テリー・ヘイズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレピルグリム最終巻。
スピード感がぐっと増し、まさに手に汗握る展開。
無理か?無理なのか⁈とハラハラさせておいて
ギリギリのところでつながりホッとしたり、
痛い痛い、もうやめてー!と叫んだりと、
忙しい最終巻。
映像にしたらさぞかし映えるだろうなぁ。
緊迫した中でも愛嬌を感じるバトルボイや
ダウン症のサラセンの息子に癒された。
彼らや彼らを取り巻く人々に幸あれと願う。
サラセンとの対決の場面で、
自分の名を「ピルグリム…」と伝えるシーンは胸熱。
第1巻の最初の事件もきれいに回収され、
余韻の残るフィナーレにも満足。
そして訳者あとがきで、この物語、
まだ続くのだと知り、さらに楽しみが広が -
Posted by ブクログ
物語はあの9.11同時多発テロが発端となっています
主人公『ピルグリム』は、「最高の諜報員」と評されいましたが、アメリカ本土への大規模テロを防げなかったことを諜報機関の完全なる敗北と捉え30代の初めにも関わらず引退を決意します
一方彼のパートナーとなる、50代のニューヨーク市警の警部補ベンは、いち早く現場に駆けつけ大いなる勇気を持って人命救助のためにビルに飛び込み、車椅子の避難者を救助しますが、ビルの倒壊により自らも重傷となり、また救えなかった人々を思い大きなトラウマを抱えることになります
しかし妻マーシーの支えにより立ち直った彼は再び災厄が訪れたときに、より多くの命を救うために、警察官た -
Posted by ブクログ
つまりは第2巻です
『ピルグリム』とは名前のない男に与えられたコードネームでした
ふと『I am Pilgrim』という原題が目に留まる
うん、知ってたよ、『ピルグリム』って主人公のことに決まってるじゃん!なんだろう?なんて一瞬たりとも思わなかったよ(認めない人)
はい、物語はじっくりコトコト進みます
第2巻が終るところでもまだ『ピルグリム』はテロリスト〈サラセン〉と顔を合わせていません
3,000kmくらい離れてます
少しずつ少しずつ距離を詰める第2巻なんですが、不思議なスピード感に包まれています
じっくりコトコトなのにダレない
この不思議さは回顧録のように語られる文体とかなり頻繁には -
Posted by ブクログ
なんて壮大なスケールなんだろう!読み終わった今〈ピルグリム〉に心から感謝している。もう少し余韻に浸っていたい。優れた本て、こういうこと。読後の余韻が心を満たし、元気にさせる。息つく間もない展開に、心臓は早鐘のようにドキドキしっぱなしだったけど、読者としての旅は終わった。お疲れ様〈ピルグリム〉。あなたが背負わされたもの、あなたが奪われた〝当たり前の生活〟。あなたが犠牲にしてきたものの数々が、まぎれもなく世界を救っているのだということ。そして現実の世界にいる〈ピルグリム〉達に敬意を表して。私達は見えない所でこういう人に救われていたんだ。ありがとう!ピルグリム。
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Posted by ブクログ
近年のスパイ/冒険小説の衰退に憤りを感じていたファンの渇きを一気に癒やす紛れも無き傑作。三分冊の大長編にも関わらず、中弛みや無駄なエピソードの類は一切無く、凄まじいテンションを保ったまま終盤まで疾走する。散りばめられた枝葉が最終的には全てが関連付けられて永い年輪を重ねた巨木へと収束し、その緻密で鮮やかな構成美によって読み手を魅了する。巻を措く能わず、最終ページに辿り着いてしまうことが惜しいと思うほどの幸福な読書体験は本当に久しぶりだ。
褒め上げれば切りがないのだが、本作が最も優れている点とは、世界を震撼させるテロの恐怖を主題にしながらも、天才的頭脳を持ったスペシャリストによる1対1の闘いに焦 -
Posted by ブクログ
CIAでもFBIでもない政府機関に所属し若くしてその世界のトップに居た私「ピルグリム」が、一度は引退して普通に暮らそうとたものの、911のテロやその後の世の中の混乱によって、否応なく諜報の世界に戻ることになり、非常に緻密で慎重で手強い相手「サラセン」を追うお話。もともとは映画の脚本家をしていたという著者の初めての小説だそうです。元脚本家というだけあり、複雑な情勢、人間関係、ピルグリムやサラセンを形作った過去の出来事に彼らの心の動きを、短い文章を連ねることによって見事に書き出していて、とても読みやすかったです。現在のことから過去に飛んだり、(全体が回顧録なので)途中で予言めいたことが出て来たりも
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Posted by ブクログ
<サラセン>の正体をつかんだと思ったのも束の間、彼は死んだことになっており、彼を追う手がかりは途絶えてしまいます。
絶望に打ちひしがれる中で、<ピルグリム>が閃いた逆転の発想。そして訪れる対峙の時。彼は<サラセン>の悪魔的な計画を阻止できるのか。
本当にハラハラしっぱなしでした。
いくらアメリカ政府の最先端のテクノロジーと諜報網があっても、たった一人の前科のない孤高のテロリストを突き止めるのは、奇跡を通り越して荒唐無稽にすらなりかねません。
しかし、そうは感じさせずに物語にぐんぐんと引き込まれる面白さでした。
作者の構想では、この物語は三部作構想の一作目とのこと。
続きが楽しみです。