博士の助言には従わなかったが、それでよかったと思っている。あのとき会社を売り、得た資金を株式市場に投資していたら、2008年の株価暴落でほとんどを失い、環境保護活動に寄付する資金などたいして残らなかったはずだ。ビジネスを続けていなければ、苦労のすえ、持続不可能な成長をめざしているという点でパタゴニアと産業経済全体がよく似ていると気づくこともなかったはずだ。


    ■我々の考える理念とは
     ここで言う「理念」とは、我々の価値観をパタゴニアの各部門に適用できる形で表現したものである。具体的には製品デザイン、製造、販売・流通、マーケティング、財務会計、人材活用、経営指針、地球環境についての理念があり、ウェアのデザインから製造、販売にいたるプロセスをパタゴニアがうまく実現できるように書かれている。だが、ほかの事業にも応用できるはずだ。実際、建物の設計や建築について、我々は、ウェアデザインの理念を流用していたりする。
     事業環境がどんどん変化していくというのに、なぜ理念を文書にして留め置くのだろうか。インターネット市場が広がっていく、NAFTAやGATTといった自由貿易制度の影響が大きくなる、技術革新でデザインや製造が大きく変わる、社員がどんどん入れ替わり、その構成も変化していく、顧客の好みやライフスタイルも移ろっていく――そのなかで、どうやってパタゴニアは理念を守っていくのか。
     その答えは「我々の理念は規則ではなく指針である」だ。 進め方の基本となるものであり、理念は「石のように変わらない」が、その適用方法は状況次第で変わる。具体的なやり方は変わっていくかもしれないが、会社の価値観やカルチャー、理念はいつまでも変わらない。長く続く事業というのはそういうものだ。
     パタゴニアでは、この理念を社員一人ひとりに伝えるようにしている。だから、全員、選ぶべき道がわかっており、上司の指示を待つことなく、自分で判断することができる。
     同じ価値観を持ち、各部門の理念を知っているから、我々はひとつにまとまることができる。効率を高めることもできるし、コミュニケーション不足から混乱を生む愚を避けることもできる。
     この10年間にも失敗はいろいろとあったが、道を見失って、ただぼうぜんと時を過ごすことはなかった。我々には理念があるからだ。これはおおまかな地図のようなもの。山の世界とは異なり、前触れらしい前触れもなく地形がどんどん変化するビジネスの世界において、ただひとつ、頼りにできるものである。

    1.製品デザインー常に最高を目指す
    ・機能的であるか
    ・多機能であるか
    ・耐久性は高いか
    ・修理可能性
    ・顧客の体にフィットするか
    ・シンプルの極致か
    ・製品ラインアップはシンプルか
    ・革新なのか、発明なのか
    ・デザインはグローバルか
    ・手入れや洗濯は簡単か
    ・付加価値はあるか
    ・本物であるか
    ・美しいか
    ・流行を追っているだけではないか
    ・柱となる顧客を念頭にデザインしているか
    ・不必要な悪影響をもたらしていないか

    2.製造ーコストより品質を優先する
    3.販売・流通ー顧客と関係を結ぶ
    4.マーケティングーメッセージを伝える
     パタゴニアのイメージは、その創業者や社員がアウトドア好きであること、情熱的であること、そういう価値観から生まれる。実践的で明快に説明できるものもあるが、定型化はできない。それどころか、本物であることがイメージを支えているわけで、定型化したら台なしになってしまう。そもそも、パタゴニアが本物だと感じられるのは、イメージの構築など気にしていないからだったりする。公式なしでイメージを維持するには、そのイメージに恥じない行動を続けるしかない。つまり、我々がどういう人間でなにを信じているのかがそのまま現れているのが我々のイメージなのだ。なにがイメージの中核をなすのだろうか。我々は世間にどう見られているのだろうか。まず、なんといっても、世界一のクライミング用具を作る鍛冶屋という原点だろう。そこで働いていたのは自分を頼みとする自由思想のクライマーやサーファーで、彼らの信条や心構え、価値観からパタゴニアのカルチャーが生まれ、そのカルチャーからパタゴニアのイメージが生まれた。みずから使う人々によって作られた妥協のない製品、本物かつ高品質の製品というイメージが。
    5.財務会計ー利益を目的としない
    6.人材活用ー働きやすさを重視する
    7.経営方針ー価値観を共有し挑戦する
    8.地球環境ー企業として責任を全うする
    →6つの環境理念
    ①よく吟味して暮らす
    ②自分自身の行動を正す
    ③罪を償う
    ④市民が主役の民主主義を後押しする
    ⑤善行をなす
    ⑥他社を動かす

