浅ノ宮遼のレビュー一覧

  • 情無連盟の殺人

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    感情が失われていく病の後天性情動喪失症候群、通称アエルズ。アエルズに侵され徐々に感情を失いつつある伝城英二は、アエルズ患者のみで共同生活を行う情無連盟に誘われる。感情の無いアエルズなのになぜか事件が発生する。
    理屈のみで動くという設定が面白い。「人間の感情は役割を終えた」という話にも共感を覚える。人類全てがそうなれば戦争などは起こらない。何のための生かという目的は失われるが、其れこそ人類AI化計画といったところだろう。SFとしての題材としても面白そうではある。
    あとがきにあるが、アエルズはフィクションらしい。本当にあるのかと思いネット検索したが出てこなかった。まぁ症状から考えると鬱病と診断され

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    2022年09月22日
  • 情無連盟の殺人

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    元麻酔科医の伝城英二32歳は時間と共に感情が失われていく病<情無>「アエルズ」に罹ります。

    英二はアエルズ患者8名が共同生活を送る<情無連盟>
    の国木田紘子61歳から加入の勧誘を受け、千葉県のD町に見学に行くと、そこで情無の一人、乾が殺されるという第一の事件が起こります。

    何も欲求を持たず、怒りも悲しみも感じない<情無>。
    英二は国木田から事件の推理を頼まれます。

    英二は8人の中に情無とは症状の違うサイコパスが隠れていることに気が付きます。
    そんな中、第二、第三の殺人が起こります。
    <理佐殺し>、<D町四住人殺害事件>です。
    残された情無は二人。

    後半は英二の推理がさえわたり、情無とサ

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    2022年09月19日
  • 情無連盟の殺人

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    ネタバレ

    設定的に目新しく、感情がなくなった人間が犯罪を起こす動機などを考えるのは面白かった。真の意味での論理的な思考を持った情無達。その思考に寄り添うのがなかなか難しく、種明かしをされても、登場人物がそういう風に考え、行動するかどうか、本当のところは分からないんじゃないかなあなんて思いもした。

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    2022年09月15日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    面白い!事件になりそうなならなそうな、事例研究になりそうなならなそうな(なるな)、そんな謎めいた患者さんたちの状態を広い視野で診る西丸先生が良い。周辺の先生方も良い。なんだか教訓も得ちゃう。短編集ですがどの物語も良かった。是非シリーズ化して欲しい。

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    2022年08月30日
  • 情無連盟の殺人

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    新種の奇病「アエルズ」により感情を失った人々が過ごす情無連盟。全ての判断が合理的であることと、自身の生存本能に基づいている彼らの家で何故殺人が起きたのか。
    とにかく論理的に推論を重ねていく物語で、派手さはないが刺さる人には刺さると思う。
    ラストへの展開と主人公の結論が面白く、好きな作品です。

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    2025年01月01日
  • 情無連盟の殺人

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    感情が無くなっていく病気に罹った主人公が、同じ症状を持つ人同士で暮らしている連盟と出会い、そこでの生活を考えるために体験入所している時に殺人事件が発生。
    感情が無いから殺人どころか揉め事すら起きない空間でなぜそのようなことになったか、そして密室ではないがクローズドサークルで起こった殺人。
    これを解決するために主人公が冷静に分析し解決していく話。
    主人公も探偵ではないので、立てた仮説が間違っていたり、ミスリードされてしまったりと、読者と同じ視点で進んでくれるので読みやすい。
    読み応えのある作品だった。

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    2024年07月28日
  • 情無連盟の殺人

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    感情がなくなっていく病気アエルズに罹患した人達が共同生活をする館で起こる殺人。

    情がなく理によってのみ動くことで考えられる殺人の動機や行動が興味深かったです。
    ムダがなく機能的でAIみたいな感じなのかなとは思ったけれど、やっぱり人間として切なかったです。
    最後はちょっと納得がいかない感じでした。
    思いもつかないような設定でおもしろかったです。

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    2024年07月02日
  • 情無連盟の殺人

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    ネタバレ

    感情が徐々に失われていく『アエルズ』を患った主人公と同じ病気の『情無』達が集まった屋敷での殺人事件のお話です。( 説明下手 )

    思ったよりも面白かったです。あらすじからホワイダニットかな〜と思っていましたが違いました。

    感情がない方がほぼで淡々と進みます。もうほぼほぼ感情の起伏がない描写でした。
    稀に『アエルズ』を患ってない方々( 主治医など )が出てくるのですがあまり出番がなく…それが少し残念でした。

    それでも設定はとても面白く、『感情がない=怒ることも恐怖も不安も喜びも感じない=動機がない』というのはトリックから推理するしかなく、全然わかりませんでした。ハウダニット全振りのお話は難し

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    2022年08月30日
  • 情無連盟の殺人

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    感情を失った
    疑う心も無い、理さえ通れば受け入れる
    死の恐怖すら無い

    事件が起きてから大半のシーンが探偵役の伝城による仮説と検証
    と言っても一人で考え込んでる訳ではなく他の人と話しながら推理を組み立てていくスタイル
    感情が無いから犯行動機が不明
    考えるべきは事件のトリックのみってのが良いよね

    個人的には連盟の1人が病気になったときの会議が1番の見どころ
    もう終わりだよこの集団って言いたくなるはず



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    2022年08月05日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    はじめまして、の作家さん。
    解説が、大好きな米澤穂信さんってことで、
    医療ミステリーに初挑戦。
    
    登場する医師たちがまだ医学生で
    講義を受けるシーンでは、
    「脳は人間の最も尊い領域」という表現に
    スコーーン!と視界が開けるような感覚で
    すごく印象深かったし
    「人間の心を作っているのは、脳」をはじめ
    現役の医師が書いているだけに
    医療のリアルさがあった。
    
