テリー・ヘイズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ翻訳小説は、感性と背景知識と想像力を総動員する読書なのだと思う。背景知識に乏しい私は、決して読みやすい読者ではない。
サブタイトルの「ダーク・ウィンター」も、最初は単純に「暗い冬」「寒い冬」ほどの意味で受け取っていた。ところが調べてみると、これは2001年にアメリカで行われた、生物兵器テロを想定した机上演習(シミュレーション)の名称でもあるらしい。天然痘がテロによって米国内に拡散する―その想定を知ったとき、本作はもしかすると、そのシミュレーションを小説として拡張したものなのではないかと思った。
とはいえ、それは「思うのみ」である。
このシュミレーションの数ヶ月後、⒐11の攻撃を受けている。演出の小説化ではなく ⒐11を経験した小説なのですね。
軍事、情報機関、宗教、そして各国が抱える歴史的トラウマ。そうした要素が前提知識として置かれている物語の中で、私は読書は手探り。背景を知らないがゆえに、物語の全貌や、作者が仕掛けたであろう知的な面白さに、十分たどり着けていない感覚も残る。
それでも、理解できないまま置いていかれる不安や、何かが静かに進行しているという寒々しい感触だけは、確かに伝わってくる。その感覚こそが「ダーク・ウィンター」という言葉の示すものなのかもしれない。
本作は、知識を持つ読者だけでなく、わからなさを抱えた読者をも、その不安の中に立たせる物語なのだと感じた。 -
Posted by ブクログ
最近翻訳ものサスペンスばかり読んでいて頭の中がごちゃごちゃしてきた。何も考えずにとにかく楽しくワクワクハラハラして読める本と思って選んだこのシリーズ。全3巻だけど文字?行間?が大きいので思ったよりボリュームはないと思う。第1巻はほとんど登場人物の紹介。だれそうなものだが、それぞれの人生に重みがあって思った以上に読めた。しかし次がどうなるのかという期待感はないので時間がかかったのも事実。後半になって〈サラセン〉に動きが出たところから大きくストーリーが動き出したので、あと2巻が楽しく。ただ少し説明的すぎるところがあって長く感じる所と、逆にもっとじらせばいいのにすぐに結論にいってしまうところがあって、なんだか少し残念。広げたふろしきをどのように上手にたたんでいくのか、期待と少し不安の残り2冊。