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    2023年04月23日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    パタゴニア創業者がなにを大切にして事業をしているかの自著

    持続可能性という意味について理解が深まる一冊

    非公開企業だからこそできることもあるけど、本質的には資本主義とのジレンマなのかもしれない。

    一国をあげて取り組まないと難しい問題であることがわかったし、いつか地球がなくなってしまうことに誰が責任を持って取り組むのか。

    資本主義であがったひとたちの協力やオーナーシップが重要

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    2023年04月19日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    読みたいと思っていた本を読むことにした。Tサイトのスタバにて。登録したのは2018年 購入したのは2023年

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    2023年01月26日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    20220511015

    息を吸うこと、歩くこと、食べること、全ての生きるという行為に責任と自分らしさを持つ。

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    2022年05月11日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    本として面白いかは別として昨今の環境問題とか企業の在り方とか勉強になった。パタゴニアは創業者や従業員が山が好きであること、そこから想起される本気であることが消費者に伝わっているのだろうなと思う。語られるストーリーと広告ではなく、カタログで語る。そして製品の品質にこだわること。なんか全てが有機的に繋がっている印象。
    そして環境問題についてはもっと勉強しなきゃなと思ったが、売上の1%を寄付するなんかの仕組みが日本でも出来たらと思ったり。

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    2021年10月17日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    パタゴニアの歴史から理念までまとめられた一冊。

    前半の冒険譚は、ワイルドすぎて理解が及ばない部分も多いが、後半からは「なぜ経営理念が必要か」が伝わってきた。(自分の勤め先でも経営理念を浸透させるための施作はあるが、全くピンときていなかった)
    もう一つは、環境に対する取組みについて。環境保護活動について必要性は理解しつつも、感情論のような気がして、両手で賛成するのは少し気後れしていた。パタゴニアは、売上の1%を毎年寄付するなど、ロジカルに考え行動しているように見受けられ、好感がもてた。

    特に印象に残った箇所を抜粋。

    政府も企業も資源の利用についてフルコストアカウンティングを採用していない。
    経済の健全性を図る政府指標はGDP (生産された価値の総量)だが、空気や水の供給量、土壌の健全性などは無視される。
    我々が消費している物はいずれも費用が過小評価されている。我々が支払っている見えない対価で最大のものは、子供たちの時代における地球が住みやすさである。

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    2021年03月30日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    patagoniaのダウンジャケットは軽くて温かく、生地も丈夫でかれこれ10年ほど愛用している。本書を読み、私が持つダウンジャケット一着に、どれほどの思いが込められているのかを知った。経営理念にも感銘を受け、ますますpatagoniaのファンになった。我々消費者に対して、「自社の製品も含め服を買うな、良いものを選択して長く使え」という内容を広告にする企業はpatagoniaをおいて他にいるのだろうか。資源には限りがあり、余計なものを買わないことで、節約できるだけでなく地球環境を守ることにも繋がるのだと、イヴォン・シュイナード氏は述べる。私がこれまで生きてきた中で、本当に大切にして長く着た服は何着で、意味もなく買っては捨てた服は何着になるのだろうか。考えるだけで過去の自分の行いが恥ずかしい。今後無駄な消費を控えようと決心するよいきっかけになった。

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    2021年01月13日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    ネタバレ

      パタゴニアは環境に配慮した経営を行っている会社のトップクラスの会社だと思います。フェアトレード商品をどんどん増やしたり、修理をしてくれたり、ひとつの商品を長く使ってもらうことで環境に配慮した消費者になれるようサポートもしています。もともとクライマーであった創業者が、山がクライミングの道具でボロボロになっていくのを見て、環境に配慮した製品を作るようになったというストーリーはとても印象的でした。今自分が使っているパタゴニアのリュックサックもペットボトルのリサイクルで作られらたものですが、大事に使っていきたいです。

