タナカミホのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
砂村かいりさん。
『あらすじが変わってる話を書く人』というイメージがあって気になっていたけど、今回初めて手に取ってみたら…。
文章もとても読みやすくて、期待していたよりもかなり面白かった!
自分の中高生時代も、れいちゃんみたいな子っていっぱいいたなー。
学生の頃って、『学校内の世界が全て』みたいなところがあるからキツかったな…。
れいちゃんが、散々主人公に嫌な思いさせて、時々気まぐれに無邪気に遊んだりイチゴ飴をくれるところが、DV彼氏が殴ったあと優しくしてるみたいなイメージで、傍から見ると(うわぁ)なのに、当事者はちょっと喜んじゃう感じもリアルだった。
色々あったけど、読後の後味は良くて面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレれいちゃんみたいな子っているよなぁ。
人を小馬鹿にして見下して、噂や陰口で周りの関心を引こうとする。馬鹿にする相手は選ぶ。卒業した今でこそ、「暇なの?」と一蹴できる強さも余裕もあるけれど、学生の頃はそうじゃなかった。女子高生の友達関係って、本当に難しい。常に誰かの視線を意識していると思う。例えば、教室移動の一瞬でさえ、誰かと一緒でないと後ろ指を刺されてしまうし、カースト上位の子に嫌われるとその波紋はクラス全体に広がってしまう。個人としてはその子のことが嫌いじゃなくても、一緒にいると周りからダサいと思われるからという理由で、みんなの前ではその子と仲良くしている素振りは見せないとかもある。
この小説は、そんな人間模様がリアルに表現されていて、高校生に戻ったような感覚で読んでしまった。寿美子にもすごく感情移入してしまった。
タイトルにある「苺飴」は、れいちゃんが気まぐれで寿美子にあげるお菓子である。苺は甘いもの、毒は苦いもの。れいちゃんは、寿美子にとってまさに毒入りの苺飴のような存在だったと思う。花一匁の出来事は、どれだけ時間が経っても胸を締め付けるような、辛くて重苦しい記憶で泣きそうになる。けれど、飴をくれたり、ムクと遊んだり、そういった無邪気で純粋で楽しい思い出が確かにある分、憎みたくても憎みきれないのだと思う。最後の合評会で、菅原さんが、「純度の高い好意や友情しか感じない時間が存在したからこそ、苦しんだんだと思う。感情の両極を気まぐれに表す行為は、相手を精神的に支配することもあり得るから。それでも、どうしてももう一度見たい景色があったのだと思う。」と評したシーンは、まさに寿美子がれいちゃんに抱えていた感情を言い表しているなぁと思った。
自分を苦しめる人間関係だとしても、それから逃げられなかったり、それに縋るしかない時があるのだと思う。そういう状態に置かれた人って、多分相手を憎みつつ反撃する気もごっそり削がれていて、無力感を感じているのだと思う。この小説を読んで、そういう人間とは物理的に距離を取ること、他の依存先を見つけることが大切だなと思った。都内への進学が決まった寿美子が、れいちゃんに返信しないことでこれまでの関係にけりをつけた場面は、寿美子がれいちゃんの呪縛から解放されたことを象徴しているなと感じた。そんな寿美子には、苺飴の毒はもう効かないのだろう。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ学生時代の「誰かと一緒に行動せず、1人でいるのはおかしい」という風潮が、自分自身も嫌だったなと思い出した。
思春期の、自分の性格を形成していく大切な時期に、自分に悪影響を与える人が近い存在なのは辛いなと感じた。
もし、れいちゃんが寿美子ちゃんの悪口を言わず、他の人達だけだったらまだ結末は変わったのかなと思うところもある。
寿美子ちゃんが、最終的に前向きに進めれて安心した。れいちゃんと縁が切れてよかった。
読みながら、自分の学生時代を思い返していた。思春期女子のドロっとした感情。自分にも似たような所があったのだろうなと反省もしつつ、寿美子ちゃんに共感しながら。
私も、寿美子ちゃんみたいに言い返せたら今抱いている感情も違ったものになっていたのかもしれない。