    医学用語も結構出てくるけど、
    必要なところで、わかりやすい説明つきで
    スムーズに読めたし、
    実際の病や治療から逸れることなく
    自然な流れでしっかりと謎解きがされる。
    
    これは医師、看護師さんが読

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    2021年05月30日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    総合病院で診断の専門家というと「天久鷹央の推理カルテ」シリーズを思い浮かべますが、あちらが比較的ドラマチックなのに対して、こちらは淡々としており、その分リアルに感じます。登場する医師がプロフェッショナルに徹しているので、あまりキャラが立ってません。さらに一部のお話では登場人物をA、Bであらわしているので、ともするとショートショートのようにも感じます。
    ただロジックはしっかりしていて、ミステリーとしての読みどころは多々あります。好みは分かれるかもしれませんが、個人的には好感をもった1冊です。

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    2020年04月05日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    洞察力の鋭い医者が謎を解く短編集。
    時系列がバラバラなのは、作者の作戦か?

    まだまだ読み足りないので、早く次の作品を。

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    2020年03月14日
  • 監獄舎の殺人 ミステリーズ!新人賞受賞作品集

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    東京創元社さんの「ミステリーズ!新人賞受賞作品集」。これが新人か、と思わずにはいられないほどハイレベル。
    表題作の「監獄舎の殺人」は前評判通りの完成度で、映画のようなラストシーンには“おお!”と快哉を上げた。
    個人的に好きなのは「かんがえるひとになりかけ」。こんな特異な状況のミステリは他にないよね。読み進めるのが楽しくて仕方がなかった。
    純粋に謎物語を楽しみたい人にはお薦めは一冊。

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    2020年02月20日
  • 消えた脳病変

    購入済み

    よかった

    普通に読んで1時間かからないくらい。無駄がなく適度に撒かれた仕掛けに好感。はじめ医学的な説明が続いて軽くひくけど謎解きには知識は必要ない。終盤軽く考えるようなテーマがいくつか出てきて読後感も悪くない。ほとんど会話だけで進んでいくけど人物描写もできてるように思う。長編も読んでみたい。

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    2015年10月29日
  • 情無連盟の殺人

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    病気により感情が無くなった人々のコミュニティでなぜ殺人が起こったのか?
    アエルズという架空の病気を用いた特殊設定ミステリ。設定は面白く惹きつけられる魅力は有りだが推論に推論を重ねる展開でそんなに上手くいくか?と考えてしまった(汗)

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    2025年04月20日
  • 情無連盟の殺人

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    感情が徐々に失われていく病気(情無)に罹患した主人公が、自分と同じ疾患の人々が集団生活している連盟に誘われ、殺人事件に巻き込まれていくお話。

    感情が無く、常に合理的に生きるという情無の人々が中々想像しづらくて、物語に入り込めませんでした。また、この疾患の診断における穴については、納得すると同時に、何か対策してくれよ!とツッコミたくなりました。
    そして、主治医の五味先生や主人公の妹さん等、推理に加わるのかと思わせておいて関わりが中途半端。どちらか一人でも、最後までガッツリ関わっていて欲しかったな〜。

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    2025年04月20日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    医科大学の脳外科臨床講義初日、初老の講師は意外な課題を学生たちに投げかけた。患者の脳にあった病変が消えてしまった、その理由は? 正解者には今期の試験においてプラス50点を進呈する、というのだ。一向に正解にたどり着けない中、西丸豊という学生ただ一人だけが意外な真相を導き出す――。

    ・・・ミステリーなんだろうが

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    2025年02月05日
  • 情無連盟の殺人

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    極めて合理的なミステリー
    喜怒哀楽の感情がなくなる病にかかった人々が共同生活を送る屋敷で殺人事件が起こった。
    怒りも恨みも抱くはずがない人がどうして非合理な殺人を犯したのか?
    密室殺人はどうやって成されたのか?

    余計な感情を持たない彼らは極めて合理的で、生きるのに最適なことを最低限積み重ねていく生活を送っている。
    他人に興味を持たないから誰かを貶めたり傷つけることもない。それこそユートピアのような世界かと思いきや合理的であるからこそ陥る罠がたくさんある。
    ミステリー小説のなかには、被害者が非常に協力的でないと成功しないトリックが沢山ありますが、システマティックに考える彼らの行動には理由があり

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    2024年12月05日
  • 情無連盟の殺人

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    ネタバレ

    CL 2024.11.10-2024.11.12
    すべての感情が失われていくアエルズ病。その患者たちが集まって共同生活を送る情無連盟で殺人事件が起こる。
    感情がなくなる病と共同生活という設定はすごく面白かったのに、結局主人公の行動原理も犯人も情無ではないから、つまり、普通の謎解き。で、その謎解きがスッキリしなくて、ラストも中途半端で、後半ガッカリでした。

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    2024年11月12日
  • 臨床探偵と消えた脳病変

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    優れた診断能力を持つ臨床医師・西丸が探偵役を務める医療ミステリー。長編ではなくバラエティ豊かな短編集である。
    何やら某天久鷹央を想起させる設定だが、こちらの西丸は積極的に調査に取り組むタイプではなく、他キャラの誤答を正すように最後に現れる舞台装置という印象が強い。背景もほぼ語られないので作中一の謎ですらある。

    この作品の特徴として「誤答もそこまでバカバカしくない」というものがある。ツッコミ役の探偵がその場にいないので珍回答が出ないのだ。
    登場人物の大半が医者なので知能レベルが高いというのはある意味リアルではあるのだが、エンタメとしては少々問題がある。ツッコミどころもなく淡々と推理が進むのでど

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    2024年08月29日