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    2020年06月06日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    信じることを自分なりに進めてきたら連続的にいまの姿に至ってきたということのよう。それって素敵だなとまず思った。

    前半で印象に残ったのは、
    ○いい波がきたらサーフィンに行く、あるいは子の体調が悪ければ看病するというように、仕事と生活の垣根をゆるくするというマインド(これこそ働き方改革だよなぁ)、
    ○Management by Absence(MBA):外から刺激をえてくるというトップの在り方、
    ○事業を広げすぎて失敗するという経験を踏まえてこその学び(挫折あってこそ)、といったところ。

    後半は経営理念等が語られる。
    ○理念は規則ではなく指針(いろんな領域に共通して適用されうるもの)。それを社員ひとりひとりに伝えるべき。
    ○「最高の」物を作る。シンプルの極致、修理可能性、美しいか、等々。
    ○虚栄心や物欲や罪悪感に訴えるのでなく、事実と理念に基づいてPRする。時には「このジャケットを買わないで」とまで広告する。
    ○アウトドアを愉しむ人こそここで働くべき。働きやすさと多様性は大事。
    …そういったことに加えて、「地球環境」は一番思いが強く、重要視しているうえに異質。
    「行動していれば憂鬱にならずにすむ」とも書いていた。なるほどとも思ったが、そういうことなのか?とも思った。

    いずれにせよ、指針みたいなことを示すのは大事。

    また、皆伐や林道造成により土砂が川を埋めるという指摘は、一考に値する。

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    2018年09月15日
  • 新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

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    ESG経営の極北のように思われている会社であるが、目的のために会社を運営していること、利益は目的を実現するための手段であると明確に認識しているというのは考えれば当たり前であることに気づかされる。環境問題をどのくらい真剣に捉えるか、というので違いは出てくるが、社会的責任と株主に対する責任は両立しにくいというのはよくわかる一方、特に固定資本がいるわけではなく、あくま
    時流に沿った成功事例だろう。

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    2017年10月07日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    パタゴニアの創業者であり現在もCEOをつとめているイヴォン・シュイナードの共著。社会や環境に対する責任を果たすことが結果としてビジネスにもメリットをもたらすという、一見背反する事柄をどう実現するかについての具体的な手法が解説されている。巻末のチェックリストは環境保護に関心ある団体には役に立つ資料になりそう。

    「一歩進むことが、次の一歩を可能にする」「人間とネズミの遺伝子は1%しか違わない。パタゴニアと他の企業も、ほとんど違わないはずだ」「製品が環境に与える負荷の90%はデザイン段階で決まる」「責任ある会社の利害関係者とは、株主、社員、顧客、そして地域社会と自然である」「仕事に意義が生まれるのは、したいと思うことをするからであり、その仕事が正しいことであるからだ。世界に報いることができる」「製品を作っている人々が安全な環境で適正な報酬をもらっているかについて関心を持つ消費者が増えている。」

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    2014年11月09日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    ネタバレ

    時代は大量消費社会からポスト消費社会へ。地球は史上6番目に迎える絶滅の危機、企業は地球と向き合い責任ある活動が求められる。これに気づく進む企業は、自然に与える負荷を考慮して経営を考えるべきと説いている。

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    2013年11月18日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    アウトドアブランドとして独自のポジションを確立している、パタゴニア。
    その経営方針や社内運営がユニークであることを漏れ聞いていたので、興味を持っていました。
    最近、そのパタゴニアの創業者による著書が話題になっていたので、読んでみることにしました。
    テーマは「企業の責任」。
    まず、人間が経済活動を続けていくことの限界、自然界の生物が置かれている危機的状況を説明しています。
    その上で、「責任ある企業」の利害関係者として、株主、社員、顧客に加え、地域社会、自然を挙げています。
    そして企業として、企業の一員として取り組むべき「有意義な仕事」とは何かを、パタゴニアの具体事例を挙げて考察し、利害関係者に対する経営責任とはどのようなことか、と展開していきます。
    最後には、これら一連の企業活動を行っていく上での、「透明性」の大切さを強調した上で、終章で総括する、という構成になっています。
    前半の、経済活動の限界については、企業で働いていても生活をしていても感じていることだったので、頭の中を整理してもらえたように感じました。
    そして多くの企業が、「出来ることならやりたいが、今はそこまで出来ない」と足踏みしている取り組みについて、「限界がある」と認識した上で真摯に取り組んでいる、パタゴニアという企業の姿勢には、学ぶべきことがたくさんあるなと、感じました。
    巻末には、責任ある企業として取り組むべき項目のチェックリストもついており、自分が属する企業の、現状レベルを確認することもできるようになっています。
    本編は200ページほどで気軽さを感じる装丁ですが、21世紀を生き抜こうという企業については、参考になることがぎっしりつまった、一冊だなと感じました。

