甲斐みのりのレビュー一覧
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歩いて、食べる 京都のおいしい名建築さんぽ
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Posted by ブクログ
甲斐みのりさんつながり。その5冊目。
エッセイは、なんとなく期待にそぐわなかったけれど、こちらは、まるで別の人がお書きになったのかと思うくらい、素朴で可愛らしい文章だった。半分ほどを読んで、全部読まなくても、楽しい手品や魔法の時間が解けてしまうみたいに思えて、面白かったけれど本を閉じた。評価的には3.5~3.8くらい。
好きなものを蒐集し、開陳し、楽しく共有する。それはとても楽しい、女達の文化の表れだけど、どうしてこういう表現を生業になさったのか、その源流を、ご自身の言葉で、一生懸命語っておられる。読む方も急がずに
『うんうん』『私もそうなのよ』
と頷きながら、自分のペースで読むのが楽しい。そんな本だった。やはりこの方の真骨頂は、文字だけの本より、写真などが添えられたものだと思うが、それにしても。もっと大事なことは別にあって。
男の人にも女の人にも、年代にかかわらず、それぞれのフェイバリットがあると思うのだが、それを大事にしたり、シェアして慈しんだり、盛り上がったりするのって
人生のどの時期でやっても楽しいことだ。たぶんそれをシェアしやすくするために『推し活』なんて言葉や行動が定着したのだと、私は思う。ひとりでひっそり、好きでいるのもいいし、解ってくれそうな誰かと共有するのも楽しい。
この本で扱っているのはレトロ乙女文化とか80年代以降のOliveに代表されるスウィートカルチュアなのだけど、これ、男性からみたフェイバリットの蒐集を本にしても、ちゃんと成り立つと思う。オタクなディープ会話や沼にハマるのが楽しいのは、誰だって垣根を取っ払って、生き生きした時間にその人を連れて行ってくれるからだ。そこに年齢は関係ないし、性別も関係ない。あるのは『好き』だけ。人生ハードモードでも、ドルチェ・ヴィータでも、自分を支えるには、フェイバリットの引き出しが、いくつあるかが大事なのだ。
きっとそれは、多ければ多いほどいい。意外なものもあっていい。人生の晩年になってでも、きっとそれは増えてゆく。今日も好きなものを愛でて、つらい日々に黄金の一滴を加えよう。 -
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