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    2013年08月27日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    前作を読んでしみじみいいなあと思っていたら、尊敬する人から新作もいいわよ、と言われて早速買ったのがこれ。

    人は正しいことをすると、もっと正しいことをしようとする。

    この一文に、パタゴニアの企業スピリットが凝縮されているような気がします。だから、成長しながら正しいことを推進し続けてこられたんじゃないかと。

    自然資本の経済を読んだときも感動して涙が出たけれど、この本でも、ほらこんな風にできる会社があるじゃないか、と嬉しくて泣けました。

    で、レスペクトの気持ちを込めて、パタゴニアのバッグをひとつ買ったのでした。

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    2013年05月01日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    ネタバレ

    事業(株主・取引先)、社員、顧客、地域社会、自然という5つの側面に対する責任ある企業活動がどのようなもので、どのように前進していくかが示されている。
    商品の品質、機能性と価格だけでなく、製造過程や流通過程でどれだけ自然や人に影響を及ぼしているのかという価値基準の重要性に気づく。
    ただし、生物としての活動そのものが環境に何らかの影響を与えることは明白だが、生活するうえで影響はゼロにできるはずもなく、では、極力少なくするべきかと問われると、著者のように明確には答えられない自分がいる。
    実際のところ、品質よりも低価格やファッション性に重きが置かれるような生活や好みも否定できない。パタゴニアの製品が信頼できるからといって長距離の運送が伴えば環境への影響度は増してしまう。
    売り場の製品タグで環境への影響度の情報が提供されるようになるのが望ましいのだろうが、それでも、そうした情報だけの物差しで判断しきれない難しさは残る。
    多様な価値観がある社会にあって、著者の責任ある企業への姿勢の真っ直ぐさに敬意を感じると同時に、自分自身も責任ある生活者であろうと思う。
    13-50

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    2013年04月07日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    【ひとつの戦略】
    パタゴニアの宣伝でもありますが、これからの企業を見ることができます。
    あくまで、ひとつの戦略ですが、このような方法もありだと思います。

    環境負荷と企業利益は、いっけんトレードオフの関係に思います。
    環境に対して負荷の少ないものを生産すれば、利益は少なくなると感じます。

    しかし、この本を読むとよくわかるのですが、「地球にいいことをしている」と「会社に利益をもたらしている」では、前者の方が社員のモチベーションが高くなります。
    さらに、ブランドイメージが良くなり結果的に高利益企業になっていきます。

    メーカにとっては、いかに安くていいものをつくることが目標になっていますが、高くていいものをつくれるブランディングを考えるところに来ているかもしれません。(←真剣に!)

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    2013年03月08日
  • レスポンシブル・カンパニー

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    環境や社会に対する取組みを重視しているパタゴニアが企業として取り組んできたことをまとめた本ですが、多くの気付きを得ることができます。製造されたものは価格以上の代償(自然など)をどこかで支払っているし、例えば美味しいコーヒー豆は違法な労働環境によって作られてるのかもしれない。いち消費者として考えたことなかったけど、製品の背景、ストーリーをもっと知り、自分が好きになれる企業から買いたいと思った。また生産者としても、電気や水、環境に着目し、事業を考えていくことへの意識が出て非常によかった。

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    2013年01月04日
  • レスポンシブル・カンパニーの未来―――パタゴニアが50年かけて学んだこと

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     パタゴニアに入りたいと思う人は、その理由として、会社と自分の価値観が一致していることを挙げることが多い。このように深い部分で会社とつながっていると社員のモチベーションが高まり、仕事が大変になったときにも冷静沈着な対応が可能になる。毒性染料が使われていない新しい生地を探さなければならないときも、がんばりが利く。換気改善のためにびっくりするような額を投資してくれと工場と交渉するときも、配送センターの建設候補地に農地を提案してくるなと不動産業者を説得するときも、同じだ。正しいことをしようとするからモチベーションが高まり、ふつうならあきらめることもあきらめずにがんばるようになる。有意義な仕事というのは、大好きなことをするだけでなく、世界に報いるものでもある。このふたつが組み合わされば、人がふつうに持ち、また、力を尽くしたいと考える優れた点が発揮されるのだ。

     責任のある企業としてすばやく対応できるようにしたければ、人がふつうに持つこの優れた点が発揮される環境を整えなければならない。それまで無理だと思われていたことを始めるたび、会社の文化は大きく前進し、実はさまざまなことが可能なのだと感じられるようになる。いま、ふり返ってみると、パタゴニアの歴史においても、なにが可能なのかという感覚が変わった節目がいくつもあった。責任ある企業として前進し、モチベーションが高まった瞬間だ――そういうことなのだと、 そのときには気づかなかったりもしたが(我々としては、ただ、衣料品を売って生計を立てようとしていただけだった)。


     2018年、イヴォンは、パタゴニア創業時に定めたミッションステートメントをシンプルなものに書き換えた。問題を大きくするためである。オリジナルのミッションステートメントは「最高の製品を作り、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」というもので、パタゴニア社員みなが信奉してきた。それを「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と心髄だけに絞り込んだのである。


     我々ができるかぎり使わないようにしている単語がある――「持続可能性」だ。この単語は、戻せる以上に自然を消費しないという意味である。だが我々は、みな、戻す以上に消費している。持続可能な経済活動などありえない。自然の再生する力や豊かな生命をはぐくむ力を阻害せず事業ができるようにならないかぎり、この言葉は使えないと思う。資源搾取型経済から資源再生型経済への転換を急ぐ我々にとっては、「責任ある」という言い方のほうが適切だろう。

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    2025年09月12日
  • レスポンシブル・カンパニー

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     政府の視点も変わりつつある。国際連合では、各国政府の決算として「トリプルボトムライン」を原則にすべきだとしている。これは、利益(profit)、人(people)、地球(planet)という三つの面において最終損益を考えるもので、三Pとも呼ばれる。

     
     科学系ジャーナリスト、ダニエル・ゴールマンが書いた『エコを選ぶ力―――賢い消費者と透明な社会』(早川書房)では、環境破壊を減らせるシンプルながらとても包括的なルールが三つ、提案されている――「自分の環境負荷を知る、改善を心がける、得た知識を共有する」だ。これは、大企業から零細企業まで、これから活動を始めるところも続けていくところも、すべてが利用できるルールである。

     我々としては、自分たちがなにをしているのか、あるいは、なにをしていないのか、 それがはっきりとわかるものにしたいと考えた。CSRの美辞麗句に感覚が狂った人々だけでなく、顧客にも訴えかけるものにしたいと考えた。その結果生まれたのがフットプリント・クロニクルだ。若干の双方向性があるウェブサイトで、リリースした最初のシーズンには、五種類のパタゴニア製品について、そのデザインから繊維(原産地まで)、 製織・製編、染色、縫製、リノ倉庫への輸送にいたるまで、地理的に追跡。同時に、この五種類について、二酸化炭素排出量、エネルギー消費量、廃棄物量、原産地から倉庫までの輸送距離なども算出した。この情報は、フットプリント・クロニクルのウェブサイトだけでなく、製品の販売ページにも掲載した。


     同時に我々は、仕事をしているあいだ、「生産者」という側面も持つ。これは、対外的に最も積極的な役割だと言える。私生活や投票に比べ、仕事は自分の好きにできない部分が多いが、一番大きな違いを生みだせるのは生産者という立場だからだ。製品が環境に与える負荷の九○%はデザイン段階で決まる。家庭のゴミがよく問題になるが、廃棄物の三分の二は産業活動が生みだす。だから、休日の朝、燃費の悪いハマーを下取りにプリウスを買いに行くより、仕事でなにをするかのほうが大きな違いとなる。毎日、 仕事でなにをするのかが問題なのだ。


    全社の環境問題意識を高める三ステップ
     環境意識の改革は、以下のように段階を追って進める。
     最初はなるべく幅広い人材を集めてチームとし、自社の行いで最悪なのはどれなのか、 なにが評判や利益の面で最も足を引っぱっているのか、また、最も簡単に修正できるのはどれなのかを調べあげる。会社によって価値観も違えば特性も違うし、会社の文化がイノベーション重視か安全重視かも異なるので、ある会社にとって簡単な修正が他社にとっては複雑で難しいといったこともありうる。
     まず、わかっているつもりのことに着目し、丹念に調べる。なにを聞いたとき、あるいはどういう結末を目にしたとき、つい気になってしまうのか。自社がなにかできると感じるのはどういうことか 自社ならうまくできるのはどういうことか。このような問いについて、チームメンバーにも考えてもらう。
     第二段階では、関係者を集めて改善の優先順位を検討し、リストからやるべきことを選び出す。最初にすべきことを選び、そこにどれだけの時間とお金をかけるのかを決める。投入する人数も決めなければならない。どういう成果があがったら成功と考えるのかも決めておく。ここまでを一ページにまとめ、チーム全員で共有する。改善すべき点を見つけ、どういう部分なら自社の強みが活かせるのか、リスクが低いのか、コストが大きく削減できるのか、あるいはまた大きなチャンスを生みだせるのかが確認できたら、 あとは実行するだけだ。
     いろいろと新しいことを学ぶはずだが、そうして学んだことは、組織内でなるべく多くの人と共有する。忙しくて、お互いそのようなことをしている時間などないと思うかもしれないが、必ずやるべきだ。そのうえで、学んだ内容を利害関係者と共有する。サプライヤーや所属する業界団体、主な顧客などだ。他社と協力してなにごとかをなしとげたいと思ったとき、声をかける主な競合他社とも情報を共有すべきである。培ってきた信頼関係を活用して輪を広げる。その際、信頼できると思ってもらえれば、自分の失敗についても正直に語っていれば、信頼関係をさらに広く、深くすることができるだろう。こうして、雪だるま式に支援の輪を広げていく。
     信頼関係が十分に深まり、多くの知識を得て、組織内や利害関係者との間に十分な自信と誇りが行きわたったら、最後に、こう自問する――いま、自社にわかっているこを使えば、以前には無理だと思われていたことに挑戦できるのではないか、と。
     あとは、プロセスの最初に戻って同じことをくり返す。そうしていると、驚くような変化が生まれるはずだ。
     会社全体がいろいろと考えて動くようになるし、事業の質を高め、社会や環境に対してよい影響を与える事業にしようと心がける人が増える。そうしたいと思えば、社員一人ひとりが事業の基本にしっかりと注意を払う必要があるし、こうして社員全員がよく考えるようになれば、柔軟で無駄の少ない組織になることができる。それまで見えなかった無駄遣いに気づけるようにもなるし、企業社会には昔から臭いものにフタという傾向があるが、そういう会社では対応できないチャンスを見つけ、追求できる自信も得られる。成功すれば、人はやる気になる。方向性が違う人々も含めて。

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    2025年09月05日
  • レスポンシブル・カンパニーの未来―――パタゴニアが50年かけて学んだこと

    Posted by ブクログ

    基本的には人、地球、収益の3つをバランス良く持続可能な企業を目標にすることではあるのだが、そのくらいは今現在SDGsとか言って、たくさんの企業が考えていることではある。

    ではパタゴニアブランドはなぜ、いまだに世界から尊敬される企業なのか。何か違うのか。

    ザックリ言うと、何十年も失敗を繰り返して軌道修正しながら、方向性もフレキシブルにしていくことだと思いました。

    イヴォンシュイナードさんは、70,80年代のころ自然のことなどあまり考えず、クライミング道具を作っていた過去。ハンパないCO2だったようです。
    2000年代では低コスト、低賃金で労働者に働かせせていたことなど、今では考えられないこともあったようです。
    パタゴニアはそんな過去をオープンにし、その反省や謝罪を含めた意味が重要だと。責任ある企業を目指すと言う。

    今は正しいことと思い込んでも、一年後は正しくないことに変わることも想定する。

    今の世の中、政治も企業も責任の押し付け合い。日本企業はなかなか真似できないですね。

    パタゴニアブランドのような素晴らしい企業とは、自分の非を認めることだと痛感しました。

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    2025年06月07日